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1話 おいおい

ようやく続きを出せます。

そして、更新した日付で気付いた人も居るかもですが、ハワイアン民主国には来ておりません!


凍「じゃあどこに来てるんだよ?」


それは本編で確認してほしいと思います。

では、新章開幕です。

「きゃあああああああああっ!」


帝都から歩いて2日、俺たちは本気の悲鳴を聞いて飛び起きた。

はい、今ので分かるように寝てました。ただいまの時間は……恐らく夜の11時。時計なんて持ってないから分かるわけがない。

そしてやることもないから就寝してました。森の中、テントで4匹仲良く寝るってどんな? 正直寝れねえ。

だって焔と雷に両腕とられてて花子に首とられてんだぞ? もういつ狼さんになっちゃうか分かったもんじゃねえ! なのにこいつら余裕で寝てるし! ……俺最初っから狼じゃんというツッコミは受け付けない。


悲鳴を聞いたのはいいけど特に被害は無さそうだから無視。助けないよ? だって声からして人間だもの。関わっても良いことないだろ?

とか思ってたら数人がテントに近付いてくる足音が……マジかよ、来るなよ。


「起きてっ、助けてください!!」


うわ、しかも女。追ってるのは野郎の盗賊とかか? 奴隷商人の類だったら本当に面倒だ。


「凍、寝たふりしないで起きてよ」

「起きないとビリビリするわよ?」


はい起きました! だからビリビリは止めて! あと焔はズボン下げるんじゃねえ!


「はいはい、こんな真夜中になんですか?」


出てってから気付いた。普通の人間の匂いじゃない。動物の匂いと人間の匂いが混じったこの匂い。


「あ、獣人か」

「って、幻狼様に蝶様!?」


あ、後ろの厳ついオッサンたちには分からないだろうから大声で言わないでね。

俺たちのテントの前で騒いでたのは猫耳で三つ編みの女の子。たぶん俺たちより少し下。

尻尾もあるし手も柔らかそうな毛に覆われている。中々触り心地は良さそうだけど今関わると碌なことにならないと思う。


「おぉ、こんな所で野宿か。しかも女連れとは、俺たちは運が良い」


凄い分かりやすく顔を歪めた盗賊のボスらしき男は、まあ何て言うか、小物臭がした。

幻狼からしたら人間は弱いけど盗賊たちは魔獣に対抗するのも精一杯な力しかなさそうだ。

とりあえず足元に散弾を撃ち込んでやった。


「そっからこっちに近付くなよ。俺たちは大人数相手に戦うのは慣れてるから殺しちゃうぞ」


最後の1言は余計だったと反省。ちょっとビビってた盗賊たちが完全に戦闘態勢に入ってしまった。数は10か。正直10倍あっても勝てないぞ。


「凍、もう殺しちゃっても良いよね?」


法剣を振りながら言わないの。盗賊たちの顔色がちょっと悪くなっただろ。


「焔、遠慮することなんてないわよ。女の敵は全部殺せばいいんだから」


片手で身の丈よりも大きい斧槍を振り回すな!


「み、皆もうちょっと平和的にしませんか?」


そう言いながら刀身を水で伸ばさないの。盗賊たちの顔色が人間じゃちょっとありえない色になっちゃってるから。


「何なんだよ、お前らは!?」


「何って」

「もちろん」

「凍君の嫁です!」


違うからな!




盗賊たちはスタッフが美味しくいただきました。

最近気付いたが人間の肉も塩と胡椒で味付けしてステーキにすると中々美味い。でもやっぱり食べれる部位は少ない。

今はテントの前で軽く夜食を食べた後だ。


「あ、あのっ」


そう言えば猫娘が居たんだった。一緒に食べてたけど無言だったからスルーしてたんだ。


「先ほどは助けていただいてありがとうございました」


畏まってると思ったら俺たち幻狼だった。獣人からしたら幻狼なんて雲の上の存在だしな。畏まりもするか。


「盗賊たちの標的には私たちも含まれてたから殺した、それだけよ」

「そうそうっ、あんまり気にしないでっ」

「でも凍君に近付いたら、分かってますね?」

「はいっ!!」


一瞬で俺から距離取ったな。

焚火を挟んで正面に居たのに思いっきり下がって木に頭をぶつけている。

花子、怖がらせるな。


「流石にやり過ぎたと反省しています。すみませんでした」

「い、いえっ! お構いなく!」


会話が噛み合ってないぞ。


「それで、あなたはどうしてこんな所に居るのかしら? この辺に村でもあるの?」

「……獣人の隠れ里があるんです」


あ~、獣人は体が丈夫だし奴隷商人にバレたら狩場にされるだろうな。


「でも、さっき人間たちが急に村に攻め入ってきたんです」


あ、バレたのね。


「それで、私だけお兄ちゃ……幼馴染に助けられて村から逃げることができたんですけど、でもっ!」


別にお兄ちゃんって言っちゃえば良いじゃんと思ったが口にはしない。


「お願いです幻狼様! 私の村を、救ってください!」


……正直に言おう、面倒だし理由がない。

今まで王都や帝都で魔獣と戦ったのは目的があったからだし、ジャングルに至ってはそうしないと俺が他の魔獣に襲われる可能性があったからだったが今回は本当に理由がない。

そして、これくらいは日常的に起こることなので魔獣としては全く同情することもない。

この子には悪いけど今回は助けないと思う。


「助けてくださったら、私何でもしますっ!」


別に何もしなくていいです。


「凍っ、助けに行こうっ!」

「さっさと出発するわよっ」

「凍君もテント片づけるの手伝ってください!」


早っ! 何だ何だ何なんだ? どうして皆やる気に満ち溢れてるんだ? ちょっと不気味なんだけど? てか怖いんだけど?


「ありがとうございます!」


もうどうにでもなれよ。




やってきました獣人の村。

確かにいかにもなオッサンの群れが半分人間半分魔獣な集団を捕えてる。数では獣人の方が多いが女子供が人質に取られているから何もできないようだ。そして下手に人質を傷つければ暴走すると分かっているから男たちも何もしていない。

山賊だか盗賊だか知らないが随分知性的な連中だ。普通なら気に入った女を無理やり喰ったりしそうなもんだが何でだ?


「おらっ! 気ぃ抜いてんじゃないよ! 逃げた小娘が助けを連れてきてたらどうすんのさ!」

「へいっ! 申し訳ありやせん、姉御!」


あ、リーダーが女だったのな。


「あぁ、随分反抗的な目をするヤツがいるじゃないさ」

「人間がっ、俺たちを売る気か?」


オス犬の獣人か。目つきは鋭いけど悪い奴って感じはしないな。俺たちより1つか2つ上かもな。


「そりゃそうさ、アタシらは山賊。こうでもしないと食っていけないからね」

「卑怯者!」

「卑怯結構、生きていくのに精一杯なんだよっ!」


「お兄ちゃんっ!」


あ、蹴られた拍子に猫娘が騒ぎ出しちゃったよ。

うわ~、メッチャ人が寄ってくる。


「姉御っ、コッチにいやしたぜっ! それに人間付きでさぁ!!」

「はんっ、涙ぐましいね」


あ~、お兄ちゃんとやらの所に走って行っちゃったよ。


「おい、小娘。30秒だけくれてやる。その間にお兄ちゃんとやらに別れを言いな。それが終わったらあんたは女用の檻だ」


男と女を分けてるのか。上手いな。


「そっちのあんたらも、巻き込まれた不幸を呪うんだね」


猫娘はお兄ちゃんと手を触れて、何かを言おうとした。


「時間だ、さっさとこっちに来るんだよ」


は? 10秒も待ってないだろ!?


「アタシらは3秒間も待ったんだよ」


そんな短時間なら待たなくても良いよ! てかわざわざ時間作らなくても良いだろが! 何がしたかったのか全然分かんねえよ!!


「いや、ちょっとは感動の場面を演出してやろうかと親切心がね? 3秒で飽きたんだけど」


この女山賊意味分かんねえ!!


ちょっと愉快な女山賊さん、この方は本当なら準レギュラーとして最初から出そうかと思ってたんですが、武器屋のオッチャンに出番を食われた不遇の人です。


凍「いや、新章でいきなり新キャラ多いな」

焔「でも相変わらず名前が分かりづらい登場だよねっ」

雷「王子の名前を憶えてる人は少ないでしょうし、オジイサンの名前なんて聞いたことないわよ?」

花子「えっ、そういえば武器を作ってもらってるのに私も名前を知りませんっ!」


だって出した覚えないもの。


凍「そういえばジャングルの登場キャラも本編では名前が出ない奴多かったよな?」

焔「あとがきにちょっとだけ載ってたと思うなっ」

雷「どっちにしても不遇ね」

花子「私のお母様とお兄様たちの名前も出ませんでした……」


その魔獣たちはあとがきで出したよね!?


花子「贔屓です!」


刀を抜かないでえええええ!!


この章は7話もいかないくらいで終わる予定ですが、執筆時間があんまりとれないので5の倍数の日に更新しようと思います。

新年度の始まりで、色々ケリを付けることが多くて先行き不安ですが定期的に更新できるように頑張っていくので生暖かく見守ってくださると嬉しいです。


次話は4月5日に投稿します。

次回はようやく本格的な発情期で思考回路の吹っ飛んだ3匹が凍に迫ります。

凍、逃げるのか? 諦めるのか? 何でそこで諦めちゃうんだよ!? もっと頑張れるだろ! もっと熱くなれよおおおおお!


凍「熱くなったら終わりだろうが!!」

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