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18話 戦闘終了

今日でコスプレアンケートは終了です

明日の夜2時までが受付時間ってことです


さて、これ以上の応募はあるのだろうか?


凍「あっても対処できないんじゃ意味ないだろ」


そうね。でも次回のコスプレまで間があるから平気なんだよ。


雷「つまらないわね」


こいつら生みの親に辛辣すぎる……

「これは、面倒なことになったわね」


そうっすね。


「も~、早く帰って凍と色々したいのにっ!」


戦闘、長引かねえかな。


「焔ちゃん、抜け駆けは許しませんよ?」


え、止めてよ。


【君たちは本当に緊張感がないね。そんなんでよく生きてこれたね】


ごもっとも。でも黙ってろ。


【フロロろろろろろろ】


異形は笑うな! いや、笑ってるのかは分からないけども!

何か全員揃ったら緊張感のきの字も無くなってしまった。まあ良い。緊張し過ぎで動けなくなるよりは良いだろう。


【始めようか。僕も茶番には飽きたんだ】


最初から真面目モードで行きたかった。もう遅いけど。


「雷と俺で前衛、焔と花子は中衛だ」

「は~い」

「妥当ね」

「頑張ります!」


異形の内の2体が俺たちに飛び掛ってきた。最も数の多い俺たちを先に潰すことにしたのだろう。頭蓋骨を杭で壊されても動いている1体は霊帝へ牽制の熱線を吐いてから俺たちの方を観察している。


「私の刀は刀身が伸びるだけじゃないんですよ!」


居合いの構えを見せた花子が刀を振り抜くと、その斬撃に合わせた水の刃が異形の2体の出鼻をくじいた。

その隙は小さなものだったが、氷狼のスピードなら小さな隙が命取りだ。少しだけ前に出ていた1体の懐に飛び込み、猫背気味なその胴体をアッパーのように左の杭で打ち上げる。


「ふふっ、初めての共同作業かしら?」

「あっ、ズルイ!」


打ち上げられた異形は、飛び上がった雷が斧槍で一刀両断。

杭じゃ傷もつかない異形を両断するって、どんな斬れ味と威力だよ。

異形は死体も残さず黒い霧のように姿を消した。


「凍っ、次私と!」


いつの間にか焔がもう1体の異形の尻尾に法剣を巻き付け、俺の方に放り投げやがった。

右の銃でガツガツ撃ちまくってから、左の杭を顔面に打ち込む。その反対からは焔が法剣を剣の状態にして突き刺しやがった。何て酷いコンボだ。

やっぱり死体は残らない。霧のように消えるだけだ。


【グアアアアアアア!】


突然の叫び声に目を向けてみれば、霊帝が熱線で片翼を焼き切られたところだった。ご愁傷さま。


【クロロろろろろろろろろろ!】


相変わらず何言ってるかは分からない異形は明らかに俺たちに怒りを覚えているようだ。

先に仕掛けてきたのはそっちだろうに。


「最後の1匹~♪」


焔が鼻歌歌ってる!? 異形、逃げろ!!


「縛って、焼いて、切り取って~、焼いて、縛って、開きましょ~」


意味の分からない歌でした。

でも歌詞通り、異形は法剣に片足を縛られると炭になるまで焼かれ、法剣を無理矢理引き抜くことで切り落とされた。その後に羽を炙られ、切り落とされ、口の中に法剣が侵入して、腹の内側からバラバラに開かれた。

……焔の歌って、処刑用BGM? 黒い霧になるまでのダメージ量、計算してやがった? 九九間違えるくせに何で異形のダメージ量は正確に分かるんだよ! その才能別の所で生かそう? 無理そうだけど!!

……久々にツッコミしまくったかもしれない。


「あとは、レイちゃんだけだよ?」

【そのよう、だね】


子供が片翼失ってよく意識保っていられるな。普通は痛みで気絶するもんじゃないか?


【これでも、精神的苦痛には慣れているからね。体の痛みだって、多少は大丈夫さ】


いや、全然別物だから。

まあ何も言うまい。


【何か言いたげ、だね。でも、もう聞ける余裕は、無いかな】


出血多量だもんな。

雷と花子にこの場は任せて、俺と焔は帝都の魔獣をどうにかしようかね。王子からの依頼もあることだし。




【むう、確かにもう帝都に居る意味もなさそうだの。しかし儂は一体何に呼ばれていたのだ?】


そうブツブツ呟いてワイルドボア(凍の回想の時に受けた依頼の猪)は帝都を出ていった。

俺たちは帝宅を雷と花子に任せてから、街の魔獣を帝都から脱出させていた。未だに戦っている人間と魔獣は他の魔獣が大声で引き上げるように指示を出すことでどうにかしている。人目につかない場所に誘導してからの説得は俺たちが幻狼ということで思いの外楽に進んだ。


「あ、ゴーレムだよ」


焔に言われて階段の下にある避難所の前を見れば、オッチャンが1人で5体の水ゴーレムを操って10体もの様々な魔獣を相手にしていた。

俺たち、1対1で何気なく撃破してたけど、結構強かったんだな。


「オラオラオラアアアアア! この先に行きたきゃ俺を倒してみやがれいっ!!」


しかし、オッチャンが異常に主人公っぽいな。それも超熱血系の。

今にも『足りない分は勇気で補え!』とか言いそうだ。勇者爺? 何か嫌だな。


「凍、助けなくて良いの?」


あ、忘れてた。オッチャンが年甲斐もなく大立ち回りしてるからつい見入ってしまった。だってオッチャン自分もライフル銃構えて戦ってんだもん。

あ、1匹抜けた。


「行かせるかよ!」

「同感だ」


オッチャンが銃口を向けるよりも速く、避難していた人たちの前で仁王立ちしていた王子が剣で蠍の魔獣を両断した。

……あの2人何やってんだ? その後ろではメイド長が盾構えてるし。


「ガッハッハッ、流石王子!」

「気を抜くな。まだ終わっていないぞ」

「アイ・サー!」


……放置しても問題ないよな?


「凍、それは駄目だと思うんだ」


分かったよ。

焔に責められては逆らえない。さっさと終わらせよう。


「王子、お待たせ」

「コオルかっ! 遅いぞ」

「これでも依頼はこなした。残りは後始末だけだ」

「では、この状況をどうにかしてもらおうか」


はいはい。

と言っても魔獣たちは俺と焔にビビって今にも逃げそうな勢いだ。


「もうお前たちを引き寄せるものはない。さっさと自分の住処に帰れ」

【……分かった】


猿の魔獣が従ったのを皮切りに、他の魔獣も背を向けて帝都の外を目指していった。

全く、あと何体帝都に残っていることやら。


「全く、お前たちは本当に私の理解を超えているな」


俺の台詞だ。何で1国の王子が魔獣を1撃で両断できるんだよ。冒険者でもBランクの上位からだって聞いてるぞ。

メイド長も構えに隙が無さ過ぎて熟練者だって分かるし。


「権力争いの激しい王族だからな。幼いときからそこいらの騎士とは比べ物にならん鍛錬を積んでいる。妻は要人警護の技だ」


メイドって要人警護必須なのか?


「配属先による。ここはもう良いから他の場所をどうにかしてこい」


はいはい。依頼は完遂してみますよ。




その後、帝都に侵入した魔獣は全て消えた。死んだものも逃げたものを含めれば、帝都に残っている魔獣は俺たちと霊帝だけだ。

霊帝は熱戦で左腕が焼き切れて人化しても隻腕になったようだ。花子が応急処置はしたそうなので命に別状はないらしい。どうでも良いが。

そろそろ本格的に旅立つかな。


これで帝都編は殆ど終了です

事後処理の1話と裏話を終えたら次章に入ります

また数日の間が空きますがご容赦ください


先に言っておきます、今回の裏話はメインじゃないヤツの視点があります

誰だか当てられた方には雷さんポイントを進呈します

もしかしたら姉御が優しくしてくれるかもしれません

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