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4話 過去回想

雷「あら、あの作者まだ帰って来ていないの?」

凍「帰ってくるのは3月だぞ」

焔「早く帰ってこないかな~♪」

花子「焔はどうしたんですか?」

凍「さあ?」

雷「知らないわ」


焔「凍の✖✖✖を✖✖✖して✖✖して✖✖✖する話書いてくれないかな  ~。いっそ凍に✖✖で✖✖✖されて✖✖✖されるのも良いな~。で  も✖✖し合うのも捨てがたいし✖✖✖も悪くないな~」


雷「酷い妄想だったわ」

花子「不潔過ぎます!」

凍「本編どうぞっ!!」

「今日はここまでですね。皆さんは冒険者と言うことですので午後は依頼を受けたり宿で休んだり自由に過ごしてくださいね」


授業は国語、数学の後に科学、社会と繋がった。基本的な時間割がこれらしい。冒険者相手に体育の実習とかはしないらしい。そりゃ普段頭より体使ってるような職業だしな。

科学は魔石の説明や魔獣の生態、社会は歴史や地理の話になるようだ。今日は初日ということで本当にちょっとした話だった。明日から本格的になると言われたが、


「きゅ~……」


焔が既にオーバーヒートしている。さわりだけの科学と社会でノックアウトされたようだ。これは酷い。


「凍、いくらなんでも焔は酷すぎるわ。勉強させましょう?」

「雷っ!? 大丈夫っ、私全然ついていけるよっ!!」

「焔、世界の3大国はなんでしょう?」

「花子っ!? え~と、え~と……」

「お勉強しましょうか?」

「ええええええええええええええええっ!!??」


これは酷いな。さっきやったばかりだぞ。

答えは王子の国のキスタニア王国、今居るリストカット帝国、ここから北に行ったハワイアン民主国だ。

雪国なのにハワイアンとはこれ如何に?

ちなみにリストカット帝国は地球で言うイタリアくらいの緯度にあるらしい。

焔、緯度ってのは南北の位置を表す言葉だぞ。


「え、東西じゃ……はっ!」

「焔ちゃん、お勉強決定です」

「いやああああああああああああああっ!!」


花子が『ちゃん』付けで呼ぶほどか。対等な相手だから呼び捨てにしていたはずだったのにな。確かに焔は酷すぎる。


「でも王子を見捨てたからお金も無限じゃないわ。誰かが焔に教えている間にもう2人で依頼をこなしましょう?」

「はいっ! 凍に教えてほしいですっ!」

「凍くんと私で依頼を受けたいですっ!」

「……花子が焔に教えて頂戴」

「「ええっ!!」」

「妥当だな。ほら、行くぞ」


こうして雷と俺がギルド、焔と花子は宿で勉強となった。

あいつら自業自得過ぎる。




ギルドに行ったらCランクで良さげな依頼があった。ちなみに雷はこの依頼を完了したらCランクだ。花子は登録してから1度も依頼を受けてないからDのままだが。


「ワイルドボアの巣から魔石を取ってくる、ね。私たちなら簡単ね」


ワイルドボアは2メートルくらいの猪だが幻狼である俺たちからしたら下位の存在だ。ちょっと話をして魔石を取らせてもらえば良い。無闇に傷付ける趣味もないしな。


「そうだわ、凍、前から聞きたかったのよ。あなたと焔の関係を」

「焔との関係?」

「ただの幼馴染にしては焔の依存は異常よ。その御陰で船では大変だったわ。それに見合う話くらい聞いても良いでしょう?」


そう言えば俺がジャングルに居る間焔の相手は雷がしてたんだよな……これは申し訳ない!


「何か、ゴメン」

「謝って済むなら騎士も教会も要らないのよ。代わりにあなたたちの過去を聞かせてくれれば良いわ」


ごもっとも。

仕方無い。特に話したくない理由があるわけでもないし話してやろう。


「氷狼と炎狼は前に争ってたのは知ってるか?」

「噂では。私たちは生まれたくらいに収まったと聞いてるわ」

「それだけ知ってれば充分だ。巣に向いながら話してやるよ」


さて、まずは出会いから話さないと駄目だったか?




今日はカブトムシの脳味噌食うぞ! 俺が焔に会ったのはそう思って村を出た日だった。

まだ8歳だったが早く色々な魔獣を食べてみたかった俺としては禁止されてた狩りに出ていた。単独の狩りは10歳からと決まっていたが好奇心が勝ってしまった。

昔は争ってた炎狼の村から誰かが来ると村長が集会で話していたが正直どうでも良かった。俺と同い年くらいのメスだと聞いてオスたちは歓喜していたが俺にはカブトムシの脳味噌の方が大事だったしな。


で、見つけた。

成虫のカブトムシだ。体長は1メートルくらい。オスらしく立派な角が生えている。あれで体当たりされたら子供の俺はヤバイだろうな。

背後の茂みからゆっくりと近付く。息を殺して、相手が完全に気を緩める一瞬、餌の樹液を堪能し満足する瞬間を狙う。


…………まだ食っている…………そろそろ樹液が切れそうだ…………あと1舐め……今だ!


食事が終わり、堪能したように息をついた一瞬、俺はカブトムシの背中に飛び掛る。察知したカブトムシはハネを広げ飛ぼうとしたがそれが狙いだ。

成虫の甲羅は俺には硬すぎる。広げてあらわになった背中に氷の爪を突き立て、肉に食い込む感触を頼りに致命傷にするべく中でグリグリと掻き回し体力を奪う。

『こんなガキに!』とか『まだ死にたくねえ!』とか『俺童貞なのに!』とか言ってたが無視した。

お前の性事情なんてどうでも良い! てか知りたくねえ!

やがて力尽きたカブトムシ。こいつは食う場所が少ない。しかし脳味噌は美味い。丁寧にすくって甲羅を器に炙るとなお美味い。今日はそう言う気分だったのだ。


帰り道、角をくわえて運んでいると前方から見知らぬ狼が走ってきた。丁度俺の上を木伝いに飛び越したが飛んできた木の破片が当たって真後ろに落ちた。当たりどころが悪かったのか痛そうにもがいている。


「ようやく大人しくなったぜ」


今度は普通に氷狼が茂みから出てきた。俺の2つ上のオス。かなり強引な性格でメスたちからは賛否両論だった気がする。

『こっちの気持ち無視してる』と怒るのと『オスはあれくらい強引で良い』と言う2つだ。

しかし今回は追われているのは炎狼で、かなりの美少女だ。コイツが興味を持つのも分かる。魔獣は基本『欲しいものは力づく』だしオスメスは関係無い。


「凍っ? お前何単独で狩りに出てんだよ!」

「俺の勝手だろ。怒られても食いたいものがあったんだよ」

「これだから問題児は」


吐き捨てるように言われた。ウザイな。


「退けよ。そのメスは俺のもんだ」

「ハイハイ」


別に俺はこのメスがどうなるかなんて知らない。犯されるのかもしれないし何もないかもしれない。だが俺には関係無い話だ。俺はこの炎狼が美少女だとは思っても自分のものにしたいとは思わなかった。今はカブトムシの脳味噌の鮮度の方がよほど大事だ。


「その獲物も置いてけよ」


は? 


焔「雷はズルイ!」

花子「全くです!」


雷「酷いっ、濡れ衣よっ!」


凍「小芝居の嘘泣きは止めような?」

雷「そうね。あまり面白くなかったわ」

焔「雷ばっかり凍と2匹っきりで不公平だよっ!」

雷「焔が難しい言葉を使っているわ!」

凍「はっ、作者のマグカップにヒビが!」

花子「不吉ですね」

焔「私そんなに馬鹿じゃないもんっ!」

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