表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/29

25-二人で風を切って

「今、下で時間を稼いでくれてる」


カイルがレイの手を握る。

その手はまだ傷だらけで、熱を帯びていたけれど、力は確かだった。


レイは頷く。


「行こう。風があるうちに――君と一緒に」


ふたりは塔の非常階段を駆け下りた。


重い石の壁に、靴音が吸い込まれていく。

遠くで騎士たちの怒声が聞こえる。

でもレイは、怖くなかった。


だって、手を離していない。

もう、ひとりで走る道じゃない。


階段を下り、古い戸口を抜け、外の風が吹いた。


王都の朝はまだ始まったばかりで、街は眠気を残していた。

その隙間を縫うように、ふたりは石畳の道を走る。


「風が、……吹いてる!」


「うん。君といると、ちゃんと息ができる!」


かつて、別れたときと同じように。

でも今は、ふたりで並んでいる。


それは逃避じゃない。


――――この先に、なにかを取り戻すための“風の始まり”だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ