別章 人物設定集
今までの登場人物を整理してみました。
ルキウス・アルトリウス・カストゥス
ブリタニア騎兵司令官、ローマ系ブリタニア人、馬術の名手。
コーンウォール地方のエクイテス階級(下層貴族)出身。
青年期になり、ローマ軍団へ入り、順調に昇進、騎兵司令官にまでなったが、同僚のコンスタンティヌスがガリアへ出征することに反対し、他の同志たちとブリタニアへ居残る。
ルシウス・アルトリウス・カストゥス
ブリタニア司令官、アルトリウスの長子、疑惑の子供。
母親はアウレリア、出生時期からサクソン人の落とし種の可能性があるため、有力者達からは指導資格に疑義を持たれ続ける。
マヨリアヌス
アルトリウスの家庭教師、後軍師。ケルト系ブリタニア人。黒目銀髪、元々はドルイドの家系に生まれるが、哲学を修め、家庭教師としてカストゥス家に雇われている。
博識で、ローマやアレクサンドリアに遊学した経験もあるが、混乱の世をまざまざと見せ付けられる事となり、結果生まれ故郷のブリタニアへ戻る。
ボルティゲルン
ケルトの族長にして、下ブリタニア副総督。ケルト貴族で肥満体の巨漢。ローマ軍団の出征に反対し、当初はアルトリウスを頼るが、自らの思い通りにならないローマ系の軍を捨て、大陸からサクソン人を雇い入れた。
最初は純粋に北方のピクト人の進攻を防ぐために、サクソン人を雇ったものの、その武力に手を付けられなくなってしまう。
ヘンギスト
金髪碧眼、筋肉質の巨漢。サクソン族の部族長の一人。故郷では決して大きな力を持っていた訳では無いが、ボルティゲルンの求めに応じ戦士を率いてブリタニアへ渡海した。
当初はボルティゲルンに従い北方のピクト人と戦うが、ブリタニアで過ごす内、その土地の肥沃さに気付き、戦士だけでなく家族たちをも呼び寄せ、定着を狙う。
アンブロシウス・アウレリアヌス・カストゥス
アルトリウスの従兄、ローマ系ブリタニア人。
ローマ軍団で活躍することはできなかったが、頭脳においては突出して秀でており、行政官僚として辣腕を振るう。アルトリウスの後見人。
クイントゥス・ペレドリウス(2人目の副官)
ブリタニア軍団の兵士、合戦での奮闘振りが認められ、アルトリウス配下に抜擢される。
グナイウス・タルギニウス(最初の副官)
ブリタニア軍団の百人隊長。ペレドリウスの直属の上司で、厳格な性格で知られる。正規の命令を受けていないという理由から、ガリアへ渡らずブリタニアへ居残り、軍団の建て直しに尽力、アルトリウスに上級幹部へ引き上げられた。
ラールシウス
サクソン人族長の1人、ヘンギストの誘いに応じてユトランド半島から一族を率いてブリタニアに渡海してきた後発の部族長。
故郷ではかなりの勢力を持ち、サクソン王とも縁続きの有力者であったが、ブリタニアではヘンギストの風下に着く事になり不満を持つ。
ティトウス・クロビウス
ブリタニア軍団百人隊長。槍兵が主体になっている大隊を率いる。豪放磊落に服を着せたような性格、ローマ人らしくない。敵の第一檄を受け止める我慢が必要な部署、前衛を受け持つことが多く、その後の火が出るような猛攻が持ち味。
タウルス・アルギウス
ヴェネト=イケニ都市行政長官、40代後半。
サクソン人の襲撃に悩まされていたことから、サクソン人の傭兵招致に賛成したが、都市はサクソン人の手に落ちることとなる。
ウィビウス・カッラ
ポートゥルスマグナムの船主組合長
後商工長官。
サルスティウス・オレリウス
ガリア行政官、40歳前半、薄茶色の髪と髭、長身細身。
コンスタンティヌスに従い、北部ガリア行政長官に任じられた。政治手腕はなかなかのもので、短期間にガリア北部の行政機構を復活させる。
ヴィエンヌ攻防戦で戦死。
アエノバルブス
アルトリウス付きの侍医。元はカストゥス家の侍医であったが、アルトリウスにその腕を見込まれて引き抜かれた。
陽気な赤毛の大男で45歳、顎も口もモジャモジャの赤ひげで覆われている。
コルウス・ウェラニウス
30歳、薄茶色の髪、黒色の目、ブリタニア海軍提督、元サクソン海岸守備艦隊司令官。
アウレリア・カストゥス
アルトリウスの従姉、アンブロシウスの双子の姉。黒髪・黒目、細身の美人。
アルトリウスの母親とよく似ているため、最初アルトリウスは怖がって近付か無かった。
カイウス・ロングス
ブリタニア属州議会議長、ローマ人官僚派の旗頭。
デキムス・カイウス・ロングス
ブリタニア属州議長カイウス・ロングスの息子、ブリタニアの行政官。娘テルティアをアルトリウスへ嫁がせようとした。
ガルス
重兵器兵総監
パウルス
弩兵総監
トゥルピリウス
傭兵総監、後、護衛騎兵隊長。アルトリウスの身辺警護を勤める無口な好漢。
アルモリカ遠征でも歩兵隊を率いたり、要塞守備に活躍するなど万能振りを発揮した。
ルキウス・ルカニウス
若い招集歩兵、砂浜の重兵器移動方法でティトゥスを助け、その後アルトリウスに見いだされて護衛兵となる。
コンスタンティヌスⅢ世
黒目黒髪、中肉中背、ローマのエクイテス階級出身の基地司令官。ブリタニア軍団を煽動してガリア出征へと導く。
ガリア北部・中部、ベルギカの半分、アキテーヌの半分を制し一時隆盛を誇るが、ヴィエンヌ攻防戦でのダメージが響き、ヒスパニア侵攻戦で配下の裏切りに合い、軍団は瓦解してしまう。
再起を期してブリタニアへの脱出を図るが、絶望した将官達に惨殺された。
アルマリック
金髪碧眼、長身細身、有力ケルト系族長の一人でアルトリウスの親友。
ボルティゲルンと仲が悪く、ブリタニア分裂後もアルトリウスと共にブリタニア側に残った。
マルクス・アリメントゥス
ブリタニア騎兵団第8小隊長。
カレドニア撤退戦の際捨て駒となって散った。
フラヴィウス・スティリコ
西ローマ軍総司令官、西ローマ執政官、西ローマ副皇帝。
ヴァンダル人の父とローマ人の母を持つセミバルバロイ(半蛮族)。西ローマの政治、軍事、財政全てを取り仕切る。
ホノリウス
無能な西ローマ帝国皇帝。
アトラティヌス
スティリコに仕える性別年齢風貌不詳の間諜の元締めの一人。担当はガリア・ヒスパニア・ブリタニア。
正体はスティリコの双子の兄、幼児期に里子に出された先で諜報員としての訓練を受ける。
スティリコ死後はアルトリウスに興味を持ち、ブリタニアに渡ってアルトリウスの諜報員として働く。
ヌメリウス・マクシムス
ムーア人の血を引くヒスパニアの武将、ピレヌス要塞司令官。ヒスパニア属州長官の懐刀として活躍するが、蛮族侵攻に抗戦して敗れる。
ヒスパニアの統治権を交換条件に、コンスタンティヌスへ援軍を求めた。
カルウス
名前の通り禿げ上がった頭を持つ50がらみの元商人。
サルスティウスの後任としてガリア行政長官の地位に就くが、私服を肥やす事のみに血道を挙げ、コンスタンティヌスのガリア統治を危うくする。
コンスタンス
コンスタンティヌス3世の従弟で、ブリタニア軍団副司令官。ヒスパニア侵攻作戦総司令官。配下の裏切りにあって、ピレヌス要塞内で暗殺された、軍団は瓦解、コンスタンティヌスの野望も彼と共に費える事となる。
グラティアヌス
西のボルティポル配下において剛勇を誇る将軍。元ブリタニア軍歩兵隊長の一人。
アルトリウスの呼びかけに共鳴してブリタニア軍に参加するものの、地元の有力者であるボルティポルの圧力に屈して傘下へ入った。
クアルトゥス・アヴェリクス
ヴェネト・イケニ守備隊長、東ブリタニアの豪農であったが、サクソン人に土地と家族を奪われ挙兵するもはかなく敗れてヴェネト・イケニに敗走した。
その後守備隊長として都市の防衛に尽力、陥落後はブリタニア軍に参加し、歩兵司令官として活躍した後、アルモリカ派遣軍に参加、ブリタニア軍引き上げ後もアルモリカ総督代行として現地に居残り、アルモリカ属州の維持に尽力する事となった。
リオタムス・アヴェリクス
クアルトゥスの養子、アルモリカ属州に移民したブリタニア人移民の2世。
軍事的才覚を表し、クアルトゥスの後継者として擁立された。
クアルトゥスの没後アルモリカ総督代を継承し、アルモリカを侵略しようとした西ゴート族と激戦を繰り広げ、その武名を轟かせる。
ボルティポル卿
ブリタニア西部で勢力を持つ有力部族長。近隣の豪族を糾合して自勢力を拡大し、群雄の一人となるが、ブリタニア総督府に要らぬ仕掛けをした事でアルトリウスの怒りを買い、居城を攻められて降伏した。
マグロクヌス卿
ブリタニア西部で勢力を持つ有力部族長。ボルティポルと対立関係にあり、ブリタニア総督府に協力してボルティポルを攻めるが、戦後の領土拡大を阻まれブリタニア総督府に敵対する。
コリタニア卿
ブリタニア北西部に勢力を持つ部族長。サクソン軍の北上に度々悩まされブリタニア総督府を頼る。
ブリガンテス王マグヌス
ブリタニア北部に勢力を持つブリガンテス王、ボルティゲルンと激しく対立するが、北方のピクト人に備える為に決定的な決戦を行えないままずるずると後退していた。
ブリタニア総督府には協力的であるが、自分の勢力圏や権威を脅かしかねない事象については反対意見を出す。
コンスタンティウス
西ローマ軍総司令官、ガリア上級総督、スティリコの後任者。
手堅く確実な用兵とその人柄で兵士の人望を集める。かつてはスティリコと共に馬を並べて戦った仲であったが、年齢を理由に引退していたところをホノリウスに引っ張り出された。
コンスタンティヌス亡き後のガリアに進出し、ブリタニア兵団をまとめ、アエギティウスを北ガリア総督に任じる一方、ブリタニアとの連携を図るべく、アンブロシウスを正式なブリタニア総督及びアルモリカ総督に任じた。
アエティウス
ガリア方面軍司令官、後の西ローマ帝国軍総司令官。
少年時代はフン族に人質に出されており、蛮族のなんたるかを熟知している。
コンスタンティウスに軍才を見出され、秘蔵子としてその薫陶を受けた。
後代、フン族との一大決戦、シャロンの戦いで大勝利を収め、名実共にローマの守護者となる。
ボニファティウス
アフリカ方面軍司令官。
アエティウスと同じくコンスタンティウスに才能を見出されて、その薫陶を受けた。
アフリカ方面軍司令官として、縁の下の力持ちを演じていたが、皇妹の陰謀でアエティウスと対立を余儀なくされ、ローマ南部でアエティウスと戦い敗死した。
セクンドゥス・アエギティウス・アッピウス
「守りのアエギティウス」と称される守備に長けた軍司令官で、西ローマ帝国ガリア派遣軍歩兵隊長の1人、西ゴート戦役で左翼歩兵隊を指揮する。
危ないところをトゥルピリウスに救われ、それ以降は飲み友達となる。
その後、北ガリア総督を勤め、ブリタニア兵と分離したかつてのガリア招集兵を率いて北ガリアの防衛に当たる。
マニウス・フラックス
ブリタニア総督府の官僚でローマ系官僚の一人。
ブリタニアに対する危機感から、サクソンへの内通者となる。
内通者の中では高位にあり、自然と内通者たちの指導者的な立場に立つ事となった。
主な登場人物です。
自分の覚え書きみたいなものなので少し内容に偏りがありますが・・・