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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

海神の裔(わたつみのすえ)

作者:南馬一六三
最新エピソード掲載日:2026/09/26
生まれた場所が、その人の故郷とは限らない。
血筋が、その人が何者なのかを決めるとも限らない。

海神界。

感情素子によって文明を築き、広大な海とともに人々が生きる世界。
その海を守る海神近衛兵団には、若くして特別海兵隊筆頭へ上り詰めた一人の女がいた。

名は、カヨナ・ワダツミ。

明るく、素直で、仲間思い。
卓越した身体能力と戦闘技術を持ち、小太刀二刀《瑞鶴》《翔鶴》を手にすれば、海賊も堕転者も並の相手ではない。

そして彼女には、もう一つ妙な才能があった。

戦いの最中、敵の足運び、重心、視線、刃の使い方、感情素子の反応から、誰も気づかなかった小さな違和感を拾うのだ。

「……変なの」

その一言から、海に沈んだ事件の真相が浮かび上がっていく。

遭難船、密輸、怪事件、海洋妖異。
彼女が刃を交えるたび、海に隠された謎が一つずつ姿を現す。

つまり、たいへん優秀な女性なのである。
黙っていれば。

「みんなー!! なかよく!! しゅっぱーつ!!」

……これが特別海兵隊筆頭の号令である。

うふふ。
人事については、ひとまず海神近衛兵団を信じることにしましょう。

これは、海を愛し、海に育てられた一人の女の物語。

そしてまだ彼女が、

太陽を知らなかった頃の物語である。
第一章 海に沈む違和感
第一話 海の娘
2026/09/26 20:28
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