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3話 授業開始

海の先からこんにちは、留学中のけんしょ~です


これを誰かが読んでいる頃、僕はオーストラリアで熱中症になっていることでしょう

凍を連れて行ければ氷を出してもらえるのでしょうがそうもいきません


凍「俺はお冷か冷たいおしぼり扱いか?」

焔「こんがり日焼けさせようかな?」

雷「けんしょ~の丸焼きの完成ね」

花子「楽しんでないで止めてください!!」


花子、良い娘だよ花子


花子「やっぱり気持ち悪いです!」


orz

帝都2日目。

昨日取った宿は探偵事務所風の縦長の建物をいくつか持っててそこからグレードを選ぶシステムだった。ちなみに本当に何かの事務所として長期貸出もしているらしい。

変な宿だ。


俺たちは真ん中くらいのグレードの4人部屋をとることになった。焔と花子が無理矢理取ったとも言う。雷は笑ってるだけで何も言わなかった。何か言えや。

唯一の救いはベットがちゃんと4つあったことだと思っていた。そう、思っていたんだ!

まさか焔と花子が夜這いするなんて思ってなかったんだよ! 右に美少女、左に綺麗なお姉さんってどんな拷問だよ!? 襲わなかった俺を誰か褒めて欲しい。

雷が『流石はヘタレ狼ね。こんな綺麗な娘たちに迫られて無反応を貫くなんて中々できることじゃないわ。尊敬してあげてもいいのよ、この不能』と言ってくれた。

あいつ褒める気も慰める気もないでやがる。


「今日から授業ですね」

「人間ってどんな勉強するんだろうねっ?」

「少し楽しみね」


と言うわけで来ましたカオスな学校に。相変わらずのゴッタ煮校舎には参ったが教員や生徒に罪はない。破壊工作は勘弁してやろう。

昨日事務のオバチャンに教えてもらった教室に向かうと色んな生徒と擦れ違ったが、全員俺にキツい視線飛ばすの止めてもらえますかね? 美少女に囲まれてるのは事実だけど想像以上に疲れるんだぞ?

で、教室到着。

何でもこのクラスは本来冒険者オンリーなクラスなのだが他の生徒との学力差がありすぎるから俺たちのみのクラスにするらしい。贅沢な話だ。


「今日から皆さんの担任になりますシズ・クラミネイです。勉強以外でも困ったことがあったら気軽に相談してください」


担任は柔らかい感じの女教師だった。俺たちを見てから一瞬だけ目を見開いた。何だ?


俺たちは今までまともな教育を受けてこなかったと話してあるので担任1人で全教科行けると判断されたっぽい。どうせ短い期間しか帝都には居ないのだからどうでも良いが。

軽い自己紹介をしてから教科書が配布された。これに沿って授業が進むらしい。


「今日の1限目は国語ですね。では、最初はよく使われるコトワザから勉強しましょう」


読み書きができるのは分かっていたから最初の数ページを飛ばしてコトワザから入ったか。

色んな生徒に対応しなくちゃいけないこの街の教師ってもしかして滅茶苦茶大変? 頑張れ先生!


「ではハヤシさん、言っても意味がないことを表すコトワザで『馬の耳に』何と言うでしょう?」


久々登場焔の名字。基本先生は名字で呼んでくるっぽい。しかし焔、回答までに時間掛かってないか? 念仏だぞ念仏。


「う、馬の耳に……小判!」


それ猫だよ! 馬の耳に小判入んねえよ! まさか焔、コトワザ知らないのか?


「意味は近いのですがそれは別のコトワザですねぇ。正解は念仏です」


まさか間違えるとは思わなかったよな。先生も若干顔が青いぜ。


「では、同じ意味で『豚に』何と言うでしょう。ワタナベさん」

「真珠ね」

「正解です。ではもう1度ハヤシさんに問題で『猫に』何でしょう?」


何だこのサービス問題。


「真珠?」


違う! 同じ意味だからって同じ単語は入らねえよ!


「え~と、ここは小判です」

「「「…………」」」


何だろう、焔の答えで凄く居た堪れない空気になってしまった。沈黙が気まずい。


「で、では文章問題を見てみましょうっ」


先生ごめんなさい。家の娘こんな馬鹿だなんて知らなかったんです。今後はもう少し気を付けて教育します。


「では、この問題にしましょう。『ロザリーはジルの疲れた表情を見て悲しくなった』。このときのロザリーの気持ちとして適切なのはどの選択肢ですか?

1、お腹が減ったのかと思って可哀想だったから

2、何か悲しいことがあってそれを自分が慰めてあげられないから

3、自分に相談してくれないことが悲しかったから

では、ヤマダさん、答えてください」


これは前後から考えて③だな。てか少し先でロザリーがジルにそう言ってる。


「③です」


焔、その表情見ると分からなかったみたいだな。後で勉強会な。


「正解です。一緒に暮らしているのに頼ってくれないのが悲しかったのでしょうね。皆さんも何かあっても1人で抱え込まずに互いに相談してみましょう。一緒に居るのに頼ってもらえないのは悲しいですからね」


あ、この後ジルがロザリーに相談してる。しかし10歳と13歳の2人暮らしって凄いな。てかこの話やたらイチャイチャが多いな。教科書として良いのか? ジルがロザリーの裸に興奮するとかどう考えても教育用の内容じゃないだろ。しかもジルの悩み晩飯の献立だし。


「この話は教会の子供たちによる劇の題材にも使われて――」


このイチャイチャを子供の劇に使うとか大丈夫か? 普通にロザリーの裸とか混浴とか台所で指切ってチュパチュパとかあるんだけど?


「その時のジルとロザリー役の子たちは恋人になることが多いんですよ。ほとんどはそのまま結婚しますね」


なんのジンクスだよ! てか最後まで読んでも劇向けの内容じゃないし! 何だよ勇者と姫様の結婚とか魔王(幼女)と魔族(女)と部下(全員女)のラブロマンスって! 本当に児童向けの劇に使ってるのか? 頭湧いてんじゃねえの?


「ロマンチックだね~」

「でも、子供向けにしては過激ね」

「結婚ですか、良いですね~」


女性陣の過半数が賛成だと!? 雷は常識あると確認できただけでも良しとしよう。


「劇のときはちゃんと対象年齢を落としてありますよ。児童向けの本でもそう言った描写はカットされてます。大半の子供は大人向けの内容も知ってますけどね」


意味ねえじゃん!


「この物語からプロポーズに繋げるカップルも居るくらい昔からあるお話なんです。知っておくと便利ですよ」


でもこれ剣と魔法のファンタジーで恋愛ものじゃないんですけど?


「あ、もう授業終了時間ですね。次は算数の時間なので教科書を用意しておいてくださいね」


あ、逃げた。




さて、先生の予告通り算数の時間なわけだが……焔が酷い。

魔獣でも足し算引き算掛け算割り算はやる。九九の段なんて魔獣でも常識だ。

駄菓子菓子、


「9×2……19?」


素数だよ! どうやったって九九の段じゃ出てこねえよ! もしかして足し算から怪しんじゃねえのか!? 何で9+9が19になるんだよ! 1多いよ! そして久々にツッコミざんまいだ!!


「違います。え~と、サトウくんは分かりますか?」

「18です」

「正解です」


相変わらず何とも言えない微妙な空気が教室を支配しています。先生も焔を当てなければいいのだが不公平なことができない性格らしくて定期的に焔に当たる。しかし焔は間違いまくって凹み俺たちもどうしようか悩む。

何と言うジレンマ。


「別に計算なんてできなくても生きていけるもんっ……」


半泣き小声な焔が少し可愛く見えたのは内緒だ。


焔「私馬鹿じゃないもん!」

雷「そうね、焔(バカな娘)」

凍「そうだな、焔(バカな娘)」

焔「うええええええええええええんっ!!」


花子「よしよし、大丈夫ですよ~

    あ、今回から作者さんが居ないので私たちだけで前書き後書きを担当させて頂き   ます」

凍「よろしく」

雷「ほら、焔。いつまでも拗ねないの」

焔「うぅ~、凍~ (ヒシッ)」

花子「何をやっているんですか離れてください!!」

焔「花子が苛める~」


凍「……ストッパーが居ない」

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