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7話 開幕ですね

副題の通り、もう開幕としか言えません


凍「……前書きの下に見える長文は一体」

雷「凍、分かっているのなら言わなくて良いわ」

花子「ああ、確かに開幕ですね」


焔「へ?」


……これが開幕ダッシュの神髄か

「えっと、凍に他のメスが寄り付かなくなった頃だったから10歳だったはずなんだよっ。もう大変だったんだよ? 凍がオスで最高だからって私以外のメスが凍に群がろうとしてたんだからっ。お話したり決闘したり爪剥がしたり生焼きしたり忙しかったのっ。その御陰で皆分かってくれて凍に擦り寄らなくなってくれたから頑張った甲斐があったよっ。凍は食べるのが好きで火加減覚えないとって思ったから狩りの練習も欠かせなかったしねっ。だから一杯一杯狩りの練習をしたんだよっ。あ、でも食べ過ぎると太っちゃって動けなくなっちゃうからバランスが難しかったよ。食べないで狩りの練習でも良かったんだけど凍は食べないのに殺すのは最悪だって言ってきっと許してくれないだろうし。だからちょっと遠出してお腹が空くように調整して狩りの回数を多くして、体系の維持も一緒にできるようにしようって思ったの! それでねっ、人間みたいに罠を張る狩りを練習してみたことがあるんだっ。まずはちょっと小さいかなって思う獲物を探して捕獲するんだ。首を噛み締めて窒息させるの。そうしたら近くの木に太い枝で磔にするか、尖った岩の上に落っことすの。それで放っておくと思いっきり泣いて群の仲間とかが様子を見に来るからそこを狙うんだよっ。誰も来なかったらもっと大きな声で泣いてもらうために手足とか尻尾に枝を貫通させたり目を爪で潰したりするのっ。そこまですると誰か来るんだよっ。でね、ここで来た魔獣を狩っちゃダメなの。1度囚われてる魔獣を見せ付けて、まだ近くに私が居るって思わせるの。そうじゃないと警戒して近付いて来ないし、それじゃ狩るのに疲れちゃうからねっ。少しの間だけ何もしないでおくと私が近くに居ないって、今がチャンスだって思ってくれるみたいで警戒しないで助けようとするからそこをガブって襲うんだ。これで大体の魔獣は狩れるんだよっ! 凍、お腹一杯になりたかったら言ってねっ。一杯一杯獲ってきてあげるからっ!!」


開幕で焔さんの狩猟方法を聞かされました。正直、酷い胸焼けがします。

俺が今まで焔から一緒に食べようって誘われた時の獲物たちってこうやって殺されてたのかよ! 胸糞悪っ!

しかし、原稿用紙にしたら1000文字手前くらい行ってんじゃねえ? その割に中身は俺からメスを引き離す方法と狩りでどれだけ獲物を精神的に追い詰めるか……酷い。ここまで酷い長文は初めてかもしれない。

そして予想を裏切る長さだった。中身はスカスカだけどな。

予感的中? 不正解? どっちでも良いな。

てか俺と焔の名前が知れ渡った経緯が分からねえままだ。多分焔は知らないんだろうな。


「長かったわ」

「胸焼けがします」


ああ、雷と花子もダメージ受けてるな。


「つまり、こんなことを他にも数回行ったと言うことかしら?」

「ちょっ、そんなわけないよ!」

「あ、流石に1回か2回で済んでいたんで」

「凍のためなんだから2か月以上は練習してたよ!!」


……10回以上は殺ってそうだな。そりゃ近くの魔獣たちが噂するわけだ。

そして魔獣の森で噂にならなかったのは焔が空腹になるために遠くに移動していたからか。

怪我の功名? 怪我してないから関係無いか?


「でも、焔はナニかしていましたね」


花子、それを指摘しちゃったらお終いだぞ。俺は敢えて何も言わなかったんだから。

てかナニって、いやらしい。


「あら、ナニだなんていやらしいわね。流石成虫だわ」

「違います!!」

「花子のエッチ~」

「だから違いますって!」


子供か。てかエロイのはお前ら全員だ。


「話はまとまったし、明日に備えて寝ないか?」

「これは、凍からのお誘い!?」

「駄目よっ、明日起きられなくなるわ!」

「気絶は嫌ですぅ~、怖いですぅ~」


何でそんな鬼畜扱いなんだよ! そして焔だけは涎垂らしそうなんだが、雷と花子で止めろ!


「良いから、大人しく寝るぞ。久々にフカフカのベットだぞ?」

「凍の脇の匂い!」

「腕が良い堅さなのよね」

「凍君の髪っ」


こいつらフェチ過ぎる。




翌朝。

右から俺の腕を枕にして体に抱き着いている焔、左手を抱き枕にしている雷、俺を背中から抱きしめている花子。動けん。

焔の頭を撫でると小さく目を開いて唇を伸ばしてくる。何か悪戯したくなったので焔の頭に回していた手で顎の下を撫でるとゴロゴロと鳴いた。猫か。


「起きろ。朝だぞ」

「はぁ~い」


意外とアッサリ離れたダボダボ長袖の焔。次は逆の腕を使っている雷だ。

腕全体を使っているので焔が離してくれないと雷には対処できない。右手で雷の頭を撫でると身を捩じらせて巨乳で左腕を包み込んだ。

マシュマロ!? 腕にマシュマロ!! 触りたい!!

左腕の関節極められた。


「寝込みを襲うなんて最低よ」

「まだ何もしてねえ……」


ともかく、雷は起きた。裸Yシャツなんていつ覚えたんだ、けしからん。

最後に、俺の首の後ろから前に両手を出している花子に手を軽く叩く。薄い和服越し、後頭部に当たる薄い膨らみが揺れて花子が起きたのが分かる。朝はこれくらいの膨らみだと刺激が強過ぎなくて好きです。

堅さと柔らかさの融合って、どうよ?


「凍君、起きてもらって良いですか?」

「ああ。皆、おはよ」

「おっはよ」

「おはよう」

「おはようございます」


朝の挨拶を済ませたら適当に身支度を整えて朝食を頼み、ホテルを出るつもりだ。

今日は大会初日で開催式とB以下の冒険者たちのチーム戦だ。どの程度見るかは気分だな。場合によってはお偉いさんの匂いを辿って王子からの依頼を進めるかもしれん。

肉メインの朝食を3食に蜂蜜を使ったトーストの朝食を1食頼んで済ませた。意外と量はあった。

ホテルを出ると外は凄い賑わいを見せていた。どこを見ても人、人、人、人の群。軽く人混み酔いしそうだ。うえぇ。

街の人間とは違った匂いの人間も結構居るみたいだ。昨日嗅いだ街の匂いがしない連中は俺たちよりも後にキャトルミューティレーションに入った連中かもしれない。匂いも魔獣の血の匂いのする奴が多い。冒険者だな。

荒くれ者って感じの奴が多く、少し周りを警戒している。きっと俺が屋台のオッチャンに言われたようなことを誰かに聞いてどうするか悩んでんだろうな。

あ、正面の宿から出てきた大男にロックオンされた。


「何見てや、っ!?」

「何の用かな? 何を言いたいのかな? 何をしたいのかな?」


焔が俺に絡んできた大男の首筋に法剣を突き付けている!?


「焔、ストップだ」

「はぁ~い」


不貞腐れんな。


「この街はヤバい。無駄に騒ぎは起こさない方がお互いのためみたいだぞ」

「……ああ」


どう見ても熊みたいな体格の大男は去って行った。取り巻きに下っ端臭のする子分たちが付いているみたいだけど、俺たちに文句言おうとしたのを大男が止めたみたいだ。焔の動きを自分が見切れなかったことを自覚してるみたいだな。

ノンビリと闘技場の方に向かう。でも会場に入る前に屋台のオッチャンの所で串を数本買っておこうかと思うんだ。昨日屋台を見つけたのは闘技場の北だ。

今日もそこに居るかな? と言うか、朝の早い時間に開いてんのかな?

と思ってたら見つけた。3人ほど並んでる。目立つかもしれないので人間たちが買い終わるのを待ってみた。直ぐに居なくなった。


「よ、また来たぞ」

「お、また来たな」


まずは人数分の串焼きを貰い、次に観戦用に数本を袋に入れてもらうことにした。


「今日は朝から大盛況だ、毎年やってくんねえかねぇ~」


多分試合中はガラガラだぞ、とは言わない。オッチャンは元気に商売してくれ。


「朝から変なのに絡まれたんだが、平気だと思うか?」

「相手の程度によるな。あとは本人が良くても周りが黙ってねえ時がある」


それっぽい取り巻きだったから不安だ。


「何でい、本当にそれっぽいのに絡まれてたのか?」

「……何故バレたし」

「小僧、かなり分かりやすい顔してるぞ?」


やっべ、少しはポーカーフェイスを覚えないとな。


「凍ってば、本当に分かりやすいわね」

「そんなんだから重婚しちゃうことになったんですよ?」


「……見せ付けてくれるじゃねえか」


俺が悪いんだろうか?


「そういや、これから開会式なんだった」

「おう、楽しんで来い。出るなら言えよ、見に行くから」

「残念、俺たちは観戦だよ」


本当に話しやすいオッチャンだな。人間にしてくのが勿体ない。

さて、今度こそ闘技場に行くか。


闘技場は街以上の人混みだった。コロッセオ風の円形のバトルフィールドに囲むように扇状に広がる観客席だ。観客席は段になっていて上の方ほど全体を見渡せるが、近い方が迫力があるだろう。

観客席にはどう見ても4匹で座れるスペースは無い。そして座れたとしても下心丸見えの男共が俺の嫁たちをナンパする未来しか見えない。てか案の定来た。


「君たち席探してるなら俺たちと来ない?」

「夫付きで良いなら喜んで」

「重婚してますけどね」


雷と花子がナンパ撃退に優秀過ぎる。顎が抜けそうなほどに口を開いて俺たち4匹を見る目は色々な感情が見え隠れしている。

嫉妬に、嫉妬に、嫉妬。あ、これは俺だけだった。

別に大会に興味があるわけでもないからお偉いさんだけ立ち見で匂い覚えたら出ようと言う結論になった。4匹で座れる場所探すのが面倒になったんだよ。

適当に観覧席の通路で串焼きを4匹で立ち食いしていたらデカい金管楽器の音と共に背格好はバラバラだが偉そうなオッサンが数名と、いかにも『私強いです』な冒険者? と言いたくなる連中が出てきた。

いや、冒険者は普通の鎧とか剣とか盾とか持ってるのが多いんだ。ただ何か4名ほど変なのが混じってんだよ。


「皆さあああああああああああああああああん!! 本日はお集まりいただき、誠にありがとうございまあああああああああああああすっ!!」


ウルサ!!

何か闘技場の偉い人観覧席みたいな所から下は網タイツ、上は袖無しジャケットの女がマイク片手に騒いでいる。魔石を使ってスピーカーみたいなことができるみたいだ。

少し奥には会場で1番豪華そうな老婆が背筋を伸ばして立っている。

女は司会進行役なのか?


「今日、今、ここっ、キャトルミューティレーションでっ、冒険者ギルド大会を開催いたしまあああああああああああああああああすっ!!」

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」


観客たちが盛大に応えた。

さて、お偉いさんの匂いを覚えないとな。


長かった、初めてかもしれないこの長文、本当に長かった……


凍「長い割に本当に中身が無いな」

雷「しかも、これを読む読者さんが一体どれほど居るというのよ」

花子「私なら読みません」


焔「皆酷いよ!」


……何で書いちゃったんだろう?

では次回~

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