表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

私は良い子でいる

 足音がこだまする。


 早朝の誰もいない廊下で、静かに音を奏でる。


 こと。ことん。こととん。

 

 まるで音符が飛び跳ねているようで、聞いているだけで心が落ち着く。

 

 私にはないその音が、愛しくて堪らない。思わず、自然と着いていきたくなる。


 私の前を歩く好きな人は、とても不思議だ。



「なぁ? 希美のぞみは腹減ってるか?」

「うん..」



 好きな人が、声を掛けてくれた。



「まぁ、そうだよな。まだ朝ごはん食べてないもんな」

「何かあるの?」



 好きな人が、私を気遣ってくれる。



「その通り! なんと俺特性のベーコン&卵パンだ」



 好きな人が振り返る。そして、柔らかい笑顔を向けてくれる。


 私の為に、朝ごはんを用意してくれていたのだと知った。



「....美味しそう」

「あ、あぁ。そーだろ? なんたって、俺が作ったんだから旨いに決まってる」



 好きな人は、私の素っ気ない笑顔でも、ちゃんと応えて笑ってくれる。


 やっぱり優しい。



「お兄ちゃん」

「ん?」

「ありがとう」

「おうっ」

「それと.......好き」

「....ははっ。俺も、妹が好きだ」



 好きな人は、よく勘違いをする。


 私の『好き』を『兄妹の好き』だと変換している。


 違うよ。

 そういう意味じゃないよ。


 声に出して、正したい。


 けど。

 お兄ちゃんを私の我儘一つで、困らせたくはなかった。


 私はお兄ちゃんにとって、『良い』で在りたいから。 





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ