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18話 臭いです!

さて、今年最後の更新となります

今年も色々ありましたが、来年も色々ありそうな年です


凍「そうだな。この小説の最終章とかな」

焔「次の章が最後なんだもんねっ」

雷「一応は『エピローグ編』とかいって数話やるかもしれないわ」

花子「でも本編は完全に次の章で終わりです」


少し早いですが読者様方、ありがとうございました

では、今年最後の本編どうぞ~

「ちょっと気になることもあるが、殺すのは決定事項だよ。何か言うことはあるかい?」

「幻狼に勝てると思っているのか?」


少し疑問だった。雷狼を複数支配しているならばババアの余裕も理解できるので聞いてみることにした。このババアは基本的には隠し事はしないし嘘も言わないタイプに見えたから、と言うのが大きい。


「ああ。当たり前だけど、支配している雷狼はこいつだけじゃない。ついでに教えておくと空を飛べる魔獣も支配しているんでね、あんたらに逃げ場は無いのさ」


しまったな。ファイルはホテルだ。荷物も大多数はホテルで王子から貰った大金もホテルだ。つまり全部ホテルだ。

うん、ホテルが悪いな。サービスの悪いホテルだ。今直ぐ持ってくるくらいのことはして欲しいもんだ。


「凍、何か酷いこと考えてなぁい?」


焔さん、良い笑顔で夫をディスるのは止めてくれないかな? お前の黒歴史思い出すぞ?

そして人間たちは焔も殺気が緩んで安心しない。直ぐに首刎ねられちゃうぞ。殺気だけで気絶してた連中が随分余裕だな。


「それよりこっちからも質問だ。さっきの胸を吸い取るってのはどういうことだい?」

「雷は便秘で他の魔獣の胸を吸い取っちゃうんだよっ!」


いや、それじゃ通じねえだろ。


「ふむ。魔石には意識したものを引き寄せる力があるし、魔獣が便秘となると体内には魔石が溜まる。成る程、女の敵と言うわけかい」


スゲエ! この老婆あの説明から正確に読み取りやがった! 前情報無かったら誰にも分からないと思っていた時期が俺にもありました!

そして王子とメイド長が呆れてる。


「各自に通達! あの巨乳だけは、女の敵だけは何が何でもここで捉えな! 豊胸技術の研究材料だ!」

「「「おおお!」」」


何故か盛り上がっている。


「捕まえる際に『あ、事故で触っちゃった』も今回は認める! 頑張りな!」

「「「おおおおお!!」」」


馬鹿ばっかりだ。

そして誰が触らせるか。


「絶対にあんな気持ちの悪い男たちに触れられたくないわ」


人間たちの士気が下がった。


「女なら良いのかしら?」

「ちょっと触ってみたい」

「柔らかそう」

「形も良いわよね」


「この街には変態しか居ないのかしら!?」

「変態しか居ないからこうなってんだろ」


更に士気が下がった。


「ええい、良いから捕まえな! 捕まえちまえばこっちのもんなんだから!!」


士気が回復した。

そして1つ気付いたんだが、時間稼ぎされてた。闘技場の周辺に魔獣の匂いがちらほら。

今からダッシュで逃げるのは無理だな。


「なあ、そこの雷狼みたいに魔獣を支配下に置いたのは分かったが、王都で同じのを見たぜ。人間たちを襲ってた」

「それは私たちがまだ上手く支配に置けなかった時の、簡単に言えば失敗作が起こしてしまった事故だな」


……素直に認められてしまった。


「おいっ、つまり貴様たちのせいで私の国民は犠牲になったというのか!?」


あ、王子が突っかかった。多勢に無勢になりそうだがよくやるな。


「そう言うことさ。だがその御陰で私たち人間は本当に魔獣を支配する方法が確立できた。それだけの価値のある犠牲ではあった。人間のための犠牲だ、私も心が痛むが、人間のためだ。謝罪はしよう。賠償も行おう。だが私たちの行いだけは否定しない」

「巫山戯るな!」


おお、人間同士の戦いか。


「その台詞が被害者家族に対して言えるのか? 言えるならば貴様は人間ではない、人間だなどと認めない、ただの狂信者だ!」


あ、魔都の人間たちが全員凄い雰囲気になった。


「人間じゃない、ね。まあその議論は目の前の人間じゃない奴をどうにかしてからにしようか」


そのまま話してくれれば良いのにな。逃げる方法考えておく時間が無くなっちまった。


「公平に私からも質問だよ。各地で天使だなんだと騒がれてるのはお前さんたちじゃないかい? コオル・サトウ、ホムラ・ハヤシ、アズマ・ワタナベ、ハナコ・ヤマダ……何で魔獣の名前はこんなに発音しづらいんだい?」

「質問は1つじゃないのかよ?」

「今のでちょうど同じさね」


このババア屁理屈上手くてムカつく。


「はぁ。そうだよ、各地で天使だなんだと騒がれてたのは俺たちだ」

「もう1つの答えは?」

「そっちは知らん。てか変なことを気にするババアだな」

「わたしゃ現役だよ! 野郎共、やっちまいな!!」


何か非常に短気にババアがキレて人間たちが襲いかかってきた。ババアの隣に居た雷狼も高ランクの冒険者たちも走り出した。

距離が近い人間たちは走り出そうとした時点で焔が足を法剣で斬り付け前屈みに倒れた。その上を勢いを慌てて止まろうとするも勢いを殺せなかった人間たちがドタドタと走ってしまい、焔が足を斬り付けて将棋倒しのような状況ができあがった。

オッチャンの作った法剣はバターを切るように鎧を切るな。


「無策で近付くんじゃないよ! 先頭は雷狼に任せて高ランカーがその背後、弱い奴はその後ろでサポートにまわりな!」


最初に突撃を指示したのはあんただけどな。

焔が倒してもまだ動ける人間に銃口を向けて撃つと大人しくなった。威力は低いから当たり所が悪くない限りは死なないが、それでも痛そうだ。


「外の連中に応援要請! 人間は最小限で魔獣を呼ぶんだよ!」


割と的確な指示で増援を要請してるババアの方には行けない。相手の雷狼は大人で焔の親父さんの時のように動揺させてボコボコにすることはできない。2匹で左右に分かれてババアを襲うにしても雷狼が追った方が不安だ。

つまり、逃げるしかない。


「雷、花子、床だ!」

「任せなさい」

「任せてください!」


雷が斧槍を体全体で回し勢いを乗せた1撃を床に叩き付けて破片と煙が周辺に噴き出たのに合わせて花子が風を発生させ俺たちを人間たちの視界から隠した。

人間たちも雷狼も警戒して近付いて来ない。少しだけ距離を取って煙が晴れるのを待つようだ。

これは好都合。


「じゃ、皆乗ってくださいね」


そう言って花子が魔獣の姿になり、俺たちは背中に乗った。花子の速さなら一気に王都の方まで逃げられる。雷狼じゃ追い付けないはずだ。


「虫の翅だって!?」


驚いてる驚いてる。


「花子、ゴー!」

【はい!】


翅に風を受けながら体勢を調整するために羽ばたき周辺の人間たちを吹き飛ばて花子は飛びたった。


【ああ、凍君が私を踏んでいますっ】

「凍っ、私も踏んで!」


あまりにも阿呆すぎる2匹の反応に蔑んだような目をしてしまった。2匹とも嬉しそうだから良しとする。


「凍、あなた空を飛べる魔獣も支配されていることを忘れていないかしら?」

「……あ」


「フライングコケコッコー部隊、追え!!」


地上から良く通る声で変な名前が聞こえてきた。

何だフライングコケコッコーって。


【待ておらああああああああああああああ!!】


闘技場の周辺から花子に向かって飛んできたのはトビ鶏と魔獣たちが呼ぶ体長1メートルくらいの空を飛べる鶏だ。人間のネーミングセンスに疑問を覚えるが気にしたら負けだろうか?

鶏なのに飛べるのは空力無視だって? 今更だな。

トビ鶏は全部で10体、花子を囲むように追ってきている。


【全部隊、攻撃開始! 誘導攻撃で逃げ場を奪え!】


何だ何だ? トビ鶏の攻撃方法って足の爪とクチバシじゃないのか?


【発射準備!】

【【【準備完了!!】】】

【発射あああああああああああああああっ!!】


10体のトビ鶏から逃げて魔都の外に出て王都の方を目指す。遠目にも闘技場の周辺に雷狼が6体ほど居た。ありゃ逃げて正解だったな。

そして何かの準備が完了しているトビ鶏たちは、飛びながら体を回転させて何か白い液体を大量に尻の辺りから発射して花子を追尾してきた。銃を散弾モードにして乱射し運良く全部撃ち落とした。何発かは最初から当たらないコースだったのでラッキーだな。

そして、俺はトビ鶏たちが何を発射したのか匂いで理解した。


【隊長っ、追尾式糞爆弾が全弾回避されました!】

「テメーら俺の嫁に糞飛ばすとは良い度胸だっ!!!!」


何で糞が追尾機能を持ってんだよ!!

そしてそんなことよりもっ、あのクズ共花子に向けて糞を飛ばしてきやがった! 俺に嫁に糞を飛ばしやがった! 俺のつがいに自分の匂いをこびりつかせようだなんて本当に良い度胸だ。たかが飛べるだけの鶏風情が、調子に乗ってるみたいだ。バラす。絶対にバラす。クチバシから胴体に掛けて引き千切って尻の穴氷で固めて羽を1枚1枚毟って眼球に指突っ込んで中でグリグリ抉って取り出して口に突っ込んで脳を直接握って潰して肥溜めの中にでも捨ててやる。

さて、どうやって捕まえよう?


追尾式糞爆弾、またの名をホーミング脱糞


凍「今年最後に最悪の爆弾投下しやがって」


あ、前書きで察した読者の方々も居るかもしれませんが、

この章はここで終了です


焔「ええっ!?」

雷「まあ、魔都から出ちゃってるし本編で察した読者さんも居たんじゃないかしら」

花子「全然分かりませんでした」

凍「ウチのパーティー察しの良い派と悪い派で綺麗に分かれるな」

雷「あなたと花子はグレーゾーンよ」


~~~次章、予測~~~


人間たちはついに魔獣を使役する術を手に入れ、世界の覇権に向けて大きな一歩を踏み出した


「ほ~れ、顎ゴロゴロ~」

【ああ、くすぐったいけど気持ち良い!】


人間たちの執拗なナデナデウマウマに身も心も折られそうな魔獣たちだが彼らは諦めていなかった!


【我らは我らの尊厳のため、あの恐るべきナデナデに対抗する!】


それは、新たな時代の幕開けなのか?

人間と魔獣の尊厳とモフモフを賭けた戦いの幕が上がる!


「魔獣たちよっ、大人しく我らにモフモフを差し出せ!」

【人間たちよっ、我らはそう容易くモフモフされんぞ!】


今、世界を揺るがす第一次モフモフ大戦が始まる


~~~予測、終了~~~


凍「毎度毎度の嘘予告も最後かと思うと感慨深いものが、って予告じゃなくて予測かよ!!」

雷「今年最後のツッコミがなんとも締まらない内容ね」

焔「いつだって凍と作者さんの話は締まらないよ?」

花子「焔が真面目なこと言ってます!?」


今年最後に驚愕の事態を経験しました

来年は平常運転の焔さんにご期待ください


ちなみに次章は恐らく1月10日になってしまうと思います

師走って、大変ですよね……


では、次章~

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