表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/29

10

 朝、ほんの少しだけ寒さを感じた。


 工場の隙間から風が入り込んで、毛布の隅をはらう。

 寝袋の中の俺と、隣で丸くなっていた茜。

 同じ空気の中で寝ていたはずなのに、どこか不思議な感覚だった。


 茜が目を覚ます前に、コンビニに寄って戻ってきた。

 あったかい飲み物と、食べられそうな缶詰をいくつか。


「気がきくじゃん、きみ」

 そう言って、茜は缶切りを取り出した。

 たぶん昨日も、今日みたいに始まっていたんだろう。


 缶詰をあけようとした茜が、突然小さく声を漏らした。


「いっててて……」


 フチで指を軽く引っかけたらしい。

 彼女は指をふーふーしながら、小さく笑った。


「戦いに敗れた」


 その言い方が妙にツボに入って、俺もつい笑ってしまった。


 缶詰の湯気と笑い声が、朝の空気をほんの少しだけあたたかくした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ