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014 尋問

 馬車に揺られて進む事1時間程。

 なんで徒歩でいいはずの私が馬車に乗せられてるんでしょうね?

 そして、なんでアウレーネさんまで一緒に乗ってるんでしょうね?

 お嬢様の直近の護衛だから?あぁ、そうですか……。

 それならお嬢様の隣に座った方がいいと思うんですけど、なんで私の隣にピッタリ張り付いてるんでしょうね?

 凄く居心地悪い。

 ライザック伯爵家のお嬢様——ユリアンナさんが是非にというので渋々馬車に同乗したけど、早く着かないかなぁ?

 いや、着いた先に待ってるモノも怖いし、ずっと着かないで欲しいかなぁ?

 もう逃げてもいい?

 でもお嬢様の純粋な目で見られると、なんとなく無碍に出来ないのよね……。


「そろそろ我が家に到着しますよ」


 あぁ、もう到着しちゃうんですか、そうですか。

 どうにでもな〜れ。


 それにしても馬車で僅か 1時間程度しか離れていない場所にゴブリンの集落が出来てるって、危ないんじゃないかな?

 この領の冒険者ギルドでは調査とかしてないの?

 領主が立派でも冒険者ギルドは独自に組織化されてるから、連携が取れてない可能性もあるか。

 まぁ冒険者ギルドが貴族とは距離を置いてるお陰で、アヴドメン子爵領でも私の冒険者登録が出来たんだけどさ。

 偽名で登録した事をギルマスは知ってるんだけど、子爵家へは何も連絡せずにいてくれた。

 だから私は逃亡中でも冒険者アイナとして自由に動けるのだ。

 但し、このライザック伯爵家で何も起きなければだが……。


 到着してみて、若干の違和感を感じた。

 伯爵邸というには少し小さいような気がする。

 アヴドメン子爵邸と比べて一回り大きい程度なのだ。

 爵位が一つ違ったらかなり収入が変わるって聞いてたんだけどね。

 だからこそ伯父のゲスオールは伯爵位に執着していたんだし。

 まぁライザック伯爵は優秀な領主という話だから、質素倹約してるのかも知れない。

 父の遺産を食い潰す無能なゲスオールとは大違いだね。


「どうぞ、こちらです」


 ユリアンナさんが先頭に立って案内してくれる。

 お嬢様が案内するってどうなの?

 アウレーネさん、私に張り付いてないで替わりに案内したら?


 室内に入ってからはメイドさんが客室まで案内してくれた。

 お嬢様が着替えて伯爵様に帰宅の報告をしてから、おもてなししてくれるそうだ。

 おもてなしとかいいから、帰っていいですか?

 女性騎士のアウレーネさんがガッシリ肩を掴んでいるので動けないんですけどね。

 あ、メイドさんを追い出した。

 わーい、私を警戒している女性騎士と2人きりだぁ。


「さて、話をしようか」


 声低っ!

 女性なんだからもっとキーを上げてもいいんですよ?


「何故ゴブリンとの闘いで力を隠していた?」


 あちゃあ……私の実力バレてるのね。

 確かにあの程度のゴブリンの群れ、スキルなんて使わなくても私一人で一掃出来る。

 それを私は闘わずに後方支援に徹していたのだから、実力が知られているなら怪しまれても仕方がない。


「お嬢様や他の護衛達は実力を見抜けていなかったから外見で初級冒険者と判断したようだが。私は魔力感知能力に長けていてな。その馬鹿げた魔力量でゴブリンに後れをとるはずがないだろう。一体何を企んでいる?」


 なるほどね、私の魔力を感知出来ちゃったのか。

 感知出来るって事は私の体から魔力が漏れ出てるって事なのかな?

 なんか勿体ない気がしてきた……。

 体から溢れてる魔力って収納出来るだろうか?


「なっ!?急激に魔力が減った!?今、何をしたっ!?」


 おっ、魔力の収納に成功したっぽい。

 他人が私の魔力をどう感じてるかとか分からないから、この女性騎士便利だわ。


「私の魔力が強いとか、気のせいじゃないですかね?」

「嘘をつけっ!!絶対今何かしただろう!?益々怪しいわっ!!」

「だから私は見た目通りの初級冒険者です。ランクもFですから」


 私は偽名で登録されている冒険者カードをアウレーネさんに見せた。


「こんなものいくらでも偽造出来る」


 偽名だけどカードは本物だよ?


「先の戦闘では皆さんの足下を綺麗に保つ事が優先されると判断しました。私が加わる事で皆さんの連携が崩れる可能性もありましたし」


 実力が知られているとして、言い訳はこんなとこかな。


「それを信じろと?」


 信じてよ……。

 この手の頭の固い人って、どうあっても自分の信じたい答え以外は聞く耳持たないよね。

 「伯爵家を陥れようとしています」って言わないとダメなの?

 そもそも本当に陥れようとしてる人がそんな事言うと思ってるの?

 もう面倒臭くなっちゃたし、透明になって帰ろうかな……。

 と思ってたら、部屋の扉がノックされる。


「応接室にて準備が整いました。ご案内したいのですが、よろしかったでしょうか?」


 外から救世主とも呼べる伯爵家の執事らしき人の声が聞こえてきた。

 良かった、これで解放される。


しばし待て」


 うぉい、女性騎士!

 まだ解放してくんないのぉ!?

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