第27章 退役将軍コンスタンティウス
照りつける日差しの中、ガリアの首府、ルテティアに向かってローマ騎兵の一団が進む。
気候が穏やかなガリアでも、夏はそれなりに気温が上がり、アフリカやアラビアほどではないにせよ、照り付ける陽光は鎧を温め騎兵達の汗を誘った。
しかし、100騎程の騎兵の先頭を進む初老の指揮官は、周囲の騎兵達が汗だくでいるのとは対照的に汗一つ無く、飄々とした風情で馬を進めている。
顎鬚と口ひげは既に真っ白で、静かに澄んだ深い灰色の瞳、顔は厳しいものの口元には微笑をたたえたような不思議な表情。
鎧兜さえ身に纏っていなければ、ギリシア哲学の研究者か高位文官の風体である。
「コンスタンティウス殿、間もなく到着します。」
指揮官に対し、副官と思われる同じく騎乗の将官が声を掛けた。
「おお、もうすぐか、全くガリアの気候は穏やかだと聞いておったが、暑くて堪らんわ、一風呂浴びねば身が持たんぞ。」
指揮官が涼しい顔で冗談を言うと、周囲の騎兵達から失笑が漏れた。
冗談の意図が、自分の為ではなく、部下の為に休憩を取ろうとするものである事が部下達にも分かったからである。
西ローマ帝国退役将軍コンスタンティウス。
一兵卒からのたたき上げの将軍として各地で活躍し、以前はスティリコの配下でも重きを為したが、スティリコが刑死する政変以前に年齢を理由として現役を引退していた。
そのため、スティリコ刑死後の政変時にも皇帝の敵としては名が上がらず、スティリコの配下として働いていた優秀な将官達の中では唯一粛清から逃れる事が出来たのである。
粛清後、西ローマ帝国は深刻な人材不足に陥り、しばらくの間はスティリコの後任である西ローマ帝国総司令官の職さえ空席であった。
コンスタンティウスが引退先で政変を聞いたのは全てが終わった後であり、かつての戦友や盟友がことごとく皇帝の命令で処刑された事を知り、世を儚んで落涙する。
「・・・引退した耄碌爺が残って、これからの若い優秀な者達が忠誠を尽くした皇帝から死を賜るとは・・・」
引退した身で、しかも既に事が済んでしまった状況では如何ともしがたく、コンスタンティウスは一人、全てをあきらめて農村での生活を続ける他無かった。
しかし、何処で聞きつけたものか、コンスタンティウスが存命で十分な能力を有したまま引退生活をしている事が明らかになった事で、コンスタンティウスは西ローマ皇帝ホノリウスからの召還を受ける羽目になる。
引退生活を強調する為に、わざと農夫の格好で謁見に望んだコンスタンティウスを目にするや否や、ホノリウスは汚い物を見るような目であからさまに顔を背け、側近にささやいた。
「本当にこのような者が役に立つのか?余にはただの耄碌爺にしか見えぬ。」
「・・・聞こえておりますぞ!!」
突然の大声に驚くホノリウスと側近をよそに、コンスタンティウスは頭を垂れたまま言葉を継ぐ。
「耄碌しても耳は健在でございます、そもそも引退した耄碌を召還なさったのは皇帝陛下、呼んだ者を前にしての雑言は、栄えある西ローマ皇帝とは思われぬ所業でありますな、亡きスティリコ総司令官が目にすらば如何なる苦言を呈しましょうや!」
「なっ、何だと・・・こいつ、スティリコ派ではないか!!」
ホノリウスがきんきんと謁見室に響く甲高い声で側近を怒鳴りつける。
「・・・如何して私のことお聞きになられたかは存じませぬが、私はかつてスティリコ総司令官の元で将官のひとりとして働いておりました、幸いに、とでも言うべきか、早々に引退をさせて頂いておりました故に、粛清には遭いませなんだが・・・それに、まだ皇帝陛下の幼き時には近衛兵として御傍に仕えた事もございましたが、もうお忘れでしょう。」
優しいその言葉にホノリウスが息を呑み、まじまじとコンスタンティウスの顔を見る。
「そなた・・・見覚えがあるぞ、コンスタンティウス!近衛兵のひげのコンスタンティウスではないか!!」
いつも不機嫌そうに眉根にしわを寄せ、しかめ面をしているホノリウスが満面の笑顔で椅子から立ち上がり、側近が止めるのも聞かずにコンスタンティウスへ近付いた。
「久しいなあ、コンスタンティウス・・・そなたに遊んでもらった頃の事は良く覚えておる・・・今思えばあの頃こそが余の最高の時であった・・・」
自嘲気味に話すホノリウスに手を取られ、コンスタンティウスはその歪んだ顔を見上げて若い皇帝の孤独と不安の表情を垣間見た。
「・・・頼みがある、スティリコの後任として西ローマ軍総司令官を頼みたい。」
「・・・他に将官が居ないとなれば仕方ありません、いくつか条件は呑んで頂かなければなりませんが、この耄碌コンスタンティウス、西ローマ帝国のために余命を奉げましょう。」
そしてスティリコの後任となったのは、現役を引退していた老将であった。
コンスタンティウスは、すぐさまローマ郊外の自宅を引き払い、軍司令部の置かれているラヴェンナに移った。
「・・・西ローマ軍全軍が、たった2万5千・・・」
軍全体の概況把握をするに至り、コンスタンティウスは絶望感に苛まれる。
刑死したスティリコの努力で5万を越えるまでになっていた西ローマ帝国軍は、スティリコ派の粛清により弱体化し往時の半分にまで兵数を減らしていた。
ローマ帝国はその全盛期に比べれば実に20分の1、初代皇帝アウグストゥスの時代と比べても10分の1の兵力しか持てないまでに弱体化していたのである。
「・・・これは兵力増強などと悠長な事は言っておれんな、私の寿命の問題もある・・・」
健在とはいえ、生涯のそのほとんどを戦場で過ごしてきたコンスタンティウスの身体には戦傷が深く刻み込まれている。
引退生活を送る分には何の問題も生じなかったが、激しい軍務に、しかも最高責任者として勤めるのは、年齢相応の衰えと相まってコンスタンティウスの身体に大きな負担をもたらした。
「うむ、まだまだやれるとは思っておったが、歳には勝てぬ、私の現役生活もそう長くは続くまい。」
幕僚となった将官達から、「じいさん」と揶揄されてもコンスタンティウスは腐る事も怒る事も無く陽気に笑顔を返し、着任時から冗談めかしてこぼすのが常となった。
引退前の実績もさることながらその飾らない人柄と、引退後の復帰と言う特殊な事情もあってローマの有力者としては珍しく野心を一切持たないコンスタンティウスは、近衛兵時代の関わりもあった皇帝ホノリウスから頼られ、兵士や幕僚からも信用を得た。
わずか1年ほどの間にローマ帝国軍の内規を引き締め、財政の悪化する中兵力補充に一定の目処をつけたコンスタンティウスは、ホノリウスに謁見した。
「私をガリアに派遣して頂きたい。」
「な、なんだ、どうしたコンスタンティウス?余を見捨てるのか?」
ホノリウスは仰天し、大慌てで椅子から立ち上がって理由を問いただす。
「そうではありませぬ、今は亡き帝位簒奪者コンスタンティヌスの率いたブリタニア軍団を接収したいのです。」
コンスタンティウスはホノリウスの焦りをいなし、教え諭すように優しく語り掛ける。
ホノリウスはその説明に落ち着きを取り戻し、椅子に座りなおすと問いを続けた。
「・・・ああ、あの反逆者どもか・・・あやつらをどうしようと言うのだ?」
「兵たちに反逆の意思はありませんでした、反逆は簒奪者コンスタンティヌスが勝手にやった事、いま孤立しながらも蛮族と戦い続けている彼らを西ローマ帝国軍に吸収し兵力を増強すると共にガリアを一部でも取り戻したいと思います。」
コンスタンティウスの言葉に、ホノリウスは強く頷き指示を下す。
「・・・分かった、そなたがそう言うのならそうなのだろう、兵士達は許そう、ガリアの一件についてはそなたに任せる。」
コンスタンティウスはホノリウスからの命令書を受け取ってから、すぐにガリア情勢の把握に移り、大まかな情勢を把握し終えると、これまた直ぐにガリアへ向けて進発した。
「ガリアは今草刈場と化しておる、アキテーヌのゴート族、ゲルマニアのフランク族、山地のアレマン族、ヒスパニアのアラン族、ヴァンダル族、スエビ族、そしてガリア中北部のブリタニア軍団・・・蛮族同士が潰しあいをしている今が好機なのだ。」
わずか100騎の護衛兵のみを引き連れ、コンスタンティウスはガリアへと向かった。
ブリタニア軍団は指導者であるコンスタンティヌスを失ってから精彩を欠き、各地方の指揮官が個別にガリアの各区域を治めているような状態にあった。
コンスタンティウスはまずローマに最も近いヴィエンヌに使者を立て、反逆罪を免除するので西ローマ軍の指揮下に入るよう諭した。
かつてはローマへの進撃路としてブリタニア軍団を率いたコンスタンティヌスが押さえ、スティリコ配下の勇将サロと戦火を交えたヴィエンヌ。
この町の守将は、コンスタンティウスの人柄を知り降伏を受け入れた。
コンスタンティウスは約束どおり兵や将官達の罪は一切問わず、そのままの地位と役割で西ローマ軍へと迎え入れた。
「率いられた将が違うだけで、同じくローマの文明と版図を守らんとする志は同じ、我等ローマの大儀の為に再び道を同じくせん!」
この言葉でコンスタンティウスは更に近隣のブリタニア軍団の将官達に書簡や使者を送り、ヴィエンヌ同様の待遇を約束して誘降したところ、ヴィエンヌの降伏後における実際の待遇と相まってブリタニア軍団は次々とコンスタンティウスの元へ降伏する事となった。
そしてガリア最大の城塞都市スエッシオ(ソワソン)を無血開城させたコンスタンティウスは、最後に残ったガリアの首府へ自ら乗り込む事としたのである。
「西ローマの総司令官、コンスタンティウスがまかり越した!開門せよ!!」
朗々たる音声でコンスタンティウスがルテティアの正門に呼ばわると、しばらくしてゆっくりと門扉が開き始めた。
2人の将官と3人の行政官が現われ降伏の礼をとろうとしたが、コンスタンティウスはそれを手で押し留めると、慌てて駆け寄る護衛兵を目で制しながら馬から降りた。
コンスタンティウスは驚く5人に歩み寄り、それぞれの手を握り締めて笑顔で労をねぎらうとおもむろに言葉を発した。
「今までよくぞ蛮族からこの町と市民を守ってくれた、礼を言うぞ、以後は西ローマ帝国総司令官及びガリア上級総督に任じられた自分の指揮に入って、引き続き任務を果たして貰いたい。」
かつてコンスタンティヌスに率いられてガリアを制し、ローマ、ヒスパニアに影響を及ぼし続けたブリタニア軍団は、支配地域のガリアともども西ローマ帝国に再び編入された。
ガリアを制したコンスタンティウスは、目論見どおり2万以上の兵力を新たに得る事に成功したが、それでもガリアを制した事で防衛範囲も広くなり、とても十分な兵力を確保したとは言い難い状況であった。
コンスタンティウスは、ガリア各地の農民反乱を説得や恫喝で鎮めると共に、悪質なものに対しては積極的な武力鎮圧をはかり、その降伏者を改めて軍に編入する等の措置をとって兵力の増強に努める。
更には、アキテーヌ地方に移動し、勢力を扶植しようとしていたアタウルフ率いるゴート族に対して領土の返還を求めると共に海上封鎖を実施して糧道を断ち、遂にはこれを屈服させて西ローマ帝国配下の同盟部族とする事に成功した。
これでアキテーヌ地方にゴート族の生活圏を確保してやる代わりに、3万のゴート兵をいつでも使えるようになったコンスタンティウスは、フランク族やアレマン族を積極的に牽制してガリアへの浸透を食い止める事ができるようになった。
しかし、既にガリアの西に位置するヒスパニアへの蛮族浸透を許している事から、ガリア防衛には、東方のゲルマニアに対する兵力配置をしておけば良かった帝国全盛期とは異なり、東西両面への兵力配置が必要となったため、兵力不足の状況は相変わらず続く事になる。
「せめて西南にいるアクイタニア(アキテーヌ)のゴート族とバガウダエ(農民反乱)の内、西の者達に対する抑えの利く部隊があれば・・・」
軍装を解き、トーガ姿のコンスタンティウスが頭を悩ませながら、ルテティアの執務室内を歩き回る。
西方のゴート族は、屈服させたとはいえ、かの部族はかつてスティリコを裏切ってローマを壊滅させた前科があり、とても安心して後方を任せられる者たちではない。
味方でありながら、警戒を怠ればどのような動きをするのか分からないのである。
一方、バガウダエとは反ローマ帝国農民反乱のことで、ローマ帝国にまともな軍事機能が無い為にガリア全土に広まっているが、その実態は盗賊かしたローマ農民である。
一度は簒奪者コンスタンティヌスの手によって恭順化、沈静化が図られたものの、ブリタニア軍団の瓦解と共に再び勢いを盛り返していた。
コンスタンティウスも数々の手を打っていたが、手を焼いていると言うのが正直なところである。
コンスタンティウスがかつて帝位簒奪者のコンスタンティヌスも使用していた、壁に掲げられている西ローマ帝国全図を前に、顎鬚を捻り回しながらあれこれ思案していたところ、ふと地図の北面に描かれている島が目に入った。
「・・・ブリタニアか・・・」
軍団を度重なる兵の引き抜きで失い、ホノリウス帝の詔勅でもって放棄し失われた島。
西ローマ帝国から見捨てられたと知った時の市民たちの悲嘆と絶望を思えば、胸が痛くなるが、蛮族の侵攻と決定的な兵力不足、財政難の解消しない限りこの島を再びローマ帝国の支配下へと戻すことは難しいだろう。
そしてそれが夢物語に過ぎない事はコンスタンティウス自身が一番よく知っている。
しばらくそのまま地図のブリタニアを眺めていたコンスタンティウスは、ふとある事に気が付き副官とガリア行政官を執務室へと呼び寄せた。
2人が部屋に到着すると、その挨拶もそこそこに切り上げさせ、コンスタンティウスは珍しく早口で質問を投げかけた。
「ホノリウス皇帝陛下の詔勅文送付以来、特にブリタニアからの難民が生じておらぬようだが、今ブリタニアの情勢はどのようになっているか分かるか?」
思わず顔を見合わせる2人は、コンスタンティウスに訝しげな視線を向けられ、再度説明するよう促されたため、まず行政官が口を開いた。
「既にご存知の事かと思いまして、説明はしなかったのですが・・・ブリタニアでは、ブリタニア総督代行職のアンブロシウス・カストゥスを首班とした暫定政権が成立しております。」
驚くコンスタンティウスの反応を確かめながら、行政官は説明を続ける。
「我が西ローマ帝国との関係は正式なものではありませんが、緩い同盟関係にあり、交易は盛んに行われております、また詔勅によって我々が徴税権の行使を放棄しているため、貢納関係にはありません、あくまで対等の交易相手としてですが、アルモリカを中心にガリア各地の港湾及びヒスパニアの西ローマ帝国領、果てはカルタゴやアレキサンドリアまでブリタニア総督府の交易網は広がっております。」
「ふうむ、ものは聞いてみるものだ・・・そんな事があろうとはな・・・ああ、すまない、先を続けてくれ。」
コンスタンティウスはひとしきり感心すると、行政官に先を続けるよう促し、行政官はそれを受けて再度口を開いた。
「アンブロシウスが都市参事会を使って属州会議を開催し、一時は政治統一が為されましたが、一旦瓦解、近ごろ軍事力で暫定的ながら再度統一が果たされました。」
続いて、副官が説明を引き継ぐ。
「帝位簒奪者コンスタンティヌスのローマ軍引き上げ以降もブリタニアに居残ったアルトリウス・カストゥス・・・アンブロシウスの従弟ですが、この騎兵隊長を中心にブリタニア属州軍なるものを編成し、ブリタニアに攻め寄せる主にサクソン族を主体とした蛮族と戦っているようです。」
「ふうむ・・・ブリタニア属州総督経験者には皇位に登った者も多い、やはり良き人材を輩出する土壌があるのか・・・」
副官の説明に関心仕切りのコンスタンティウスは、しばらく考えていたが、おもむろに質問を切り出した。
「サクソン族がブリタニアへ入り込んでいると言う事だったが、どの程度なのだ?」
「はい、ロンディニウムを含めたブリタニア東南部を失っているようですが、最近大きな会戦があり、アルトリウス率いるブリタニア軍2万が、ホルサ率いるサクソン族5万を破り、侵攻が一時的にではあるものの、喰い止められたようです。」
副官の説明の後を継いで、行政官が説明する。
「これまで5つの大都市が放棄されていますが、そのほとんどはブリタニア側が敗れて維持に失敗しており、難民はそこそこ発生している模様です、発生した難民はブリタニア側が新たに造成した土地や都市に収用しているそうですが、ブリタニア側の負担にはなっているようです。」
「・・・ブリタニアにアルモリカ属州を与えて難民の入植場所と為した場合、我が方に不具合が発生する事はあり得るか?」
コンスタンティウスの発案に、副官と行政官は息を呑む。
「おそらく不都合は無いのであろうな、話を聞く限り既にかなりのブリタニア人がアルモリカの港を中心に入り込んでいるが衝突や軋轢は生じていない、西方の抑えにブリタニアを引き込もう。」
普段の温厚な笑顔とはまた一味違う、凄みを感じさせる笑顔でコンスタンティウスがそう言うと、行政官が冷や汗を垂らしながら疑問を口にする。
「しかし、既に放棄した領土の勢力に、命令を下すと言うわけにはいきませんが・・・」
「ましてや2万の兵と言うのもブリタニアにすればおそらくぎりぎりの数字、それでヒベルニアやカレドニアからの蛮族のみならず、自領へ巣食ったサクソン族を相手にしなければならないのであれば、アルモリカへ兵を出す余力など無いと思われますが。」
副官も行政官に同調しその説明を補足するが、コンスタンティウスは笑みを深くして2人の疑問に答える。
「出来る出来ないの問題ではない、してもらわねば困る、ブリタニアは未だローマの名残をとどめておる、おそらく勝手な行動をして後にローマが戻ってきた時に咎めを受けまいかと心配をしたのだろう、まずそこに狙い目がある、命令を下せば案外従うかも知れぬ。」
「・・・断ってきた場合は如何されますか?」
副官が不安そうに疑問を返すと、コンスタンティウスは難しそうな顔をわざとらしく作り、その疑問に答えた。
「決まっておる、その時はブリタニア船舶の入港を西ローマ全土で禁止するのだ、交易を閉ざされてはいかなブリタニアとて無事では済むまい、我々の提案を受け入れざるを得なくなるだろう・・・まあこんな手段は出来れば使いたくない、アンブロシウスへの手紙にそれとなく盛り込んでおけば、おそらく何らかの返答が必ず戻ってこよう。」