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6話 最近痴女い花子の番だ

個別デート編完結!

いや~、長かったです

山無し谷無しがこれほど難しいとは思いませんでした


でもこの後は皆でデート……いい加減、本編進めないと……

焔のとんでもない強運を見せ付けられた日(別名カジノ側が可愛そうな日)の翌日、個別デートの最終日は花子だ。

ジャングルで再会したころと比べるととんでもない痴女にジョブチェンジした花子だけど大丈夫か? 駄目だろうな。


「凍君、何だか失礼なことを考えていませんか?」


ジャバウォックのジェットコースター前で俺と指を絡めるように手を繋いだ花子が思いついたように聞いてきた。


「ああ、最近の花子は痴女のようだと思ってた」

「酷くないですか!?」


だって本当のことだしな。

別に隠すようなことでもないし素直に言ってみたんだが不服らしい。


「私だって焔や雷に抜け駆けされないように大変なんですっ」


まあ、あいつら相手なら焦るのも分かる。

しかし狼相手に匂いでアピールは卑怯だと思うんだ。効果抜群過ぎるだろ。


「焔の顔と雷の胸に比べたら普通です普通」


言えて妙だなと思いながら売店を冷やかしたりして談笑した。

会話の内容はアレだが意外と普通のデートっぽくて楽しんでる俺がいる。


「何だか嬉しそうですね」

「話題はともかく穏やかに歩けるからな。焔と雷じゃこうはいかないだろ?」

「ふふっ、そうですね」


ああ、この平穏は貴重だ。


「うおっ、スッゲー可愛いじゃん」

「ねえ君、俺たちと遊ばない?」

「何でも奢っちゃ」


「死んでください」


ああ、花子に言い寄ろうとしてた男たちが一瞬で服だけ切られている。

鞘に収めながら『またつまらぬものを切ってしまった』じゃなくてさっさと逃げるぞ。

この遊園地は武器の持ち込みを禁止するべきだと思うんだ。無くても瞬殺できるし。


「汚らわしいものを見てしまいました」

「切るものは考えろ」


せめてパンツだけでも残してれば少しは目に優しかったものを。

警備員に捕まっても面倒なので走って逃げたらお化け屋敷に着いた。

隠れるのに丁度良いってことで入ろうとするけど何故か体が前に進まない。花子が入口の前で踏ん張っている。


「……花子はオバケとか苦手なのか?」

「ひうっ! そ、そそそそっ、そんなことありませんよっ」


思いっきり動揺してるのにその反応はないだろう。

オバケが苦手とかメスにとってはアピールポイントじゃないのか?

ちなみにジェットコースターは素直に怖いから乗りたくないと言ってた。ついでに、焔は全然平気で逆につまらないと言ってたことをここに記す。


「だって、オバケって本当に居るのか分からないじゃないですかっ」

「いや、スケルトン系の魔獣はどうすんだ?」

「魔獣形態で視界に入れないようにして吹き飛ばします!」


凄い排除方法だった。これは花子にはオカルトは無理そうだな。

入るけど。


「酷いですううううううう!!」


半泣きの花子が普通に可愛らしくて和んだのは秘密にする気も無い。




「凍君、絶対離さないでくださいねっ!」


はいはい。


「ニヤニヤして誤魔化さないでください!」


誤魔化してないよ、素直に楽しんでるよ。花子の怖がってる姿を。


「Sキャラは雷の担当です!」


怒られてしまった。

この遊園地は『不思議の国のアリス』に似た世界観なのでお化け屋敷もそれに準じている。ジャバウォックが住むとされる『タルジイの森』がお化け屋敷の舞台なんだから筋金入りだろう。

ちなみに『不思議の国のアリス』の続編が『鏡の国のアリス』だと聞いた。この遊園地の従業員にだけど。


「うぅ~、本当に離さないでくださいね」


タルジイの森に入ってからの花子は俺の腕にしがみ付いている。

流石にやり過ぎたと反省してる。さっきから男の従業員らしき人たちから殺気を向けられてんだよな。

タルジイの森は木々と不気味に光る星空の再現されたお化け屋敷だ。出てくるオバケはポーンのゾンビやナイトのゾンビ。それも1度でフェードアウトではなく、イベントで消えてまた追ってくるような感じで再登場する。

その度に花子がビクッと震えて俺に縋り寄ってくるのは色々とマズイ。

発情期がギリギリ終わってないんだよ。余韻のように残っててまだ反応してしまう。


「凍君~」


その涙声は焔の真似か?

ちょっとその狼にしか効かないような良い匂い止めてもらえませんかね? 体のあちこちが反応しちゃうんで。ワザとか? ワザとなのか?

何だか息が荒くなってるけど本当に大丈夫か? ヤバかったら途中に出れる所があるみたいだし途中棄権でもありだぞ?


「ハアハア……凍君の二の腕……ハアハア……」


怖がってんじゃなくて興奮してんのかよ! さっきまでの怯えた態度はどこ行った! てか二の腕とかマニアックだな!


『うぼああぁぁぁぁぁぁっ!!』


お、ナイトのゾンビが刺突用のランス構えてこっちに……は?

オイ馬鹿止まれ! その勢いだとどう見ても止まれずに俺に当たるだろ!!


『ああああああああああああぁぁぁっ!!』


ランスの先端は潰れてるから意外と大丈夫なのかもしれんがどう見ても安全面に不備がある突撃を仕掛けてきたナイトを躱すために興奮している花子をお姫様抱っこしてサイドステップ。

『げっ!?』とか言いながら後ろにあった段差に突撃したナイトはそのまま落ちていった。

ゴンッとか音がしたが知らん。客に嫉妬で突撃かますような従業員は死んでしまえ。


「凍君、そんなっ、こんな人目のあるところで大胆ですっ」


花子さん、そろそろ降ろすからさっさと正気に戻れ! これ以上阿呆な展開は要らねえんだよ!!

最初の、話題はおかしいけど穏やかだった時間を返してくれ!!




花子とのデートをディナー込で終わらせた日の夜、明日は4匹で遊園地を堪能して、1日は休んで、翌日の朝にはハワイアン民主国を発つ予定だ。

焔と雷と花子はそれぞれの思い出に浸ってる。ただし、ストーキングしようとしていた焔を止めるために雷は相当苦労したようだ。肩で息をしている。胸が揺れるな。


「凍君のお姫様抱っこ……」

「何それ!?」

「不公平だわ!」


俺を睨むな。原因は花子とオバケ従業員だ。


「私も凍にお姫様抱っこされたい!!」

「私はそのままベットまで運んでくれると嬉しいわ。もちろんその後も込みでね」


ああ、うん。こいつらはこうゆう奴らだよ。知ってた。うん、知ってたさ。


「駄目です! 焔も雷も散々凍君で好き勝手に遊んだじゃないですか! 私だって少しは良い思いしたいです!」


素直だな。


「私はいつだって凍とイチャイチャしたいよ!」

「私だって凍のパンツをクンカクンカしたいわ!」


ちょっと何言ってんのか分かんねえっす。

明日は全員で回るってのに、今からこれじゃ先が思いやられるな。

いつものことだけど。


ああ、個別デートが終わっても全然キャラがブレない魔獣たちだ

花子は初登場と比べると凄いことになってますが……


次回からの皆でデート、裏話を挟んで遊園地編は終了です

物語も佳境に向かって転がり出す予定ですが、別にシリアスにする気はありません

ヒロインと凍の攻防は続きます

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