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傘もささずに ①

今回は、ちあきなおみ様の『黄昏のビギン』を聴きながら書いています。 遠い昔、コーヒーのCMソングとして出会った、素敵な曲です。

機会があったら聴いてみてください(#^.^#)

※ “新” 視点です。


それは夢だった。


後ろから抱きしめられ、背中にキスの雨を降らされながら両胸に手を滑らされて…


私は喘いだ

かがりんを想って…


でも


目を開けると

見慣れたタオルケットに私は顔を突っ込んでいた。


背中の重みは…


耳の辺りに“感じる”キスをくれたのは…


母ちゃんだった


「えっ??!!!」


飛び跳ねるように頭を起こそうとするが、母ちゃんに押されて動けない。


なんか聞いたことがある おでこを抑えられると椅子から立ち上がれないとか…


それとは違う???

そんな私に母ちゃんは唐突に聞く。


「あんた、セックスした?」


「エッー??!! してないしてないしてない!!!」


母ちゃんはジトっとした疑いの目で私を見る。


「お前がコッソリ洗濯している出処不明のパンツのこと、私が知らないとでも思った

?」


バレてた!!


「だから、先週から柔軟剤使うの止めたのよ。あれは香りが強すぎるから」


意味の分からない私に、母ちゃんはギューッと顔を擦り付けた

「こうやってお前の“ニオイ”を確かめる為にね。 嗅いでみて、こいつはヤバいと思ったからシゲキをくれてやったら、とんでもない声を出しやがって! まだシラを切る気??」



「うるさい!! 母ちゃんのヘンタイ!!」


私は布団を被って母ちゃんの探索を逃れようと闇雲に手を振り回す。

と、ゴブシがゴツンと当たってしまった。

慌てて布団を脱いでみると、母ちゃんが左目を抑えて蹲って(うずくまって)いる。


「ゴメン!! 母ちゃん…」


「あー左目直撃した!! 痛―い!!」


「だって、母ちゃんが 変な事するから」


「私はね、()()なとは言わない、もう、そういう仕方のないところまで行ってしまっているのだろうから…ただ“ゴム”無しはダメ!!」


「だから!!…そんなんじゃないって…」


「隠したって、お前が()()()()()のはバレバレなんだから!」


そう言われて私は

思わず押し黙った

あぁ、顔、赤くなってきてる…


「ひょっとして… オンナ?」


私はひたすら押し黙る。


「小町ちゃん?」


思わず頭を振って

バレてしまった。


「他のオンナなんだ」


「オンナオンナ言わないで!」


「じゃあ、やっぱり男だ」


「違う!!」


「じゃあ、なんて子?」


カンの鋭い母ちゃんには所詮、嘘はつきとおせない。

「かがりんって子、でも…抱きしめ合ったり、キスしたりしてるだけだから…オンナ同士だし、何かなる訳じゃない!」


マリア病の事はとても言えないから、こうやって逃げるしかない。


「そうなんだ…私はてっきり小町ちゃんの()()の強さにアンタが落されたのかと思った」


「小町の押しは強いよ! 今日も誘われたもん『今度、撮影現場に同行してって』」


「どうするの?」


「うん、断った! そしたら『かがりんも連れてくれば』って」


「まあ、あの子の事だから、簡単には引かないわよね…行ってあげれば、

何を企んでいるのかは分からないけど、その“かがりん”って子に、隠し事みたいなのはしない方がいいから」


「そうかなあ…」


「そうだよ、かがりんと打ち合わせしな」


私がスマホを取り出してメッセ入れようとしたら、母ちゃんにスマホをパッと奪われた。


「あ~っ!!!」


「どれどれ… えっ??!! 飛んでもない美少女じゃん!!」


「だから母ちゃんには見せたくなかったんだよ」


「なんで、今度連れて来なさい」


「ヤダ! マンガのエサにされるから」


「娘の大切なカノジョだよ!! そんな事!!…  するに決まってじゃん!」


「ほら~!! だから嫌なの!!」

と私はやっぱり母ちゃんから逃げようとすると、母ちゃんは

「新、ちょっと! ちゃんとこっち向いて!!」と私を目に前に座らせた。


「アンタがもし…子供を孕んだら…私はあの試合中のケガの時みたいに、もの凄く怒ると思う。

それはね、『アンタがその時その時の自分を大切にしていない』って事になってしまうから。

でも、それでも、どうしてもその子を産みたいって言うのなら、その事に自分で責任を持つと言うのなら、私はアンタの味方になる。それはアンタが自分自身を大切にしていると理解するから。 

だからね、かがりんを一所懸命愛しなさい。どんな事があっても…

そう、傷ついたり、ボロボロになったり、もしかしたらお互いが信じられなくなる事もあるのかもしれない。

でもアンタは私の子供だから…とても素敵な自慢の娘だから…

人を愛するって事においては、決して間違わない! 

うん!! 母ちゃんはそう信じている!」


そう言って

母ちゃんは私を抱きしめてくれた。


やっぱり私は

母ちゃんの胸の中で

しばし泣いてしまった。



本当に悩んで唸って転げ回って…ようやく少し書けました。(/_;)


なので、何かお言葉をいただけましたらとてもとても嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >「えっ??!!!」 同じところで私も「え!」って叫んでしまいました♡ か、母ちゃん……と震えそうになったのですが、そのあとのお言葉で、すごくすごく心があったかくなりました~。 素敵な女…
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