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023 ゴブリンとの戦闘

 とりあえず、この首を斬られた黒ずくめの人の体は後で調べる為に収納——しようとしたけど出来ない!?

 あれ?まだ生きてるの?

 そういえば斬首された頭部でも、まだ血液が残っている数秒は意識があるって何かで読んだ気がする。

 それならと、落ちた黒ずくめの人の頭部と残った胴体を掴んで、思い切りバックステップでその場から飛び退いた。

 幸い、私が初撃を避けたからか、ゴブリンキングは追撃して来なかった。

 離れた位置で素早く黒ずくめの人の頭部を胴体に乗せて、収納から白い水を振りかける。

 特別サービスで多めに掛けておいた。

 一瞬首筋が輝き、傷跡は綺麗に消えて胴体は修復される。

 あれ?今、伯爵夫人の時みたいに光った?

 法則がよく分からないなぁ……。

 そんな事は今はどうでもいいか。

 体は元に戻ったけど、果たして魂まで戻るだろうか?


「ぷはあっ!おばあちゃんっ!?」


 ごるぁ!誰がおばあちゃんだ!こんなピチピチの美少女をつかまえて……って、どうやら私の事じゃないようだ。

 黒ずくめの人はキョロキョロと周囲を見回して状況を確認する。


「何だ今のは?だいぶ前に亡くなったおばあちゃんとでかい川の辺で話をした……?」


 あ……。

 どうやら黒ずくめの人、あっちでおばあちゃんと面会してしまったようだ。

 川渡らなくて良かったね。


「ゲギャ!?首を斬り落としたのに、なんでまだ生きてる?」


 ゴブリンキングが驚いてるけど、私もびっくりだよ。

 首斬られても数秒なら白い水の効果がある事が証明された。

 自分じゃ実験できなかったけど、黒ずくめの人のお陰でいい情報が手に入った。

 これで余程の事が無い限り私は不死身だ。

 但し、意識を失ってる状態だとスキルが使えないから、そこだけは要注意かな。


 さて、まだ警戒している様子のゴブリンキングだけど、何故護衛を連れていないんだろう?

 それほどまでに自身の力に自信がある?

 普通は周囲を固めて身を守るものらしいのに、単独先行するタイプのキングなんているのか。

 あるいは周囲に潜伏させているとか……って、収納索敵したら既に囲まれてたわ。

 自分を囮にするようなキングもいるんだね。

 それがちゃんと計算の下に行われているんだとしたら、こいつは侮れない。


「ギャギャ!また妙な力を使ったな!イライラするから止めろっ!!」


 収納索敵の魔力を浴びるとイライラするんだ……。

 まぁ他人の魔力を不躾に浴びせられたら、ダメージは無くとも何か嫌な感じがしそうだもんね。

 という事で、目の前のゴブリンキングを全力で収納しようと試みた。


「グギャギャギャアアアアアッ!!それ、止めろおおおおおっ!!」


 当然生きてる者は収納出来ないのだが、収納しようという行為で私の魔力が盛大にぶつけられる訳だ。

 これは中々便利だね。

 相手を挑発する時に使える。

 煽ってやったのでキング自ら特攻してくるかな?と思ったけど、吠えてる割に意外と冷静だったようで、周囲に待機していたゴブリン達が一斉に私に襲いかかって来た。


 ゴブリンキングの怖いところはキング自身の戦闘能力ではなく、その統率力にある。

 思考がリンクする系の能力を持っていて、別の個体の考えている事が共有されるらしい。

 おかげでゴブリンキングが率いる集団は連携がえげつなかった。

 避ける事は出来ても、反撃に転じようとすると、別のゴブリンがそれを防ぐ。

 しかもこのゴブリン達、明らかに動きにキレがあるので恐らく上位種だ。

 私一人ではジリ貧になりそうかも。


「ちっ、小娘!俺の縄を解け!手伝ってやる!!」


 黒ずくめの人がそんな提案をしてくるけど、さっきまで私を狙ってた人に背中預けられる訳ないでしょうが。

 つい無意識に、せっかく助けた命だからと黒ずくめの人を庇うような立ち回りをしてしまったから、絆されたとか?

 そんなチョロい奴、益々信用ならんわ。

 このゴブリンキングは言葉が通じるんだから、あっちに寝返る可能性もあるし。

 そもそも黒ずくめの人って、このゴブリンの集落を知ってたんだし、ギルマスと繋がりがあるんじゃないの?

 まぁたまたま迷い込んだ冒険者の線もあるけど。

 何にせよ、今は手が離せないから縄を解いてる時間も無い。

 上位種のゴブリンの連携が鋭くて、攻撃を捌いてるだけでいっぱいいっぱいだし。


「これは、出し惜しみしてる場合じゃないね」


 私は黒ずくめの人を無力化した『空間だけを収納して振動を起こす』技をゴブリンに使った。

 相手は魔物なので、今度は加減する必要も無い。

 脳の付近の空間を削り取ると、その失われた空間を補完しようと周囲の空間が高速で移動する。

 それによって脳を揺らされたゴブリン達は、次々に崩れ落ちていった。

 これって移動にも使えるかな?

 いや、下手に空間を削り取ると骨が折れる程の衝撃があるかもしれない。

 空間密度を少しだけ下げるような収納したら、いけるかな?

 そして攻撃を躱しながら次々にゴブリンの上位種を無力化していくと、ついにゴブリンキングがしびれを切らした。


「グギャ!!」


 ゴブリンの群れの中から、鋭い突きが飛んでくる。

 ゴブリン達の連携の中で突然リズムの違う攻撃が来たので、ゴブリンキングの剣に左腕を切り裂かれてしまった。

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