3話 おやおや
前回ヒロインたちを簀巻きにした凍
度重なる読者様たちからの感想はヘタレの嵐
凍よ、どうする?
凍「俺はヘタレじゃねえ!」
焔「え?」
雷「は?」
花子「え~と……」
何だろう、まだ学生なのに耳が悪くなったのかな
ありえない発現が聞こえた気がします
さて、こいつら簀巻きにしたのは良いがこれからどうしよう?
このまま放置ってわけにもいかないが解放したら速攻で本能の赴くままに俺に襲いかかってきそうだ。そうなったら我慢できる自信がない。そして月の位置からまだ夜は長い。多分4時くらい。外では宴会で潰れた獣人が死屍累々で誰も来ることはなさそうだ。
断言しよう、確実に狼になる!
あ、俺元から狼だった。別にそれはどうでも良いんだよ! わざわざツッコミ入れるとこじゃねえよ!
しかし、
「凍~、私全然いつもどおりだよ~」
うっ、焔ってやっぱ凄い美少女だな。簀巻きにされててもちょっとクル。逆に言えば全然抵抗できないんだよな? 今なら俺の自由にできる? 俺が思うがままに焔みたいな美少女を堪能できる? ……はっ! いかん! 俺も発情期で思考が吹っ飛んでる! このままじゃ本当に狼になっちまう!?
「凍、無視するなんて酷いわ」
雷も、顔は焔には敵わないけど美少女だ。女王様って言った方が適切かもだが。そして簀巻きにされてても分かる胸。どんなオスの欲望も叶えてくれそうな夢と希望の詰まっ俺は何を考えていんるだボケ! 確かに布団の上からでも分かる膨らみが2つあるが今はそうじゃないだろ!!
「凍君、これ解いてください。何もしませんから、ね?」
あ~、花子の黒髪綺麗だな。顔と胸はそれぞれ焔と雷が上だけど髪は花子がダントツだな。艶のある綺麗な黒髪って日本人なら誰でもちょっと憧れるよな。あの髪触ったらどんな感触がするんだろう? きっと良い匂いがするんだろうな。それに普段から花子って良い匂いがするし……はっ! 危ねえ! 花子の匂いに惹かれて触ろうとか思ってた。恐るべし蝶族!!
「折角良い匂いを作ったのにもう正気に戻っちゃったんですか?」
しかも狙ってやがった!? 蝶族って魅惑の粉も出せるのかよ!?
「あ、花子ズルい! 私も凍に良い匂いって言ってもらいたい!」
「焔は顔が綺麗なんですから良いじゃないですか!」
「喧嘩しちゃ駄目よ」
「「巨乳は黙ってて!!」」
「……ごめんなさい」
雷弱っ! え、なにこれ? 雷って2人に弱いのか?
とりあえず、帝都で霊帝が焼切られた羽の欠片を取り出し口に運ぶ。
「ああっ、凍がレイちゃんの羽食べてる!」
「凍、あなた何故それを持っているのかしら?」
「レイちゃんが焼き消えたのかって悲しんでたんですよ!」
え~、実は俺が回収して食糧にしてました。
だって霊竜の肉なんて食べれる機会少ないからチャンスだったし。
「これはっ、レイちゃんに代わって私が凍にお仕置きする必要があるよねっ」
「いいえ、レイちゃんの応急処置をした私がするべきです!」
「……全員じゃ駄目なのかしら?」
「それだっ!」
「それですっ!」
仲良いな!? さっきの黙ってろ発言はどこ行った!?
「なら、まずはこの布団をどうにかしましょう」
「あ、焔なら炎で焼き切れるんじゃないですか?」
「あ、そっか!」
「火事になるわよ」
「じゃあ私の布団の紐だけ焼切ってください」
……嘘だろ。
「凍っ、わわっ、急に抱きかかえられるなんてっ、まだ心の準備がっ」
お前と2匹を引き離すためだよ!
「と見せかけて私が花子の紐を切ったりしているのよ」
なん、だとっ? 電気でも切れたのか。油断したっ。
「ふふっ、雷の紐も切ってあげますね? これで、残っているのは焔だけですね」
くっ、焔を抱えた状態であの2匹に抵抗するか? 論外だ! それ以前に不可能だ!
俺は不可能を可能にする男じゃない。不可能なものは不可能だと認識して最善案を模索するタイプだ。
どうする、この状況はどうやったら切り抜けられる? 考えろ、考えろ、考えるんだ!!
「凍、あんまり聞き分けのないようだと本当に実力行使に移るわよ?」
「私たちも凍君に気持ち良くなって欲しいんです。だから暴れないでください?」
……くっ、打開策が思い浮かばない!
「でも雷に花子、抵抗して涙目の凍って、どう?」
おおおおいいいいいいいいいいいっ! 何聞いてんだ!!
「良いわね」
「ありですね」
何言っちゃってんの!?
くっ、流石は焔だ。簀巻きにされて抱えられていても俺の1番辛い状況を作りやがる。これだから昔からの知り合いってやつはっ。最近の美少女は迫力満点だな!
って、もう部屋の壁まで追い詰められてる!?
「さあ、もう逃げ場はないわよ」
「怖いんですか? 大丈夫ですよ、すぐに良くしてあげますから」
花子さん、舌なめずりしないで息を整えて俺から離れて!
てか雷は止めろや!
「あら、私だってメスなのよ? 心許してるオスが目の前にして、私は発情期。やることは1つでしょう?」
何も言い返せねえ。
雷の胸でかくて柔らかいな。花子の髪凄い良い匂いだ。手で触ったら、どんな感じ……違あああああああう!
「離れろっ! 俺は、成獣するまでは絶対しない!」
「あら、強情ね」
「そうですね。でもいつまで続くでしょうか?」
は?
「ふふ~、凍も脇が甘いよねっ」
げっ、いつの間にか焔に巻かれてた紐が焼切れてる。
「3匹の美少女が絶え間なく誘惑したら、耐えられるかしら?」
「凍君、覚悟してくださいね?」
「凍、キスしよ~」
んんんんんんん~~~~~~~~~~っ!!
「焔っ!?」
「また抜け駆けですか!?」
く、口の中が蹂躙され、る……
「離れてください!」
ああ、花子、助かった。
「次は私がします!」
天国から地獄に落とすの好きだなオイ!!
待てっ、おいっ、歯が当たって痛いんだよ!
「む~」
「焔は私とで我慢しなさい」
「へ?」
「間接的でも良いから早く凍とキスしたいのよ」
「あ、雷っ、落ち着いてっ」
「失礼ね。私は最初から冷静よ」
どう考えても冷静じゃねえだろっ!
花子、いい加減に離れろっ! 頭がおかしくなる!
「ふふっ、一緒におかしくなれば良いじゃないですか。ねえ? だから、もっとください」
うわっ、舌甘噛みするな! 耳に指這わせるな! 顎は力抜けるから触るんじゃねえ!
「狼ってやっぱり顎撫でられると気持ち良いんですね。なら、もっと撫でてあげます」
ぐおぉぉぉぉぉぉっ!
くすぐったいような痒いような微妙な感覚がっ、これ以上やられたら、立つのも難しくなっちまう!
「凍君、スッゴク可愛いですよ。耳まで赤くして、ちょっと涙目で、必死に私の指技に耐えてて、このまま全部食べつくしちゃたいです」
お願いだから止めてくれ! あと女の子が指技とか言うんじゃありません!!
「駄目ですっ、私、もう待てま、」
「そこまでよ!」
鋭い声に驚いて見てみたら、体中の力が抜けてグッタリと雷に寄り掛かっている焔を支えている雷が居た。不敵な笑みを浮かべたその姿は、どう見ても女王様だった。
久々に強気な雷さん登場!
そして凍が霊竜の肉を初体験。でも味の感想は無し
焔「私より先にレイちゃんを食べちゃった!?」
凍「間違ってねえけど意味が違う!!」
雷「この鬼畜ロリコン野郎!」
凍「俺はロリコンじゃねえ!!」
花子「そうですよ雷、レイちゃんの年齢を考えたらペドです!」
凍「そういう問題じゃねええええええ!!」
今日は、あとがきが騒がしいな
でも少し、このあとがき、泣いています
……このネタ分かる人居るのか?