表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/145

16話 接敵

今年度中に終わらせたいと思っていたのに、

どう考えても終わらない


凍「あるある」

焔「あるある」

雷「……具体的には?」


フェンリルさんどう考えても4月まで続く


凍「成狼するまでしないって決めてたのにやっちまった」

焔「15歳までに凍落としたかったのにできなかった!」

雷「凍だけ逆よ」

花子「焔の願いが叶っていたらこの物語始まってませんでしたね」


危ない危ない

では、本編どうぞ~

「もう1度聞こう。花子とはどこまでいった?」

「真面目な顔して何聞いてんですか!?」

「お父様っ、今はそんな話をしている場合ではなくてですね!?」

「大事な話だ馬鹿者おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

「そうよっ、可愛い花子ちゃんが長い旅路の中でどうなったか、気になるじゃない!」

「鼻が良いのが狼だけだと思うなよ蝶だってそれなりに鼻は良いんだ!」

「テメーらからするお互いの匂いは一体全体なんだって話なんだよ!!」


王様、王妃、長男、次男五月蠅い。巨大芋虫を世話してる長男のつがいを見習え!

いや、微妙に聞き耳立ててる? 何かチラチラとこっち見てる!? あんたもかよおおおおおおお!!


「凍君とは番になりました!」

「花子!?」

「まあまあっ、おめでたいわ!!」

「ちっ、こんな若造に娘を」

「花子、遠くに行っちまったな」

「……いやでも、凍からはあの炎狼とか雷狼の匂いもするよな?」

「……凍君、どういうことか、我にも分かるように説明しろ」

「命令かよ!?」


ギラギラした目で俺を睨む王様と長男と次男だが、王妃は優しい目で微笑んでいる。重婚のこと言っても王妃は怒らないかもしれない。


「え~と、実は焔、雷、花子と1度に番になりまして」

「少し待っておれ。刀を持ってくる」

「俺は麻痺粉の準備だな」

「あ、前にジャングルで死んだ人間が手錠を持ってたな」

「あらあら、私の分は残るのかしら?」


全員が敵に回っただと!?


「ああっ、でもでも凍君は本当に平等に愛してくれてるんですよっ。誰が1番とかでなく皆が1番と言うか」

「ただの優柔不断のヘタレじゃねえか!」

「ウルセエ、俺たちの関係に口出しすんな!」

「言ってくれるじゃねえか若造! 表出ろ!」

「俺たちが相手だコラ!」

「さあ若造、そこに直れ! 刀の錆にしくれる!!」


ああ、カオスだ。王様が戻ってきたせいで余計にわけが分からねえ。


「ああ、もうっ! 何でも良いから話を聞け!!」

「テメーをボコしたら聞いてやらああああああああああああ!」


今ここに、蝶族との決戦の火蓋が切って落とされた。




はい、長男と次男は気絶、王様とはまたしても相討ちしました。目の前を星がキラキラしてやがる。

長男と次男は居ても居なくても変わらない戦闘力しかないようで、王様のサポートにもならずに銃の腹でぶん殴ったら木に頭ぶつけて気絶した。王様とは前と同じで刀を振り抜いた隙を縫うようにステークを打ち込むんだが、いつの間にか戻された刀や鞘が俺を襲う。もうやだこの筋肉ダルマ。

で、王妃は花子の体を調べるために洞窟の中に花子を拉致し、俺たちの勝負が一段落した頃に戻ってきた。花子の顔は赤いし王妃は艶々しているしで何があったのか聞くのが怖い。


「良い体だったわ」

「うぅ~、お母様酷いです」

「発情しないでいただけますか王妃様!!」


ちなみに、こんだけ騒いでるのに長男の番と子供は普通に遊んでいる。あの子は将来大物になるな。それにしても、長男がこの程度の力しかないのに王様を継ぐことなんてできるのか? 隣の大陸に行っても普通に死ぬんじゃね?


「はあはあ。ともかく、これで本題に入れるよな? な?」

「ちっ。良いだろう」


舌打ちしやがったよこの王様。

気を取り直して魔都の人間たちのこと、雷狼が操られてこの大陸に向かていること、黒スライムを使えば魔獣を操れることを話すと凄い渋い顔された。しかも何か微妙に釈然としない感じの顔だ。何?


「なあ、どう考えてもその魔都の人間とか操られた雷狼より、炎狼の嬢ちゃんの方が危険じゃねえか?」


長男よ、それは間違っているぞ。いくら焔でも大人の雷狼の群には勝てない、と思う。

そう懇切丁寧に説明したら余計に渋い顔された。そんなに俺や焔は信用ならんか?

そして王様相手に口調を変えるのが面倒になった。


「しかし、操られるのが本当なら困ったものだな。どうしたものか。その黒スライムは空を飛べるのか?」

「浮いてるのは見たことあるが、せいぜい人間の身長分くらいしか見たことねえや。でも木とかを這って登ることはできるかも。普通のスライムもそれくらいするし」

「つまり空を飛んでいればある程度は安全と考えて良いのか」

「人間が投石器とかを大量に持ち込んでなければ大丈夫だと思うぞ。相手は船でこっちの大陸に来てるから荷物はある程度限られるはずだ」

「我は人間の船の性能など知らん」

「御尤も」


正直な話、俺も知らん。

報告が終わったこともあり1度俺はジャングルの外に出る。ジャングル内で緊急会議を開きその結果で俺がジャングルに関わるか関わらないかが決まる。人間たちがジャングルに来なければそれで万々歳なんだが、戦力増強のためにも来ちゃう可能性あるんだよな。

で、ジャングルの外で軽めの昼食を食べている。焔が帝都で食材貰って作ってきた弁当だ。初めて弁当箱で料理した割に飛竜の卵焼きに狼肉をアスパラに巻いたものとか山の幸の炊き込みご飯とかが隙間無く綺麗に弁当箱に収まっている。綺麗過ぎて作り物感があるが焔以外の匂いはしないのでマジで焔の手作りみたいだ。ちなみに山の幸は人間だったら毒だったり麻薬だったりする危険なキノコばっかりだが焔の炎で毒を抜かれているので人間でも問題無く食える。かなり美味い。


「お父様たちはどうすると思いますか?」

「私たちはほとんど話さなかったから花子のお父さんたちのことは分からないわね。どうなの凍?」

「王様は過大評価も過小評価もしないタイプ、だと思う。周りはよく分からん」


ジャングルには炎猿も居る。犬猿の仲というだけあって狼と猿は互いに生理的に無理だ。前回と違って今回は脅威が分かりづらいので反対されるかもしれない。

あ、王様が出て来た。


「満場一致で凍君に協力することになった」

「何故!?」

「いや、凍君がメス3匹番つがいにしたって言ったら即決であったな。我が理由を聞きたい」


何があったんだろうな。いや、焔関係で何かあったんだろうけどそれにしても何があったんだ?


「と言うことで、今から我と敵情視察に行くぞ」

「どういうことだよ?」

「凍君、気にしてもお父様は止まりません」

「なんとなくキャラを察したわ」

「お空のデートに邪魔者」

「焔、これデートじゃねえから」


王様の後ろには数匹の炎猿や狼や昆虫が控えているが、メスは一様に焔を見て震えている。うん、満場一致はやっぱり焔が原因だね。試しに焔の背中をジャングル側に押してみたら全員に緊張が走った。


「なぁに~?」

「いや、ちょっと遊んでしまった」

「我のジャングルを荒らすな」


面白いがこれ以上は時間が勿体無いので蝶の姿になった王様の背中に乗って港に向かうと遠目からでも船が到着したのが見えた。雷狼たちは全員目を隠すように黒い眼鏡を掛けている。グラサン?

今は荷物を降ろしているようで荷物を持った人間が出てきて、持っていない人間が入って行く。花子が風の向きを変えているため雷狼は俺たちの匂いが分からないらしく見つかってはいない。でも幻狼の視力を考えると時間の問題だろうな。あ、見つかった。

1匹の雷狼が周囲に報告し人間を呼ぶと一際偉そうな服の人間が双眼鏡でこっちを見た。そんでもってその人間と目が合った気がする。王様の背中に立って嫁たちの前に立ってるから俺が1番目立つんだよ。

3匹の人化した雷狼が港の外に走りはじめたが、その間にも荷物の運び出しは続いている。その荷物の中に投石器のような大型の物は無く、組み立てるにしてもそこまでの大きさの物も無さそうだ。そして、魔都のトップのあの婆さんを見つけた。双眼鏡を持った人間に俺たちの居る方を示されて、ニヤリと俺に笑いかけたような気がした。ついでに王子も発見したが、気にすることではない。

雷狼たちは港町を出て人目に付かなくなった距離からは人化を止め、4本脚で大地を蹴って俺たちに向かって来た。目は赤く光っているので黒スライムが寄生しているのは確定だ。


「こいつら潰さないとジャングルが早速バレるんじゃね?」

【おい先に言わんか! 早急に奴らを蹴散らすぞ!】

「相手は3匹、5匹で囲めばどうにかなるかしら」

「まずは風圧で怯ませましょう」


雷狼が近付いてきた辺りで王様が思いっきり羽ばたき地上に強烈な風を起こすと雷狼たちは地面を強く掴みそれ以上動けなくなった。その隙を突いて俺、焔、雷が王様の背中から飛び降りて自分の得物を雷狼の背中目掛けて突き出す。


「下手くそね」

「凍の武器はレンジが短いから仕方ないんだよっ!!」


焔の法剣は伸びて雷狼を巻き取り燃やした。雷の斧槍はリーチを生かして雷狼を地面に貼り付けにするように突き刺した。俺は杭を打つために銃口を当てる前に逃げられた。リーチって大事。


「ふん、こんなヘタレと引き分けるとは、我もまだまだ強くならねばな」

「凍君、焔の言う通り武器の差ですし、気にしないでくださいね?」


蝶の親子は俺の心を攻撃するのが本当に得意だな。

王様は焔が燃やしてのた打ち回っている雷狼の首、花子は雷が地面に貼り付けにした雷狼の首をそれぞれ切り落とし、出て来た黒スライムを横薙ぎに切り払った。その辺は親子だと思わせる動きだった。


【貴様等、貴様等があいつらの仇か!!】


あ、俺が逃した雷狼が何か言ってる。


【俺の弟を、家族を殺したガキ共だな!!】


ああ~、魔都から逃げる時に殺しちゃったもんな。恨まれても仕方ないが、知ったことではない。


【弟は、弟はまだメスの味も知らない純朴な奴だったのに、それをお前らは!】

「凍君、いくらなんでも経験の無い若人を殺すのはどうかと思うぞ」

「いや、でも大人だったぞ」

【弟は本当に純朴で初心な奴だったんだよ! オスとの経験はあったけど!】

「……それは最早ヘタレではないか? そして気持ち悪いな」

【言うんじゃねえこの野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!】


あ、兄貴も思ってたんだ。ドンマイ弟。

いくら雷狼の大人でも5体1で勝てるわけもなく、王様の縦一閃を右に避けた瞬間に焔の法剣に後ろ右足を取られ動きが鈍り、その隙を突くように左右から雷と花子が胴体を斬りつけ、正面から俺が2つの銃口から杭を打ち出し頭を粉砕した。

砕けた頭からドロドロと鈍い動きで黒スライムが出て来た。杭によって頭蓋骨に開いた2つの穴から覗く脳味噌、衝撃で飛び出た左眼球と飛び出しかかった右眼球、それらの隙間を縫うように出てくる姿は正直かなりグロイが、誰も気にする素振りは見せない。俺は銃身の下に収まっている扇状の展開刃を開き、黒スライムを切り裂いた。


「ふむ、敵の情報もある程度分かったことだ。ジャングルに戻るとしよう」

「そうだな。まあ、これで確実に魔都の連中はジャングルに来るだろうが」

「……あ」


王様、それは考えておけよ。


やっとこさ戦闘です

そしてここからドミノ倒しのような戦闘ラッシュが!


凍「本当か?」

雷「信用できないわね」

花子「前科ありますからね」

焔「凍とのエッチ少ない」


いや、どんだけ生みの親に信用無いのさ

そして焔、それは18禁サイトでしか書けないから、あれメッチャ難しいから

では、次回~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ