9話 キタッ、メイン変態キタッ
やっと帝都に帰ってきた
でも水龍のターンは1話だけだった
もうちょっと登場シーン多くしても良いのでしょうか?
凍「無理に登場させても、なあ?」
雷「酷い目に遭わせるだけよね?」
焔「水龍はロリコン!!」
花子「やっぱりそっとしておいてあげましょう」
水龍よさらば
まあ普通に出ないと話にならない気がしますが
では本編どうぞ~
水龍ロリコン化計画は大まかに4段階に分けている。
まず顔合わせ。これで多少なりとも仲良くなれれば脈ありと判断しようと思った。結果は……愚痴仲間みたいになっちゃったんだよな。2匹とも地味に色々あったようだ。
次に恋愛に発展するかどうか。これが成功した段階で水龍はロリコン決定だ。ただし霊帝はまだ8歳で恋愛とかができるかは不明。できなくてもドラゴンは基本的に長寿だからその内できるだろうと楽観視。
で、一緒に過ごさせる。恋愛から一緒に住むようになっても平気なほど親しくなればゴールインも夢じゃない! と思う。
最後に水龍が帝都に来るか霊帝が帝都を出られるか。どっちかで水龍ロリコン化計画は完成となる。俺が生きている間に終わるかは不明。
とりあえず、変態看護師を撃退するには2段階か3段階目まで行ければいいのか?
「れえぇぇぇいぃてえぃぃぃぃいぃさぁまあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
最終段階まで行かないと霊帝の貞操ヤバいかも。帝宅に戻った俺が最初に感じたのはそれだった。
帝宅内には侍や霊士たちが死屍累々、屍の上にはナース服のはだけた変態淑女。その背後にはインテリ風に眼鏡をクイッと上げる変態紳士。
……誰かっ、説明求む!!
「ああ、霊帝様、お戻りですか」
ああ、霊士の……誰だっけ?
最初に霊帝の下に案内してくれた馴染の霊士なんだけど、名前を憶えてない。しかしボロボロ。
「ジン・サイキミヤです……霊帝様、お逃げください」
息を途切れさせながら苦しそうに話す霊士はかなり切羽詰まっているようだ。そして状況はなんとなく読めた。
「彼女は、獣人の先祖帰りです。通常の人間では足止めすら難しい。ここは逃げてくだされ」
あぁ~、あの戦闘能力は普通の人間じゃないと思ったらそういうことか。あ、掌打された侍から肋骨の折れる音がした。3本は逝ったな。
俺たちにはまだ気付いてない感じだ。
「みぃぃぃぃぃぃぃつぅぅぅぅぅぅけぇぇぇぇぇぇぇたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
うわぁ~、ご遠慮願いたい相手だなぁ~
あ、後ろの眼鏡も侍に何か投げてる。ん~……注射器か?
「ロリコンの方に関して情報は?」
「医療CQCの達人です」
何でもCQC付ければ良いってもんじゃないと思うぞ。
「聞かない単語ね」
「医療現場で暴れる患者を抑え込むために発達した近接格闘術です」
注射器投げてんぞ。
「対個人、対複数を想定している距離に左右されない捕縛術がメインで、前衛を仲間に任せることで真価を発揮します」
せんでいい。
「……無理だ」
霊帝?
「あんなのが担当看護婦だなんて無理だ! 無理無理無理無理無理ミリ下王bhb!?」
ゴメン、俺たち全員『!?』だ。最後の方は言語崩壊してんじゃねえか。
あ、変態淑女との距離がもう20メートルくらい。
「レイちゃんは嫌がってる。凍がお仕事終わらせるにはレイちゃんを守らないといけない……あの変態さんを倒せば解決!」
焔さん思考が最短距離っすね。間違っちゃいないけど。
霊帝と変態淑女との間に焔が入り込むと変態紳士が明らかに焔をロックオン。しかしどう見ても敵意というよりは……
「かあぁぁぁぁぁぁぁいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
焔もターゲットになったようです。
変態淑女の手が焔に伸ばされる。明らかに胸を狙ったグネグネ動く指は『揉みたい病』とでも呼ぶべきか?
「凍以外が私に触れるな!」
焔さん負けじと剣で変態淑女の腕を下から串刺し……ってやっちゃったよ。変態淑女の手首が跳ね飛ばされた。
その手首は寸分違わず変態紳士の下に落ちていく。変態紳士の方は何の反応も無い。ただ一言だけ呟いた。
「ナナ、来なさい」
「はいはい~」
手首切り落とされたのに軽!?
って、変態紳士が変態淑女の手首を拾い上げて、手首に縫い付けて、変態淑女の体から粘液が手首に延びて手首が接合……は?
「彼女はスライムナイトの獣人の先祖帰りなのです」
スライムナイトってあれか? 騎士とかの死体に寄生して鎧を纏って人型で戦うことを覚えた魔獣だよな? あれって獣人居たのかよ!? てかあれ人間じゃねえよ! 俺たち幻狼や蝶族でも無理だよ!
「気持ち悪い!!」
「ないわぁ~」
「物理法則も何もあったものじゃありませんね」
人化できる魔獣が言うべきじゃないだろうが確かに。てかスライムでもあそこまでの再生能力持った奴は少ないはずだぞ。
「……とりあえず、ショタコンの方を行動不能にするぞ。それで少なくともロリコンの再生能力は制限できる」
「分かったよっ」
「分かりました」
「……彼は何で暴れているのかしらね?」
あ、確かに。
「霊帝様、ギンガ君はどこに行ったんですか?」
「スバルと家に帰ったよ」
「場所は?」
「プライバシーという言葉を知らないのかい?」
「私は医者です。患者のためならモラルや道徳など」
「気にしろ! そしてギンガは患者じゃない!」
「教えて頂けないのなら、仕方ありません」
ああ、理由が読めてきたぞ。
「教えたくなるようにするしかありませんね。ナナ、霊帝様はあなたのことが好きで好きで何でも話したいそうです。是非その願いを叶えて差し上げなさい」
「ふうぅぅぅ、ふうぅぅぅっ」
聞いてねえけど行動はするのな。もう人間かどうかも怪しいけど。もしかしてこの2人が霊帝の担当であり続けているのって病院側が脅されてるからなんじゃ……いや止そう。俺の勝手な想像で皆を混乱させるのは良くない。
……何て考えてる場合じゃねえ!
まあ焦らなくても良い。
「ガアッ!」
変態紳士は雷が両手足の骨を粉砕して地面に踏みつけ。
「きゅうぅぅ~」
変態淑女は焔が法剣で拘束。少しでも動けばズタズタだ。
本物の魔獣と獣人の先祖帰りじゃ体の基本スペックが違うからな、捉えるのは簡単だ。
俺が何もしてねえって? 変態紳士の注射器を全部撃ち落としたよ。これでも練習してかなり使えるようになったんだ。
花子は2人に眠り粉と痺れ粉を振り掛けて動けないようにしたよ。
「……先祖帰りってそう簡単にするものか?」
「しないだろうね。それに帝国は霊竜がトップに君臨しているだけあって魔獣は無駄には殺さないし獣人にも寛容だ。獣人の血の混じった人間なんていくらでも居るよ」
それが全部変態淑女みたいなことができたら侍も霊士も必要ねえな。つまり何かあって先祖帰りしたのか?
「凍、霊帝の依頼を達成するには看護婦の生活にヒントがあるんじゃないかしら?」
雷……そうなると、ストーカーでもするか?
変態をストーカーする狼……難易度高くないですか?
凍「そんな展開にしたのはお前だろうが!」
そうでした
とりあえず、これで帝都編は折り返し地点、のはずです!
焔「無計画なんだね?」
作者ですから
雷「自己満足ね」
作者ですから!
花子「……あ、何も思いつきませんでした」
では、次回~