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8話 立つ鳥は痕を濁したくないよな

今回で遊園地編はラストです

この後裏話を挟んで王都へ戻る展開になるのですが、

裏話が5000文字くらいになっちゃった……普段は2500文字程度なのに多いって

2つの話だし、いっそのこと2話に分けようかと悩み中です


凍「どんだけ書いてんだよ」

焔「作者さん、本編より先に裏話が思い付いちゃったんだって」

雷「今までは順番に話を書いていただけに悩みも大きいみたいよ」

花子「何で裏話ありきな本編になっちゃったんでしょう?」


まさか裏話書いてる方が楽しくて執筆が進んだなんて言えない……

右手に雷、左手に花子でおどろおどろしい通路を進む。


「凍、絶対に離れては駄目よ。いいこと、絶対よ?」

「うぅ~、くらいです怖いですやっぱりお化け屋敷は苦手ですっ」


あ~、お揃いのアクセサリーを買った後も遊園地を4匹で堪能してたんだが、お化け屋敷より雷の握力が怖いです。ジャンケンで負けた焔も怖いです。

あ、手の骨から聞こえちゃいけない音がした。


デート初日の予想通り雷はお化け屋敷が苦手みたいで良い反応なんだが、まさか俺の手を生贄にしなければならないなんて考えてなかった。ジャバウォッカーの時の反応で気付けよ俺!

しかし雷さん、フリですか?


「違うわよっ。あなただって少しは怖いんじゃないかって思った私なりの優しさよっ」


どうしよう、未だかつてこれほどまでに雷が面白いことがあっただろうか?

とりあえず、動揺させてみよう。


「俺は全然平気だぞ。ちょっと歩きづらいし少し離れろ」

「っ!?」


おお、かなり動揺してるな。


「じゃあ私と手繋ごうっ」


焔さんアグレッシブ。流石素直な肉食系は違うな。しかし雷が離れるとボリュームが足りない。


「凍、胸のサイズで雷と比べられたら何も言えないんだ」


心を読まれた!?


「私が何年凍のことだけ考え続けたと思ってるの? これくらいできて当然だよっ」


怖っ、焔怖っ! おちおち考え事もできやしねえ!

あ、お化け屋敷終わった。今回は女の店員が俺に凄いキツイ視線向けてたせいで男が何もしてこなかったな。


「一緒に居た時間の長さでは焔にアドバンテージがありますね」

「8歳からの幼馴染は伊達じゃないわね」

「そうですね。私も凍君と出会ったのは10歳の時でしたし」

「……それ、凍は8歳じゃないかしら?」

「……ああっ」


今更気付いたのかよ!?


「さあっ、ジャンケンだよ!」


次は観覧車にでも逝ってみるかな。誤字にあらず。




この遊園地の観覧車は向こうのとはちょっと違う。天井が無くて柵が低い、入口も鎖が垂れているだけ。上の方に行くとかなり風を浴びそう。一応4人乗りだけどかなり狭くて隣のやつとは肩が密着するし正面のやつとは膝を挟み合う感じでくっつくことになる。

今回は勝った順に好きな位置に座ることになったらしい。ちなみに、負けた雷は斜め前、2番目の花子が正面、1番の焔が隣だ。


「…………っ」

「雷、無理しない方が良いですよ? 私も怖いですし」

「~♪」


雷は半分くらいの高さで吹き曝しに怯え、花子は意外と速いスピードに戸惑い、焔は俺の腕に頬ずりしてご満悦……最後だけ余裕だな。でも花子は俺の膝が自分の膝の間に入ってて顔を赤くしている。俺から見ると股を開いているようにしか見えない。


「みっ、見ないでくださいねっ」


流石に股を開いているような姿勢を見られたくないようで顔を真っ赤にしている。

ん? 上の方のレールが少し傾いてるな。当たったら少し揺れるだろうな。

おお、案の定軽く揺れた。


「ひゃあっ!?」


…………お分かりいただけただろうか? 若い雷狼のメスの声が周囲に響いたのを。


「……雷って、本当に可愛いですね?」

「聞かなかったことにしなさい!」


でしょうね。


「凍~、怖かったよ~」


焔はどさくさに紛れて俺の息子に手を伸ばさないようにな。あ、またレールに傾き見つけた。


「雷、また揺れるぞ」

「いやあああああっ!」


揺れた瞬間抱き着いてきやがった。

こらっ、狭いうえに柵も低いんだから暴れるな。


「ズルい!」

「雷っ、離れてください!」


本当にな、胸に顔を埋める感じになってて……お願いだから離れろ!!

こらっ、焔は俺の手を自分の腰に回そうとするな! こんなに不安定だと位置が上に行ったり下に行ったりするだろうが!

花子は雷を引き剥がす振りして俺の膝を咥えこむな! 膝の先がマズイ所に当たっちまう!


『これより、フィーバータイムのお時間です。お客様はしっかりと捕まっていてください』


は?

はあああああああああああああああああああああああ!?

あと2分くらいで降りれると思ったら30キロくらいで回転して降りられなくなりやがった!?


「きゃあああああああああああああああああああああああああ!? 何なの! 何なのよおおおおおおおおおおおおお!?」

「わわっ、スッゴイねっ! あっ、んんっ、凍っ、そこは弱いのぉっ」

「速いですううううううううううううううううううう!! ああぁっ、凍君の膝がっ、当たってますぅっ」


いやああああああああああああああああああああああああああああああ!!

お願いだから全員離れて!! 雷の巨乳も焔の貧乳も花子の○○○の感触も全部ヤバいんだって!! ようやく終わった発情期がぶり返しちゃうって!!




……終わった、ようやく終わった。もう2度と観覧車になんて乗らねえ。焔も雷も花子も観覧車に乗ってたとは思えないくらい顔を赤くしてるし……あれは観覧車じゃねえ。観覧車の形した4人乗りのジェットコースターだ。


「あのっ!」


ん? 何かダンディなオジサマが俺たちを見て慌ててる。

もう遊園地出てホテルで休みたいんだが。


「君たちはもしかして『帝都英雄譚』の天使様じゃないですかっ?」


おいおい、面倒な人間に遭遇したな。

てか誰だ?


「あ、申し訳ない。私はこういうものです」


おお、この世界の名刺なんて初めて見た。生前も見たことないけど。


「あのっ、本当に天使様ではないのですか?」


しつこいオジサマだ。オッサンに格下げしてやる。

折角楽しかった遊園地の余韻が台無しだ。


「うっ」

「これ以上『帝都英雄譚』とは何の関係も無い俺たちに絡むな。迷惑だ」

「し、しかしでっ!?」


オッサンがしつこかったので銃を足元に撃ってやった。あと一歩でも踏み出していたら足の甲に銃弾を受けていただろう距離だ。


「2度は言わない」


そのまま放心したオッサンを放置して俺たちはホテルに戻った。




あ~、最後のさえ無ければ楽しい思い出で終われ……そうでもないな。今回もかなり酷かった。しかし今年の発情期はどうにか乗り切ったな。本当に何度諦めそうになったか分かんねえ。


「諦めてくれれば良いのにっ」

「ヘタレなんだから」

「もっと積極的に攻めないと駄目でしょうか?」


これ以上攻めないでくれ。


「明日は休んで、明後日にはハワイアン民主国を出るんだねっ」

「楽しかったわね。特にデートが」

「また皆で来ましょうね?」

「うんっ」

「勿論よ」

「……凍君は来たくないんですか?」


ああ、俺の答え待ちだったのか。


「……また、来ような」

「はいっ」

「凍ってツンデレ?」

「どちらかと言うと、チワワじゃないかしら?」


誰がチワワだ誰が。

さあ、もう寝よう。


「お休みっ」

「また明日」

「お休みなさい」


お休み。


これで遊園地編は閉幕。

次回は霊帝の治めている帝都に戻ります。今までは魔獣たちのイチャコラがメインとなっていましたが次章からは今までの本編に関係なさそうだった伏線を回収していく予定です。


凍「伏線なんてあったか?」

花子「凍君がジャングルの近くの村を襲ったとき食糧が奪われてたとかですか?」

雷「私があなたと焔に合流したときに覗いていた人間とか?」

焔「都で悪魔の技を使うって言われたりもしたよねっ」

凍「意外とあるな」


作者は半分忘れてましたけどね。主にラブコメるのが楽しくて。


凍「駄目じゃねえか」


言いっこ無しだ!


~~~ 次章予告 ~~~


未だ復興作業を続ける帝都に舞い戻った魔獣たちは魔石の能力と雷の真実を知ることになる。


「これが、雷の真実だったなんてっ」

「……ごめんさない」


そして冒険者ギルドの真の目的に気付いた時、若き魔獣たちは己の信念を試される。


「まだですっ。ここからが、本番です!」

「片腕が無くたって、僕は霊竜だ!」


誰も予想していない新たな出会いは新たな事件の引き金となる。


「私の楽しみを邪魔しようって言うなら!」

「そんなつもりは一切ねえよ!」


新たな事件に天使と呼ばれた魔獣たちは立ち向かえるのか?

謎が謎を呼ぶ帝都で若き魔獣たちが走り回る。


「吾輩は、水龍である」


~~~ 近日公開 ~~~


ふぅ、何とか予告できた。


凍「また訳分かんねえ予告だな」

焔「しかも雷の真実って何だろう?」

雷「何か隠していることなんてあったかしら?」

花子「雷自身も心当たりが無いみたいですね」


まあ、本人のせいじゃないからね。

相変わらずの嘘予告っぽいですが一部は本当に予告です。

『ああ、これか』程度に楽しんでもらえると嬉しいです。

では次回の裏話をお楽しみに~


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