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12話 優勝

申し訳ありませんが、いつも通りの時間に更新できませんでした

忘れていたのではなく、単純に最後の更新ボタンの押し忘れです(汗)


凍「酷いミスがあったもんだ」

焔「不注意だねっ」

雷「……焔が難しい言葉を言っているわ」

花子「成長しましたね、焔ちゃん」

焔「私馬鹿じゃないもん!」

凍「懐かしいな焔ちゃん」


いや、定期的に読みたいと思ってい方には本当に申し訳ないです

同じようなミスしないように気を付けます

では、本編どうぞ~

さて、俺は最終的に焔と花子に同時に止めを刺された。

え、過程をすっ飛ばしてるって?

いや、もう普通に多勢に無勢でボコボコにされたよ。正面から焔が突撃してきてダメージ、横に逃げようとすると雷か花子に妨害されてダメージ、上に逃げたら着地を狙われて昇天。何の面白味も無い負け方だったよ。

その間に下では霊帝が変態淑女、いやさ変態を相手に奮闘していた。周囲の参加者と協力して同時攻撃や時間差攻撃を仕掛けるも何故か変態はゴーレムを指示も無しに回避させたようだ。霊帝がさっきから何か細工しているだろうと詰問しているが効果は無い。実はゴーレムに細工することに関するルールが無いようで細工していても参加資格を失ったりはしないのだが。

そんな変態のゴーレムだが、どうにもダメージを受けた様子が無い。霊帝や周辺の参加者のゴーレムは少し光っているが、変態のは全く光っていない。マジで無傷なのか? 有り得ないくらいの回避能力だな。


「くっ、このままじゃ負けてしまう!」

「霊帝様と一緒の夜! 柔らかい指に未発達の胸、片腕で上手く抵抗できないで屈辱に歪む顔、その屈辱を塗り潰す快感! ああ、早く大会を終わらせたい!!」

「……こいつもう牢屋にぶち込むべきだよね」


周りの人間全員が頷くかと思ったが、意外と頷いている奴は少ない。てか大半が変態の言葉に妄想力を刺激されたようでピンクな空気を纏っている。やっぱ帝都は馬鹿ばっかりだ。


「ああっ、もう! ここは逃げさせてもらうよ!!」


そう言って霊帝は道の横に置いてあった水の入った樽をゴーレムと協力して倒して水をぶちまけると和服の袖から1つの魔石を取り出し地面に叩き付けた。すると急に水に触れた魔石は地面にぶつかった反動で宙に飛び上がりながら撒かれた水を集め出した。それは短い時間だが霊帝と変態の間で水の壁となり、霊帝の逃げる時間が生まれた。即行でゴーレムを魔石と水に戻した霊帝は振り返って後方にダッシュ。見事変態から逃げ切った。


「上手いな」

「それにしても、あのナナって看護師凄いわね」

「何か対策を考えないと私たちも負けちゃいますよ」

「殺っちゃう?」

「それは最後の手段だ」


まさか最初に出てくる案がこんなに物騒だとは、流石焔と言ったところか。しかし、ここで霊帝が変態に襲われれば水龍が帝都から霊帝を浚う口実になる気がする。あれ、霊帝はここで1度負けて水龍の下に逃げ切れば平和的に帝都から出られるんじゃね?


「でも、水龍相手だからってあの変態の権化が諦めるかしら?」

「森を焼き払ってでもレイちゃんを追いそうですよね」


当たり前のように想像できるのが凄いよ。


「なんとかしてあの馬鹿を倒さないと色々と危険な展開が待っている可能性があるな」

「水龍なんかは霊帝が負けてナナに襲われたらあなたに八つ当たりし兼ねないものね」

「じゃあレイちゃんと協力してナナを倒すの?」

「まずはそこからですね」

「よし、追うぞ。俺は戦えないけど、頑張れ」

「「「使えない」」」

「お前らが倒したんだろうが!!」


この嫁たちは! 自分でやったことに責任を持てっつの!

霊帝の逃げた方に向かい移動中。匂いを辿りながら屋根の上を飛び移って追っていると帝宅近くの路地裏に隠れているのを見つけた。

屋根から降りて霊帝の前に立つ。


「凍!? 君も僕を倒しに来たのかい!?」

「いや、俺はこいつらにやられた」

「……君も大変だね」


まさかこんな身近に理解者が居たなんて!

さて、作戦会議を始めなければ。


「霊帝、変態に勝つための作戦を考えるぞ」

「……その後はどうする気だい?」

「こいつらは俺以外に興味が無いらしい。俺もこいつらが他の男に負けて何かされるくらいなら勝ってもらった方が良い」

「自分勝手な奴だな君は。だが、今はそれしかないか」


霊帝の協力を得られた俺たちは変態討伐作戦を考えた。霊帝の話からゴーレムが普及し始めたばかりでゴーレムの操作に慣れていない一般の参加者はそれほど警戒しなくても良いということが分かった。そもそも戦い慣れしている俺たちの操作スキルは一般人を超えているみたいで問題はあの変態だけのようだ。

そして、作戦は立った。今作戦において、俺にできることは限られている。その分確実に成功させなくてはならない。

まずは人気のない場所に変態を誘き寄せる。と思ったがその必要は無かった。女の悲鳴が聞こえてくる場所に行けば変態に負けた女がorzっている。その横を嬉しそうに歩いていく変態が居るだけだ。幼女の変態に手を出すのは見た目同年代のガキくらいだが、全て瞬殺されている。悔し涙を流しながら『何であんな動きができるんだよぉ!?』と嘆いている。

そして俺は見た。周囲に参加者が居なくなるのを見てゴーレムを水と魔石に戻す時、ゴーレムの水の一部が奴の体に戻って行くのを。

そうだ、奴はスライムナイトの先祖帰り。つまり体を水として切り離すことも可能なんだ。自分の一部をゴーレムに混ぜることで異常に動きの良いゴーレムができるのかは謎だが、あれが奴の異常な強さの要因になっている可能性はある。

意を決して足音を立てて奴の背後、道のど真ん中に立つと奴が振り返った。その顔には失望が浮かんでいる。


「あなたは、確か焔ちゃんたちの夫でしたね。私好みの女の子とまとめて結婚するなんて、殺したいほど妬ましい」


焔には程遠いけど病んでますね。

まあ良い。問題はここからだ。


「ああ、霊帝様ペロペロも良いけどあなたを倒して婚約を解消させるっていうのもありね」


いや、俺はもう負けてるから手遅れだけどな。多分婚約解消した瞬間焔が帝都を滅ぼして俺と結婚し直すし。

そしてそれに気付かない変態は薄ら寒い笑みを浮かべてゴーレムを実体化させようとしやがった。


「テメーと戦う気はねえんだよ!」


ちょっと屈辱的だが背を向けて人間には少し速いくらいに走る。子供の姿の変態ならまず追い付けないと思ったが、意外と頑張って追って来る。てか速いな。

見失われない程度に頑張って逃げる。逃げ先はさっき霊帝と合流した路地裏だ。適度に変態に姿を見せて走ると何の警戒も無く追って来た。木箱が通路の左右に点々と置いてあるが、その木箱に俺が上手く進めないような演技をすると追い詰めたと勘違いした変態がゴーレムに自分の体を混ぜて実体化させ俺に近付いてきた。何が笑うって、さっきは無かった木箱の壁で路地裏が行き止まりになっている。何で?


「ふふふっ、やっと追い詰めました。何か前にあなたに殴られた気がしたけど、その後霊帝様に顔面踏み砕かれた気がしたけど、でももうそんなことは良いの。今はただ、あなたをブチ殺したい!」


何でここで殺すって発言が出てくんだよ! 殺す理由はシッカリある気がするけどさ! 俺こいつ思いっきり攻撃したことあるけどさ! 殺す発言は色々と遅すぎるよね!? てか口調が変わってる。


「凍は殺させないっ!」


木箱の横から飛び出した焔が自分の赤ゴーレムを絶対に避けられない速さで変態の桃ゴーレムに投げつけた。光の戦士的ポーズで変態ゴーレムに突っ込んだ赤は上手い具合に拳を顔面にめり込ませて勢いを殺し着地した。


「この瞬間を待っていたわ!」


赤に殴られて飛んでった変態ゴーレムをまるで待っていたかのように雷の黄ゴーレムがアッパーで空中に殴り飛ばした。

それに気付いた変態は劇画風の顔で驚いている。空中ではいくら高性能のゴーレムでも何もできまい!


「まだ続きます!」


更に別の木箱の陰から出て来た花子が空中に黒ゴーレムを投げて変態ゴーレムを上に蹴り上げた。


「くっ! まだ負けたわけじゃありません!!」


そう言って変態は跳躍し変態ゴーレムを掴み着地し地面に立たせた。かなりダメージが入ったようで魔石が物凄く光ってる。あと少しであの変態を倒せる。これで今日の目的の9割を達成できる!


「ここまで追い込まれるとは思ってませんでした。でも、ここからは私の独壇場ですよ」


変態ゴーレムは何のフェイントも無く赤ゴーレムに向けて走りながら拳を振り上げた。難なく横に避けた赤は膝蹴りを鳩尾に放つが、指示を受けない変態ゴーレムが赤の両肩に手を置き空中前転で赤の背後に着地した。赤をフォローするために黒がスライディングを仕掛けるが、まるで分かっていたかのように体を黒の方に倒して肘打ちを黒に落とした。


「何て反応速度ですか!」

「指示も無しに何故あんな細かい動きができるの!?」


黒に追撃を加えようとする変態ゴーレムに黄がローキックを放つが横にゴロゴロ転がって避けた。そして仁王立ちした変態の前に立った。


「ふふっ、この程度で私を倒せると思わ」

「チェストおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


油断した変態の足の間を走り抜けた霊帝の銀ゴーレムが変態ゴーレムに後ろから組み付き地面に押し倒した。


「なああああああああああああああああああああっ!?」

「貰ったあああああああああああああああああああっ!!」

「霊帝様に押し倒されちゃった! 押し倒されちゃった! 押し倒されちゃったよどうしよう!!」


言ってる間に銀は変態ゴーレムをマウントポジションでボコボコに殴り倒した。そのまま変態ゴーレムは水の塊となり、中では透明の魔石が割れていた。それに気付かず霊帝はひたすら殴り続けている。


「レイちゃん、もう終わってるよ~」

「……ボクは、勝ったのか?」

「勝ったな」

「…………余韻もへったくれも無いんだけど?」


自分のせいだろうが。


「じゃ、ここで倒れてね?」

「え?」


綺麗な笑顔の焔が、いつの間にか水の塊になった黒ゴーレムと黄ゴーレムを手にして赤ゴーレムで銀ゴーレムを殴り倒した。


「ええ!?」

「焔、あなたいつの間に!?」

「まさかっ、最初からこのタイミングを狙っていたんですか!?」

「ううん。皆がボーっとしてるから丁度良いかなって思ったのっ」


ああ、そう言えば焔はそういう奴だった。


『ピンポンパンポ~ン!』


え?


『ゴーレムファイト参加者の皆さん! たった今、参加したゴーレムが最後の1体となりました! つまり、優勝者が決まりました!!』


え!?


『今生き残っている参加者の方は至急帝都中央広場までお越し下さい! これから優勝メダルと景品の贈呈が有ります!』


……余韻もへったくれも無いな。


さて、あっさり負けてくれましたこの主人公

使えない奴です


凍「俺の頑張りの描写すら無いだと!?」

雷「頑張りなんてあったかしら?」

花子「何もできずにボロボロにされてましたよね」

焔「凍の動きなんてお見通しだよっ」


つまり最初から凍に勝ち目などありません!

では、次回~

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