Closs To You ②
今回はかがりん→あらた→かがりんのターンです<m(__)m>
※ “香狩” 視点です。
新が“ヒワイダくん”と呼んでいるカレにもジャージを着てもらい、ジッパーもしっかりと上げてもらった。
「首まであげたらアツい!」とカレはジャージを腕まくりする。
見ると、ワイシャツの袖口がまあまあ白かったので私は少し安心した。
我慢はするけど、あまり汚いのは…辛いから
私と新はカーテン付きのパーテーションをはさんで座っている
さっき新におねだりした。
「一所懸命頑張ったら“ご褒美”頂戴」って
目の前のヒワイダくんはゴクリ!と喉を鳴らしている。
これから起こる事を予想して、昨日の夜から何も食べていない胃がギューと痛んで、私はカーテンの隙間から手を挿し入れる。
新がすぐ手を握ってくれた。
新! どうか嵐の中の小舟になる私を
しっかり繋ぎ留めて!!
ゆっくりとカレの顔に近づいて行く。
カレの顎や上唇あたりは、夜のパパリンみたいに黒いぽつぽつだ
ジャリジャリ擦れるのかなあ
くちびるを少し尖らせて触れようとすると
カレが
磁石の同極同士を近づけたみたいに後ろに下がったので
私は空いている手をカレの首に回して
くちびるを
くっつけた。
--------------------------------------------------------------------
※ “新” 視点です。
カーテンの向こうの二人の息遣い、振動、そして…口は塞がれているはずなのに…衣擦れの音がするたびに聞こえるかがりんの舌を絡めた喘ぎ声
私の脳裏に浮かぶ言葉は
『エロ狂い』
こんな時にまで、母ちゃんのエロマンガに毒されている。
切なく胸がズタズタに切り裂かれる。
嫉妬の血が飛び散る。
泣きたいけど泣けない。
だって、かがりんが私の手を強く強く握りしめるから
カノジョの苦しい叫びの爪が突き刺さるから
泣けない
崩れる音がして
かがりんの荒い息遣いが漏れ聞こえる
カノジョの手が少し弛緩して
私は“終わり”を知る。
私はカーテンを開けて
どこぞの機内食のメニューのように
ヒワイダに聞いてやる
「トランクスかボクサーか」
ヒワイダは呆けた顔のくせに私に訊いた
「おかわりは?」
「私の“蹴り”なら、ある」
凄む私に背を向けて
ヒワイダはよろよろと外に出て行った。
髪を乱したかがりんの瞳はまだ紅く燃えている。
そしてくちびるからは一筋の赤い糸が…
「あ ら た」
半分は声にならないまま動く、くちびるを
私は飛びついて吸い、全てを全てを飲み込もうする。
「ちょっと待て!!」
珠子センセイに割り込まれてしまう。
「抱き合うならカーテンを閉めたベッドでしろ! 但し!!」
センセイは私たち両方の頬に自分の両頬をくっつけてグイィ!と顔を割り込ませる。
「お互いの下半身には絶対触るな!! 特に笙悟陰! お前の下着は後で焼却した方がいいかもしれない」
--------------------------------------------------------------------
※ “香狩” 視点です。
乱れる… そう、ふたり
散々乱れて…
今は、私の髪の流れに
新は指を任せている
その手の甲には
私の付けた爪痕
いったいあとどのくらい
こうやって
私は…
私は…カノジョを傷つけるのだろう…
こんなにも
カノジョの事を…
新の事を!
愛しているのに…
容赦なく流れる涙を
新はキスで拭ってくれる。
「私は全然平気だよ 必ずかがりんを守るから」
新だってべしゃ泣きしてるくせに…
結局私たちは
今日も泣いた。
あ~あ
結局 また泣いてしまった
胸キュン エロ可愛には
程遠い…(-_-;)