13話 凍のオスらしさだよっ
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何も考えてません……
焔「この副題ってことは、まさかっ!」
雷「もしかして、もしかするのかしら?」
花子「……ゴクリ!」
凍「おいいいいいいいいいいいいいいっ!?」
いや、自分でも何でこんな題名なのか覚えがないです
そして今回はっ、とても古典的なお約束の登場です!
皆さん探してみてくださいね?
では本編どうぞ~
猪モドキは4匹なら余裕な相手だが数が俺たちの倍も居るので1対2で対処しないと時間が掛かって誰かに姿を見られてしまうかもしれないのでさっさと倒したいんだが、
「邪魔しないでっ!」
「死になさい」
「出てこなければ、やられなかったんです!」
メスたち強過ぎ。
焔の場合、法剣を伸ばして目を串刺しにして炎を流し込んで苦しんでいる間にもう1匹は剣で首の魔石を切断、その後に1匹目も惨殺。
雷も似ていて、1匹目は斧槍のフルスイングで壁に叩き付けて振り切った勢いに逆らわないで回転切りでもう1匹を上下に両断、壁に激突した衝撃から回復しようとしている1匹目を電気で強化した槍斧に変形させて左右に両断。
花子も、水で間合いの伸びた刀の居合で1匹目を下から一閃して左右泣き別れに、返す刀で2匹目を上からの一閃で同じように左右の泣き別れ。
戦い方としては花子が1番綺麗かもしれないな。
あ、俺は2匹の目を左の銃で潰して片方の頭は右の銃を杭打機で粉砕、もう片方は展開刃で魔石を切断したぞ。
まあ、人間の優秀な武器を持った幻狼が本気で殺しに掛かれば普通の魔獣は戦いにもならずに虐殺されるよな。武器って凄いよ。
「楽勝だねっ!」
本当なら焔に生きたまま炙ってもらいたかったんだが、今回は霊帝に頼まれた仕事を優先しよう。実は焔と花子はそろそろ豊胸の情報が知りたくて爆発しそうなんだよ。
さて、問題の医院長の部屋に入って霊帝の言っていた資料を探すと簡単に見つかった。予めどの辺の棚に収められているかを聞いていたので手間取らずに発見できたのも大きい。やっぱり幼いとは言え霊竜の五感は侮れないな。
実は他にもある資料を頼まれていたからそれも拝借した。猪モドキが俺たちと戦ったことを考えるとそろそろ人間たちが駆けつけてくる頃のはずだ。
そう思っていたら部屋の外から足音がした。このまま俺たちが外に出ても良いんだが、ここまで隠れてきたのに最後は乱闘だと面白くない。そう思ったのはメスたちも同じようで、俺は成人男性が通れるくらいのダクトの入り口を銃で撃ち抜き脱出しようとした。
「何するんですか!?」
焔、雷、花子、俺の順番でダクトにジャンプしたんだが、ちょっと焦ってジャンプしたせいで花子の尻に顔から突っ込んでしまった。
驚いた花子が放った蹴りで顔面に踵が突き刺さって落下した俺は丁度入ってきた病院の連中と警備員らしき侍に尻餅をついているところを見られた。
「貴様、何奴!」
その侍、俺の姿を確認すると質問しながら斬りかかってきた。おいおい、質問に答えられねえよ。
体のバネだけで起き上がりながら回避してもう一太刀振るってきたところにカウンターでアッパーを喰らわせ医者連中の方に吹き飛ばしてダクトにジャンプした。ついでに銃を散弾モードにして乱射したから時間は稼げた。
「花子が蹴り落とさなければこんな無様は無かったのにな」
「凍君がエッチなことしたからです!」
「……羨ましいなぁ」
「凍、後で焔へのキスも含めて平等にしなさい」
げ、冗談だったのに藪蛇だった。ダクトの中を進んだ俺たちはいくつかの分かれ道を焔の勘で行先を選ぶと誰も居ない病室に出た。流石、運だけでカジノの経営者が出禁を言いたくなったほど稼いだ焔だ。普通なら絶対待ち伏せされているところを誰にも見つからないなんて有り得ない強運だ。
窓から病院の周囲を確認するとやっぱりダクトの出口を抑えているようだった。廊下から聞こえてくる医者や看護師の話し声を聞いてみると俺の容姿は広く出回っているようだ。でも偶に『謎の青き天使』って聞き覚えのあるフレーズが聞こえたような……聞かなかったことにしよう。
ダクトや普通の脱出は無理だと判断した俺たちは病室から隣の建物に飛び移って警戒網を突破した。俺たちが居た高層棟から隣の中層棟に飛び移っただけなんだが、普通の人間が10メートルも跳躍できるなんて発想があるわけもなく、俺たちは無警戒の中層棟から脱出した。
それでも敷地内にから出さないように病院の敷地をカバーするように侍とかが歩き回っているんだけど、焔と雷と花子に周囲の動物たちに騒ぐように説得してもらえば隙を作るのは簡単だ。あとは隙を突いて魔獣の身体能力で病院の敷地から逃げ切って終わり。
感想としては、スネーキングミッション楽しかったです。
「君たちは、本当に騒ぎを起こすのが好きだな」
頼まれていた資料を持ってきてやったというのに酷い言い草だ。ならば変態淑女のことを思い出させてやろうか?
「止めてくれ!」
まあ、これで霊帝からの依頼もほぼ完了だろう。病院の上層部が軒並み罰せられたら霊帝の定期検診は他の病院施設が担当するはずだ。そして今度こそ霊帝の意向に合わせた担当が選ばれれば霊帝の貞操の危機は避けられる。
これで焔と花子が聞きたがっていた豊胸技術、一部では大胸筋強化計画と呼ばれていたあれが解禁される。
しかし、そう簡単に胸を大きくすることなんてできるのか? そもそも焔も花子も雷が未だに成長していることと自分たちが若干だが小さくなったことを気にして日夜色々努力している。
具体的には自分で揉んだり、大胸筋を鍛える筋トレをしたり、牛乳を飲んだり、キャベツを食べたり……俺のアレを胸に塗りたくったり……
いや、胸の発達って成長期にどれだけ乳腺が発達するかが鍵だって聞いてるんだけど? しかもそれには女性ホルモンが関わってて意識してる相手に触られると女性ホルモンの分泌が盛んになるからって聞いてるんだけど?
でも、これを言ったら『じゃあ凍が揉んでくれれば大きくなるんだねっ!』とか言われそうだから言わないんだけどさ。てか俺の手を使って毎夜揉んでいるはずなのに大きくならない時点で臨みは薄いと思うんだよ。
好きなメスの身体的特徴を指摘するのはオスとしてどうかと思って言わなかったんだけどさ、体質的に焔と花子って大きくならないんじゃね?
「これだけの資料があれば中央病院の上層部は一掃できるね。これであの変態看護婦ともお別れかと思うと感慨深いよ。実に晴れ晴れとした気分だ! 上手く行けば僕は帝都に居られないくらいの悪評を背負うことになるし、未来は明るいね!」
……どうしよう。霊帝の嬉しそうな顔を見ると、フラグにしか見えねえ。
はい、ということで霊帝の失敗フラグを頂きました
霊帝の行動で裏目に出ないことって本当に少ないですね
初めて出した時はそこまで意識してなかったのに、どうしてこうなった?
霊帝「君のせいでボクに変な虫がついたのか!?」
これが神(書き手)の特権なのだよ
霊帝「良いさ、君が何でも思い通りにできるって言うんなら、まずはその幻想をブチ殺す!」
……ちょっと時代乗り遅れてね?
では、次回『14話 大胸筋強化計画と雷の秘密だよ!』でお会いできることを願っております
霊帝「ええっ!? もう遅かったの!?」