4話 遊園地デートの雷編だ
予告通り遊園地です
遊園地といえばデートスポット!
ということで今回からデート編です
エロはありません!
期待してくださった読者様たちは1度この小説のタグをご覧ください
『エロ』どころか『微エロ』すら入ってません!
でも偶にエロいのは作者が煩悩塗れだからです
凍「んな宣言されても引くぞ」
本編、どうぞ~
海、楽しかったよ。うん、楽しかった。
全身を3匹娘に弄られた、という夢をみたのさ!
ビーチバレーやら水着の幼馴染とキャッキャウフフという実に普通に海を満喫したのさ!
「さて、どこから周ろうかしら?」
で、何故か俺は1日1匹とデートして最後に4匹で遊ぶことになった。
と言っても遊園地とカジノくらいしか行く所はない。海はもう止めてくれ。
一応デートコースはメス側に選んでもらうことになっている。
で、最初はジャンケンしたら雷になった。
「やっぱり遊園地が気になるわ。特にあの速く動くレールの乗り物に乗ってみたいわ」
ジェットコースターだな。
この遊園地は『不思議の国のアリス』を連想させるデザインでトランプの模様やチェシャ猫みたいな動物が描かれている。
雷は絶叫マシーンとかが好きなのか?
「スリルがありそうでしょう。私、スリルのあるものって好きよ」
痴女でスリルのあるもの好きとか訳分かんねえ。
「酷いわ。私があんなこと言うのはあなただけよ?」
周囲には何人もの人間が居るが囁くような雷の声が聞こえた人は居ないようだ。
朝から辺りに響くジェットコースターやお化け屋敷からの悲鳴が掻き消してくれたみたいだ。でも雷に視線が集まっている。胸だな。
「何だか視線を感じるわ」
「そりゃそうだろ」
「本当に要らない視線ばかりだわ。私が欲しい視線なんて決まってるのにね」
何だか雷さんが異常に積極的なんだけど。
「昨日あれだけ私で遊んだじゃない」
知らない覚えてない思い出させるな!
あの時の俺はどうかしていたんだ!
「酷い言い訳ね。オスっていつもそう、自分に都合が悪いと知らない振り」
ゴメンナサイ! でも雷って俺が初めてだとかよく言ってないか?
「ええ、あなたが初めてよ」
それだと『いつも』っておかしくね?
「言ってみただけよ。さ、行きましょう」
う、腕に引っ付くの止めてくれっ。何か当たってる!
「当ててるのよ。ジェットコースターもそんなに待たないで乗れるみたいね」
ジェットコースターか。1度も乗ったことないんだよな。
ここのジェットコースターはジャバウォックという黒龍を模したモンスターの背中のような見た目をしている。
でも技術レベルの問題かそんなに高さはない。精々25メートルくらいだ。
でも聞こえてくる悲鳴がガチなんだが……ちょっと黄色い悲鳴というよりは断末魔に近いぞ?
「あら、これは期待できるわね」
雷は乗る気満々か。ちょっと自信無いんだが。
「私が悲鳴を上げたら後で優しくしてね」
ぐっふう!
まさか雷が乙女チックな上目遣いをするとは思わなかった。
コスプレのせいもあって雷の巨乳が凄いことになっている。これは見ていたら死にそうだ。
ジェットコースターのジャバウォッカーはそんなに並んでいない。
並んでいるのは目をキラキラさせた子供や女に顔を青くしている親と彼氏だ。
君に幸あれと言いたいが俺も怖いよ。きっと君たちとはこの絶望を共有できる。
と思っているのは俺だけのようで腕を組んでる雷を見たら俺に殺気立った視線をくれた。結局敵だったか。
「思ったよりは並んでないのね」
あの悲鳴を聞いたら躊躇うって。
「だからこそ乗ってみたいって思わない? ドキドキするわ」
そうか? 本当に嬉しそうに頬を赤くしてるとこ悪いけど全然共感できねえぞ。
「これは別の理由よ」
サイですか。理由は深くは聞かないよ。
てか人間共はこっち見て羨ましそうにするな。
「あら、ギリギリで次なのね」
1つ前の連中が乗り場に誘導されていった。俺たちは1番前らしい。運が良いのか悪いのか。
「凄い悲鳴。ウキウキするわね」
とても怪しく楽しそうな笑みを浮かべているところ悪いんだけど止めてくれ。正直不気味過ぎる。
「酷いわ、連れの女の子がこんなに楽しみにしているのに共感してくれないなんて」
いや、あんな断末魔にしか聞こえない悲鳴で心躍るとかマジでないから。
とか言い合ってたら俺たちの番が来たようだ。永遠にこなければ良かったものを。
「先頭のお客様から順番にどうぞ」
誘導係の人に前の席に誘導されて2人乗りの蝙蝠模様のコースターに乗り込む。
座席の作りは結構シッカリしていて途中で『I can fly』を心配する必要はなさそうだ。
「彼氏に手を握ってもらうと良いですよ」
何か係員が雷に耳打ちしてる。
彼女じゃねえよ。
「くす、私たちってそう見えていたのね。凍、お言葉に甘えて手を握りましょう」
半分以上は無理矢理で手を握ることになった。ベルトの閉まり具合を確認していた手を強引に握られたんだ。雷狼の握力を考えると俺の手は今日オシャカになるかもしれない。
「何を考えているのか分かるわよ。大丈夫、あなたの手を握り潰すなんてか弱い女の子にできるはずないじゃない」
か弱い女の子? 居たっけ?
「まさか皮肉でもなく本当にキョトンとされるとは思わなかったわ」
と言われたところで乗客の安全確認も終了したらしく出発の合図が出た。
このコースターは最大高さこそ低いが見た感じ相当動く。怖いとかよりも乗り物酔いしないかが不安だ。
「結構高いわね」
少しずつ頂点に上っていくコースターに雷が声だけは余裕そうな感想を言っている。
しかし、俺の手を握り潰さんばかりに力を入れて震えるのは止めてくれないか?
「もう、2度と乗らないわ」
結論から言うと、雷はダウンした。
俺も怖かったがジェットコースター初体験でも予備知識があった分ダメージは少ない。
そして俺の手は骨にヒビが入ったんじゃないかと思うくらいに痛い。
しかし、それにしてもこのジャバウォッカーは酷い。
まず頂点ギリギリ手前で車体がちょっと傾いた。それもレールが歪んでいるかのような『カタン』という音を立てて。
そのまま急降下するものだから車体が傾いたような感覚のまま落ちるのだ。いつレールから外れるのかとヒヤヒヤした。
急降下が終わったと思ったら今度は急カーブ。これも激しいカーブとかいうレベルじゃなくほとんど直角に曲がるように感じた。この時、ベルトが少し緩んだ。
その後も宙返りやレール上のジャンプなど普通のジェットコースターならありえないようなアクロバットを経験させられて雷は完全にダウンした。
降りるときは本当に足に力が入らなかったようでベンチまで肩を貸して歩く羽目になった。もう雷の胸は凶器認定でいいよな?
「スリル満点だったな」
「ええそうね良いスリルだったわっ、でも思ってたよりも平気だったわよ本当にっ」
「じゃ、もう5回くらい行ってみるか」
「あなただけで逝ってきなさいっ」
何かニュアンスが違うように感じたけど気のせいだろうな。
「強がってないで素直に怖かったって言えよ」
「……死ぬかと思ったわ」
「よろしい」
雷の素直じゃない性格もどうにかなんねえかな? ならねえな。
素直な雷って想像できねえ。
とりあえず本当に辛そうなのでベンチで抱きしめるような姿勢で頭を撫でてやる。
「何か失礼なことを考えているわ」
「だから何で断定なんだよ。ほら、飯でも食って他のアトラクション見ようぜ」
ジャバウォッカー以外なら歓迎だ。
その後は遊園地内のレストランで食事して遊園地の定番アトラクションで遊んだり売店を冷やかしたりして夕食食べて雷とのデートは終わった。
しかし、雷は最後までオバケ屋敷を自然な反応を装って避けていた。
これは最終日に期待だ。
雷、実はジェットコースターは駄目だったというお話でした
今回出てきたジェットコースターは作者が実際に乗ったオンボロコースターが元になっています
本当に死ぬかと思いましたが何とか完走してくれました
作者はそれ以来普通のジェットコースターではスリルをほとんど感じません
ジェットコースターの醍醐味がぁ(´;ω;`)