表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたはだぁれ

掲載日:2026/01/08

短編です

 夕暮れの職員室。夕日を背に、興奮した先生が俺たちを怒鳴りつける。

「わかったか!?お前ら!!二度とするなよ!!・・・・はぁったく、わかったら帰って良し」

「「「「「はぁ~い。すみませんでした」」」」」

 全員でそう答えて、しょんぼりと背中を丸めながら職員室を出た。少し歩いて角を曲がって階段に差し掛かった瞬間、俺たちは教室へ一斉に走り出した。

「ははっナカセンめっちゃ怒ってたな!」

「な!あんな怒らなくてもいいのに!」

「だよなぁ!でもナカセン怒ると顔面白いよな!」

「鼻こぉんなに膨らんじゃって!」

「顔なんか真っ赤だったじゃん!」

 げらげら笑いながら教室に走りこむ。夕方だから、部活をしてる4~6年生以外の生徒はほとんど残っていない。俺たちは5年生だけど、部活動には行ってない。本当はバスケ部に所属しているんだけど、面倒だからいつも俺たちはサボってしまう。

「あー、面白かった!」

「帰ろうぜ!」

「帰りにゲーセン寄って行こう!」

「いいね!」

「なぁ、でもさ、俺たちなんであんなに怒られてたんだっけ?」

「はぁ?お前何言ってんだよ・・・・・あれ?」

 誰かがそう言いだすと、誰も理由がはっきりわからない。ナカセンに怒られるのは日常茶飯事だから、今回も誰かが何かしたんだろう、そう思っていた。

「俺はてっきり田中かと」

「なんでだよ、今回俺じゃねぇよ、桐谷だろ?」

「はぁ!?俺何もしてないけど?・・・・じゃぁ大野?」

「いや、浅井かと思ってた」

「え、森丘じゃないの?」

 俺たちはみんなで互いを見合った。こんなに俺たちの意見がばらばらになることはほとんどない。

「え、なんで誰も今回あんなに怒られた理由がわかんないの?」

「知らねぇよ」

「えぇ~、怖っ」

「ナカセンに聞きに行く?」

「なんでだよwwwまた怒られるじゃんwww」

 ナカセンはなんて言っていたっけと記憶を呼び覚ますけど、正直何て怒られたか覚えていない。あんなに怒ってるナカセンの顔は思い出せるのに。

「やめようぜこの話」

「そうだな、もう帰ろう」

「おぉ、・・・帰りに駄菓子屋寄って帰ろうぜ」

「いいね、行こう」

 なんとなく怖くなってきて、俺たちは急いでランドセルを背負った。

昇降口で靴を履いて、学校の外に出る。

 今日は駄菓子屋で何を買おうかな。肌寒いし、お湯を貰ってカップ麺みたいなものでもいいなぁ。でもあれは存外高いんだよなぁ。お小遣い足りるかな。

 そんなことを考えて、ふと、学校を振り向くと、なんとなく違和感を覚えた。

「・・・ん?」

「どうかした?」

「なんだよ」

「忘れ物か?」

 いや、なんだろう、何かがおかしい。今回は一体誰が怒られたんだっけ?なんで俺たちあんなに怒られていたんだっけ?

「なぁ、○○は?」

「は?」

「○○?・・・」

「誰それ」

 誰だっけ・・・あれ?俺たちさっきまで5人いなかったっけ?



——あなたはだぁれ——


あなたはだぁれ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ