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9話 もう行先は決まっているのね

さて、これで魔獣森編も終了です

といっても恒例の裏話はありますのでもう1話だけお付き合いを


凍「それにしても……」


風龍【あはは、待て待て~】

水龍【ぎゃああああああああああああっ! 来るな来るな来るなああああああああ!!】


焔「酷いねぇ~」

凍「お前が言うのか!?」

雷「いけない、一瞬茫然としてしまったわ」

花子「まさに『お前が言うな!!』状態でしたね」


焔「違うもん! 私のは凍への愛が限界突破してるだけだもん!」


いや、外野からしたら同じなんだけど?


あ、バトン?を受け取ったので活動報告に載せておきました

次に誰に回すのかに1番悩んだのは良い思い出w


では本編どうぞ~

水龍と風龍の一部始終を見てしまいゲンナリしながら村に戻ると見張りのオスに早く家に戻れと怒られた。流石に皆を心配させているのは自覚しているので素直に家に急いだ。本当にこの村のオスはツンデレキャラが多くてキモい。親切なんだけどキャラは選んでくれ。

野郎が『早くつがいに元気な姿見せてやれよっ。俺たちが安心できねえだろっ』って、どうよ?


家に到着、扉を潜って『ただいま~』と言い終わる前に炎のように紅い毛並の何かが突撃してきた。ちゃんと確認する間もなく視界を塞がれたが、この匂いとか行動は焔だろうな。


【凍ぅ~、無事だったんだねっ! あの後スッゴイ音がしたし凍は帰って来ないし探しに行こうとしても雷が止めるし大変だったんだよっ!!】


ああ、うん、ゴメン。

それより毛に圧迫されて呼吸困難になりそうなんだけど、どうしたら良いかな? あとお前の毛並の一部に握りしめたような痕があるんだが?


【あっ、花子は村に戻って温かいお茶飲んだら落ち着いたよっ。今は凍の寝床で雷の毛に包まってるのっ!】


ああ、交代したのかな。本当なら寒い時は炎狼のそばの方が良いはずだし雷ならそれくらいの判断はするだろうに。

炎狼の焔の方が温度とか調整できるし元々が温かいし寒い時は焔が近くに居る方が良いんだよ。


【そっか。とりあえず、俺も行くかな。婚姻の儀式も済ませてきたし】

【え? ……ああっ、そのために行ったんだった!!】


忘れてたのな。まあ焔は最初から遠足気分だったから目的忘れてるかもなとは思ってたけどさ。

しかし、水龍を放っておいちゃったけど平気だよな? 流石に俺に報復するとか言われたら逃げるしかないぞ。力関係は明白だしな。

風龍に喰われてる時の水龍の悲鳴は今でも耳の奥に残っている。この世の終わりかのような悲劇に満ちた叫び声だったな。


【ここか? ここが良いのか?】

【やめろっ、止めてくれえええええええええええええええええええええええええっ!!】

【くっははははははははっ! 全く、生意気なオスを屈服させるこの感覚、癖になりそうだ!!】

【グズ……もう、お婿に行けない】


ゴメン、水龍は意外と余裕あったな。最後に巫山戯てたの思い出した。

でも風龍との戦闘で年下好き、場合によってはロリコンが確定したからちょっと引く。霊帝と会わせてロリコン化計画を実行したのは俺だけどこんなに上手くいくだなんて思わなかったんだって。

なんて言い訳を自分の中で作って花子の居る自室に移動。両親と親父さんには婚姻の儀式は無事に終わったことだけ伝えたら早く花子の所に行くように言われた。皆メスには優しいよな。

親父さんは未だに悔しそうだけど小声で『こんな若造に娘をっ!』って言ってた。間接的に認めるって言ってないか?


部屋に行ってみると雷狼の姿になった雷に包まれるように体を小さくしている花子が居た。ちょっと痛ましい。雷も心なしか沈痛な面持ちだ。焔に包まれていた時間も考えると回復が異常に遅い。そんなに悪いのだろうか?

これからは花子の体を気遣った行先選びをいないとな。蝶は寒さに弱いからあんまり寒い所は無理だ。ワーム時代は地下で冬眠とかしてたけど蝶じゃ冬眠は無理だもんな。

……1年中通して温かいのってハワイアン民主国の辺りだよな。あの辺に俺たち用の住処を作るか。でも蝶の住処ってジャングルの見る限り洞窟で人化だよな……その辺は後回しだな。


【花子、大丈夫か?】

「あ、凍君」


雷に包まれて顔を見せなかった花子がその顔を覗かせる。

思ったよりも顔色は悪くない。というかむしろ健康的に赤みがある。

……はて?


「もう凄いんですよっ、焔も雷も蝶じゃありえない毛並の持ち主で!」


…………んん?


「凍君は少し硬いですよね。これは毎日ブラッシングをしましょう! 雷みたいにガッツリトゲトゲしているんならまだしも凍君の毛はちょっとトゲトゲで場合によっては手入れをしていないみたいです! これからは毎日わ・た・しが凍君のブラッシングをして最高の毛並にしてあげますからっ!」


このメス、寒くて震えてたんじゃなくて雷の毛並を堪能してたのかよ! 焔がずっとそばに居たにしては回復が遅いなとおもったらとっくに全快してたのかよ!!


【ここに戻ってきて直ぐのことよ】


雷さん、疲れてない?


【道中に焔に背負われている間にそれなりに回復したのだけど、私が大事をとって家で休むように言ったのよ。凍はきっと婚姻の儀式をやり遂げてくれるから信頼して待ちましょうって】


これだけ聞くと良い話なんだけどオチが目の前にあるとフラグにしか聞こえねえ。


【家に帰って丸くなった焔に包まれた直後のことだったわ。焔の体を優しげに撫でて、まるで童話の魔獣とお姫様のような空気が流れたのは】


ああ、こっからシリアスブレイカーの登場シーンが来るんですね。


【おもむろに花子がこう言ったのよ。『この感触、この肌触りこそ最高です』と】


どっかの量産型ザコロボットとは違う方の登場ですね。バリエーション豊かなあの緑とは違うんですね分かりま分からねえよ!!


【包まれているのを良いことに焔の柔らかさを握ったり舐めたりして堪能した花子は次に私を指定してきたのよ】


……断れば良かったんじゃないか?


「ああっ、凍君に何吹き込んでいるんですか!? 私はただ今まで感じることの無かった感触を純粋な興味から知りたくてですね?」

【舐める必要は無かったと思うわ】

「…………テヘ」


あざといな、流石花子あざとい。

だが許さん。


「ええ!?」

【そうよね、私も焔も体中を花子の体液で汚されたんだもの、同じことをしないと不公平よね】

「ちょっ、体液ってそんな卑猥な単語をこんな昼間から使っちゃいけません!」

【そう、夜なら使って良いのね】

「はいっ。是非凍君に使ってあげましょう」

【良いねっ!】


……心配した俺が馬鹿だった。

次に行くところは結構寒い所にしてやろうかな。氷狼の俺は寒いのは平気だし、雷もそれなりに得意そうだ。焔と花子は苦しむと良いよ。

そして、


【焔】

【なぁに?】

【花子を手錠で拘束】

「らじゃっ!」


一瞬で人化した焔が花子の荷物から手錠を探し出して雷の体を堪能していて隙だらけの花子を後ろ手に拘束した。

言っておいてなんだが、焔は動きが完璧過ぎだろ。花子の視界から外れて荷物を物色して気配も無く背後に回って、一気に雷の体を壁にして警察官が犯人に手錠を掛けるように拘束……何でこんなことができるんだ?


「凍に満足してもうために日夜特訓は欠かさないんだよっ。だからどんなプレイでもできるように一通りの道具の使い方はマスターしてるよっ」


嫌な特訓があったものだ。


「ちなみに今は縄を上手に縛られる方法だよっ」


縛られる方法って何だよ。縛るじゃないのが焔らしいけど。

まあ良いや。花子にはあのまま雷の玩具になってもらうとして、今後のことだな。

どこに行くかは決まっている。キスタニア王国の南にある、人間主情主義を掲げる魔都キャトルミューティレーションだ。

今までで1番長い街の名前かもしれない。


【あら、次の目的地が決まったのね】

「凍って本当に色んな所に行きたがるよねっ」

「ああっ、雷! そんな風にくすぐらないでください! そこ舐めちゃ駄目です!!」


初めて都に行くときに王都の西か南かで悩んだ時に南にあったのが魔都キャトルミューティレーションだ。この街は霊帝とかが注意しろって言ってた場所で、ついでに言うと今度ギルドのAランクとSランクの決定戦が開催される。そのために王都のギルドにはポスターが出ていた。

あと、ギルド長のリーガルが懐かしがっていた。奥さんとの出会いはSランク決定戦でリーガルに挑戦してきたのが奥さんだったらしい。カマ野郎に挑戦できる度胸があるだけで驚きだ。見た目は焔に1歩劣る美人なだけに意外だった。


さて、これで村とは完全にお別れだな。

次に両親に会うとしたら敵同士、焔も同じにしちまった。花子とお揃いだ。雷もきっとそうなんだろう。群で生きる狼がたった1つの家族だけで生きることに不安はあるが、この面子じゃ退屈はしないんだろうな……

何はともあれ、まずは目指せ魔都キャトルミューティレーションってな!


「あ、花子が呼吸困難になってる」

【あら、笑わせ過ぎたかしら?】

「ひゃひゅぅぅ、ひゃひゅぅぅぅ」


笑わせ過ぎは本当に呼吸困難で死んじゃうから止めましょう。


これにて魔獣森編は終了、次章に続きます


凍「その前に裏話だろ?」


ええ、そうでした

今回の裏話は、何で今まで無かったんだろう? というキャラの視点です


雷「つまり私たちではなさそうね」

花子「う~ん……意表を突いて王子でしょうか?」

焔「え? 何で私たちじゃないって分かるの?」


雷「……焔、ちょっと国語の勉強をしましょうか?」

焔「ええ!?」


~~~次回~~~


人間の人間による人間のための街

ここでは日夜人間以外が過酷な労働を強いられていた


凍「何で、何でこんな酷いことができるんだよ!!」


彼らは皆、口を揃えて言う

『最高の生物である人間に奉仕できて、奴らも満足だろうよ』


焔「分かんない! こんなの全然分かんないよ!!」


誰も彼もが狂ったように笑う街、

魔都キャトルミューティレーション


雷「この外道共、見ているだけで吐き気がするわねっ」


そこに隠された生き物全てを否定するような秘密とは?


花子「こんなものがあるからっ、こんなものさえ無ければ!!」


魔都を舞台に魔獣たちは戦いを覚悟する


命の尊厳を守るRPG

~~~coming soon~~~


凍「待てこら」


へ?


雷「何だかとても名作RPGっぽくなっているのだけど、これは駄目でしょう?」

花子「私、魔○剣なんて使えませんよ?」


いや、花子は水使って擬似魔○剣やってるからね

あ、蒼○刃の方が似てた


焔「でもこの次回予告も恒例になってきたねっ」


この小説、意外とお約束は守ります

でもご都合主義的展開は全て魔獣の身体能力でぶち壊しです

ええ、強敵との戦いでパワーアップなんて燃える展開は入る余地がありません


凍「俺TUEEEE!作品の弊害だな」

焔「凍は最初っから最強だよ!」

雷「水龍は越えられない壁よね」

花子「風龍もですね」


人間にしてみれば幻狼の時点で越えられない壁ですけどね


では、次回の魔獣森裏話を挟んで次章に移りたいと思います

また次回~

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