5話 そう言えばそんなのも居たね!
今回は、あいつが話題に上がる!
凍たちを退かせたあいつが、再登場は絶望的だと思われたあいつが!
凍「いや、下手に盛り上げようとしないでさっさと本編行けよ」
だって早々に本編入ろうと思ってもにじファンが消えるって記事見てモチベーション上がらないんですもん!
ちょっとは空元気で盛り上げないとやってられないんだよ!
焔「あいつって誰のこと?」
雷「さあ?」
花子「もし言われても作者さん以外覚えてないんじゃないですかね?」
いや、本当に覚えていてあげてね
本当なら滅茶苦茶凄いやつなんだから
では本編どうぞ~
3匹はアッサリと短時間で出てきた。まだ昼間だし長風呂する時間じゃないのは分かる。しかし髪が微妙に濡れているところを見ると急いで出てきたみたいだが、どうした?
「ちょっとお風呂に居づらかったんだよっ」
霊帝の髪を拭きながら焔が渋い顔をしている。
風呂に居づらいって何だよ。
「凍君、察してください。流石に聞くに堪えなかったんです」
ああ、お隣さんたちか。
「あの2人は人目も憚らずにイチャイチャと常識知らずだからな」
「凍、君に言う権利は無いと思うんだ」
何を言ってんだよ、霊帝。俺は人間社会に居る間は人間の常識から外れた行為は極力避けているぞ。
「人目も憚らずにイチャイチャしているだろうっ!」
霊帝が物凄く何を言ってんだって表情で俺に訴えてくる。
イチャイチャって、俺はそんなことしているつもりは無いぞ。
「うふふ、レイちゃんってば私たちのラブラブっぷりが羨ましいのかなっ」
……訂正、俺たちは確かにイチャイチャしている。俺は望んでないが。
これは確かに霊帝の情緒教育に良くなさそうだ。霊帝のことは焔が妹みたいに可愛がっているし、霊帝には調べてもらわないといけないこともある。今のうちに恩を売っておくのも悪くないか。
「凍、悪い顔しているわよ。子供相手なんだからもう少し隠しなさい」
「凍君って、偶に性格悪いですよね」
ちょっと2匹からの視線が痛いから不貞寝しちゃおうかな。そんな目で見ないでくれ!
「で、霊帝としてどうして欲しいんだ? あの変態2人のうち片方はお前には無害だから放置するけど、どちらも思い出すだけで怖気が走るぞ」
霊士の言葉を信じるならば霊帝が取れる行動は帝宅を抜け出すことだ。でもあの変態相手だと生半可な脱走じゃ捕まりそうなんだよな。
「とりあえず、明後日は1度帝宅を抜け出して看護婦を撒いてみようと思うんだ。協力してくれるね?」
それが依頼内容だし協力はするけどな。しかし霊帝が番にしても問題無い相手なんて居たか?
…………居たな。たった1匹だけ、この帝国に住む魔獣で霊竜が問題無く番にできる存在が居たな。人間の番なんて無理にも程があるから選択肢なんてあってないようなものだが。
「人間の番なんて論外だし、かと言って並みの魔獣じゃドラゴンとつり合わなくて力に耐えられない……結局凍が僕の身近にいるオスで1番良い相手なんだけど」
「そんな理由で凍に近付くのは認めないよっ!」
「焔がこれじゃ僕にはどうしようもないじゃないか!」
焔が霊帝を認めないで雷と花子を認める理由ってそれか。
さて、ここで魔獣の番の選び方を紹介しよう。
魔獣は自分に見合った力の持ち主の中で番を選ぶ。
自分よりも異常に力の弱いものと交尾しようだなんて無意味なことは魔獣は本能で拒否する。逆に異常に力の強いものと交尾しようものならメスならば自分が産む子供に腹の中から食い破られかねないし、オスなら相手にもされずに交尾自体が不可能だ。てか殺される。
子供の姿とはいえ霊帝は立派な霊竜だ。片腕を失った今でさえ俺たちの誰かと1対1で戦えるだろう。成獣になったら片腕でも俺たちと2体1で勝ちかねない。ドラゴンはそれくらい常識外れな力を持っていて、だからこそ番を見つけるのに苦労している。
つまり、ドラゴンは非リア充が多い。
これをドラゴンに面と向かって言ったらきっと丸焼きにされるな。絶対に言わないでおこう。
「安心しろ。一応は霊竜と番になれそうな相手を知っている」
「は? 霊竜と番になれそうな存在? 何で凍がそんな相手を知っているんだい? そもそも、それほど力のある魔獣なら僕が気付かないわけが無いじゃないか」
「相手は帝都から少し行った所にある森の奥の湖に住んでるからな」
お分かり頂けただろうか?
俺が霊帝に紹介しようかと思っているのは水龍だ。忘れた? 帝都編の9話をご覧あれ。
「ああっ、そう言えば居たねっ」
「完全に忘れてたわ」
「私たちが会った中で1番強いのに思い出せませんでしたっ」
水龍、スマン。これは同情する。まさか皆して完全に忘れているとは思わなかったんだ。
「一体誰のことなんだ? 湖って、確かに知覚できるけど大物が住んでいるのかい?」
きっと水龍は霊竜よりも上位の存在なんだろう。俺たちも匂いが分からなかった。自分よりも上位の魔獣ってのは知覚するのが難しい。知覚しようものなら圧倒的戦力差に本能が警告を鳴らして体を全力疾走させるから戦おうなんてことも思えない。
……前回は怖かったなぁ……
「行ってみてのお楽しみって言いたいけどな、俺たちが行けるか分からねえから先に教えとくぞ。相手は水龍だ」
「帰る!!」
ここお前の家だから。
「凍は僕に死ねって言うのかい!? 水龍なら確かに霊竜とつり合うかもしれないけど僕はまだ子供だよ!? 知覚できない水龍ってことは確実に相手は成獣が成獣直前じゃないか! そんな大きな相手、僕壊れちゃうよ!!」
何の話をしているんだ何の。てか将来の番を探しに行くだけだ。森の魔獣は襲ってこない限りは傷つけないし水龍も片腕の無い子供のドラゴン相手にいきなり水球ぶっ放したりはしねえ、と思う。
「凍、最後に弱気になるのは酷いよ」
「焔っ、凍は何を考えていたんだい!? 僕に何をさせようとしたんだい!?」
ちっ、焔の読心を舐めてた。まさか俺の心を普通に読んでくるとはな。
「これが本当の以心伝心だよ!」
「今のは私でも分かったわ」
「いくらなんでもレイちゃん相手に酷いです」
何か全員から白い眼で見られてる。
「分かったよ。霊帝を1匹で行かせるようなことはしないし最悪俺が抱えてガチ逃げする。これで良いだろ?」
「なら良し!」
「え? 今ので良いのかい? 結局僕の安全は保障されてないよね?」
「凍が自分から守ってくれるって言うのに不満なの? 酷いなぁ酷いねぇ、凍が一生懸命に考えた案を否定するんだ? 凍に自分から頼ったくせに凍を」
「何も問題は無いねっ! 流石、凍は完璧な作戦を考える!」
作戦への不満よりも自分の安全を取ったか。正解だ。今の焔は水龍よりもヤバい殺気を撒き散らしていたしな。霊帝の部屋の前で警備しているだろう人間が殺気に当てられて倒れた音がするし。
「じゃあ、明日は帝宅からの逃走経路の確認。明後日は看護婦が来る前に帝宅を脱走して水龍の住む森に行って水龍が霊帝に興味を示すかを見れば良いのかしら?」
「一応明日はスバルとギンガが帝都を離れるそうですから挨拶だけでもしたいですね」
そういやそんなイベントもあったな。スバルの方は無理だけどギンガとは友達になれそうだと思うんだよな。
ま、別れてもまた会うこともあるだろ。
久々発動の焔さん完全ヤンデレモード
でも霊帝の危機察知能力により発動率は30%ほどです
霊帝の能力に乾杯
凍「そもそも発動するような展開にするな」
焔「ヤンデレってなぁに?」
雷「……本気で言ってるのかしら?」
花子「言葉の意味を知らないのは、本当にありえそうですね」
焔はおバカですからね~、覚えるとかは本当に苦手です
凍のこととなると天才的なんですがね
それはまたいずれ紹介しましょう
では、失礼しま~す