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白衣の天使 ②

今回のターンは 香狩→小町です(^_-)-☆

物凄く暑くて

全てを蹴飛ばし、色々脱ぎ散らかして

私は目が覚めた。


寝かされている保健室には


寝覚めなのに荒い私の息づかいの他は


二つの音だけ


古めかしい掛け時計の秒針が刻まれる音と

新さんの寝息


二つとも規則正しい


「あむむむむ…」


意味不明な発語をして私は状況把握を試みる。


なんでこんなに暑い?熱い?のだろう…


“ほっかほっかカイロ”達は床に投げ捨てられていて

私はほどけてしまったバスタオルの巻きスカートをベッドに残したまま

よろよろと這い出る。


砂漠に取り残されたように喉の渇きを覚え、

流し台の蛇口をひねり、行儀悪く水を口の中に流し込む。


口の中に

味が戻ってきて

私は手の甲で口を拭った。


手の甲にうっすらと紅が入る。


やっぱり血の味だ…


目が覚めてから自分の事ばかりだった私は、ようやく新さんの方へ目をやる。


カノジョの形のいい小鼻が少しヒクヒクして、わずかにくちびるが動く。


引き寄せられて

私はカノジョを覗き込む。


私の髪が

世界を遮断する…


「何やってんの!!!」

鋭く投げつけられた声に顔を上げると

クラスメートが睨んでいた。


「京橋…小町さん?」


「そうよ!! ショウゴインさん!! 何なの!! その恰好!!」


言われて私は初めて

自分が上下ちぐはぐの下着姿だという事に気が付いた。


慌ててベッドに逃げ帰ったが


「今更遅い!! アナタ! 新様の寝込みを襲おうとしたの??!!」


私はシーツの陰に隠れてブンブンと首をふる。


小町さんはキラリ!と光る黒くて大きな瞳で私を睨む。

「さっきのアンタ! すっごくエロかった!!」


私はシーツの中に縮こまる。


私…エロいの??


今までの私は

その言葉すら

辛うじて知っているという

レベルだったはず…


でも今の私は


教室で

我を忘れて


忘れて!!


汚してしまって…



ちぐはぐなまま

ふらふらと


新さんを

覗き込んだ


その

くちびるを…


「でもまあ、アンタみたいな()のエロさは破壊力アゲアゲになるから… さっさとオトコ取り込んで目的を達成しなよ」


そうなのだ。


私は


目的を達成しなければならない


生き残るために



モゾモゾとシーツから顔を出す。


キラリン目の小町さんは私と新さんのベッドの間に立ち塞がっていた。

「協力してあげる!って言うか、もう、一人捕まえた」


「えっ?!」


「西島くんってわかる?」


クラスの自己紹介のさなか、私はガチガチに緊張しながらも男子のチェックはしていたので…

「メガネの?」


「ビンゴ! カレがね、あなたの事情に協力してくれるって。良かったね」


「あの… ありがとうございます」


「いいのよー 別に」と小町さんは無表情な言葉で腕組みをし、

品定めするような目で私を見た

「でも、アナタも自分で営業努力をしなきゃ!」


「あの…どうやって…」


「私ならアナタをプロデュースできるけど…どうする?」


藁にもすがりたい私はシーツの端っこを握り締めた。

「お願いします」


「なら、そこに掛かっている白衣を着てみて! その下着の上に」


「えっ?!」


「大丈夫! 白衣にミルクティーブラウンの長い髪、くっついているでしょ? それの持ち主はオンナで… 男っ気は…」


「誰の男っ気の話だあ? 」と窓の外からミルクティーブラウンの長い髪のお姉さんが覗き込んでいた。


小町さんは見事な笑顔で切り返す。

「『白衣の似合う素敵なお姉さまに相応しい男っ気って早々ない』って話してたんですよ」


「ハハハハハ お前ら私の事、微妙にディスってるな」

言いながらお姉さまは窓からポンポンとパンプスを投げ入れ、自分も窓枠を跨いだ。


その様はパンツディスプレイのマネキンみたいに美しくてカッコいい。

で、背が高い。

うねりながら腰まで流れている長い髪をふぁさふぁさと始末して、お姉さまは自己紹介をしてくれた。

「私は新任の養護教諭で真野珠子(まのたまこ)と言うんだ 二人とも爆睡… いや、キミは新顔だな」


「京橋小町といいます」


「なるほど、キミが小町さんか…」


小町さんは小首を傾げる

「かわいいでしょ?」


「ま、自分で言うくらいはな」と小町さんの話は半分に私に本の包みを手渡した。

「キミたちが爆睡している間にそこの本屋で買ってきた。『子供の作り方』だ」

出してみると『授かるための生活術』とのタイトル!


「キミの現実にどれほど即しているのか、分からんのだけどな…」


「あの、わざわざ申し訳ございません…」


「ハハハハハ 正直驚いた! 着任早々、生徒の子作りのサポートをやらされるとはな! 小町! 覗き込んでも回し読みしてもいいけど、実践はするなよ、そこの爆睡姫にも後で言って置け。 で、私の白衣、どうするんだ?」


「ショウゴインさんに着せて“ボランティア募集”のポスター作ります」


「う~ん それは… 当面、キミたちのクラスの中だけにしておいてくれ」


「どうしてですか? ショウゴインさんの件は学校公認なんですよね?!」


「小町、キミなら…きっとわかるだろ?! オトナの事情ってやつだ」


小町さんは僅かに下くちびるをへの字にしたが…

「じゃあ!お借りします」とハンガーから白衣を外して私の肩に掛けた。



--------------------------------------------------------------------


珠子センセイの一応の監視の元


私は、“下着に白衣”のショウゴインの写真を撮っている。


()()()()()()()()()()()みたいな声掛けをしてやると

固く閉じていたカラダが徐々に開かれて行く。


あ~ こういう事なんだな


撮る者と撮られる者とのダマし合い…


まあ、だから私も“悪ノリ”をする。


「ちょっと左肩出して 肩ひもを外してみようか」


カノジョ、一瞬目を伏せ

頬を染め


ぎこちなく肩を抜いた。


白い肌に淡く複雑な影が落ちる


そしてカノジョは

鳶色の瞳をレンズに向けた。


「おっ! 白衣の天使じゃん!」


カノジョは鳶色の瞳をクリンとさせて

少し考え

「『白衣の天使』って看護師さんに使う言葉では?」

と笑った。


切り出したその瞬間は…

スマホの画面の中ですら輝きを放っていて


悔しくも

『白衣の天使』だった。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


イラスト①  


ほぼほぼ寝起きのかがりんです(^^;)


挿絵(By みてみん)



イラスト②


かがりん 追加です。


私、細いとか、たおやか な感じを描くのが苦手で…(^^;)


かがりんで練習しようと思っていたのですが、本編のお話が辛い感じになって来てしまいましたので

イラストくらいは健康的な方がよいかなと、少し丸みを…(^_-)-☆



高校時代の古い記憶を辿りますと(なので今のコたちとは違うのかもしれませんが…(笑)

クラス一の可憐な美少女が

脱いだら…( *´艸`)

このくらいだった気がします(#^.^#)


挿絵(By みてみん)



イラスト③


かがりんの2案


髪の流れと目の感じを少し変えてみました(^^;)


挿絵(By みてみん)


(^^♪

イラスト④


かがりんの4案


少し顔を細めに横髪に動きを付けてみました(^^♪


挿絵(By みてみん)

私の寝てる間に!!!


こんな撮影会がぁ!!!!!


かがりん!!


小町に篭絡されてしまったの??


この写真を見て


私、すっごく!!


複雑ダヨ…

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい具合に爆走してますね。 小町さんと陰キャメガネの絡みがおもろい(笑)
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