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A Study in Scarlet

今回は、かがりん⇒あらた⇒珠子センセイの順番です。

※“香狩” 視点です。



夏を思われるような陽気の日が増してきて、ここのところ“ブラの上に直ブラウス リボン無しボタン外し”のエロ仕様…だったので、実は冷え性の私にはありがたかった。


でも、その時は、トイレの個室の中、儚い蛍光灯の灯りを頼りに見ていた排卵日予測検査薬のピンクの…濃くなったラインに寒々としていた。


LHサージが検出されてしまった…珠子センセイに提出しなきゃ…


正直、今日から、またしなきゃならない事を考えると…

気が重かった…

なのでドアの外の気配に気が付かなかった。


人の声がして、いきなりドアから天井へとホースの水がブチ当てられて行き来する。


とうとう来た。


私は、見れば顔が分かってしまう彼女たちの怒りの洗礼を甘んじて受けた。

彼女たちの高校生活をぶち壊しているのは他ならない私だから…


何人かの歓声ともつかない声と足音が遠ざかった後、私は検査薬をポケットに捻じ込み、ようやく個室のドアを開ける。


鏡に写る濡れ鼠の私…


髪から滴り落ちるしずく

濡れたブラウスからはブラの赤色が明るめに滲み出ている。


ふふ、エロいや…

好都合…


トイレの中の自嘲の笑いは徐々に高くなって


私は洗面台に屈んで髪をぎゅーっと絞り


笑いながら()()()()トイレの外に出る。


すれ違う生徒は

み~んな私を見てくれる…


面白い


このノリで行こう!!


今日はクラス1の“コマシくん”がターゲットだ!



私が教室へ戻ると、主に女子たちの視線が私をトレースしていく。

品のないクスリ笑いが聞こえたりする。


ならば私は、マリア病によって()()となる事を余儀なくされた女として存在すればいい。


教室の反対側から、すぐに新が飛んで来てくれたけど、私の“中”は既に動き始めている。


「ねえ、放課後、私と()ない?」


コマシくんは物憂げに私を見上げる

「間に合ってる」


その目の色がみたくて

私は顔を寄せてみる

何のことはない

意外ときれいな目をしている。

それにくちびるが可愛い。

指で触れたら


噛まれた


「お前みたいに迫るオンナは好きじゃねえ。どちらかと言うと…」

視線の先を目で追うと…私の後ろに追いついた新だ。


「“小さい胸を気にしてる”風な子の方が可愛い…」

言い終わる前に私はコマシの頬にビンタを食らわせた。


「新の事!! 変な目で見ないで!!」


はたかれた顔をグイ!と戻してコマシは言う。

「痴女に言われたくはねえな!」


「お前の物言いが頭にくるんだよ!! 言う事を聞く女しか抱けないフニャチン野郎が!!」


「ちょっと!! かがりん!!」と新に裾を引っ張られたが構いはしない!!


「悔しかったら私のこと、()ッてみな!!」


「どうなってしまっても知らねえぞ」


小馬鹿にしたような顔で言われて私は腹の虫が収まらなかったが、新に教室の外まで引っ張られた。

「珠子センセイのとこ、行くよ!」



--------------------------------------------------------------------


「さっきは悪かったな」


闘う気マンマンだったのに、いざ、保健室で顔を合わせると()()()はこんなことを言う。たぶんヤツの手管の一つなんだろう


「別にいいよ それに…フニャチンかどうかなんて私には関係ないし」


「その言い方は無くねえ?」


なんだか笑ってしまった。

二人ジャージ姿でこんなやり取りじゃコントにもなりはしない


「下半身は触らせない。珠子センセイや新も見ているから大丈夫だと思うけど、万一、私が触らせようとしたって、触っちゃダメだからね」


「なんで? もったいない」


「私に触る事であなたがマリア病に感染しても…あなた自身には影響はない。けれど、これからあなたが()()()すべての女性に影響を及ぼしかねない」


「それって、キミにとっては良くない? キミに水を浴びせた子、僕の“オシリ愛”だよ」


「は、は、は 何言って“ケツ狩る”だな、てめえ、やっぱり胸糞悪地い!!」


「その綺麗な顔が吐く言葉とは思えねえなぁ」


「言葉どころかドス黒いものをいつも吐いてる」

握っていてくれる新の指に力が入る


ごめんね新、私、きっと壊れかけなんだ…


「心配するな、オレ、基本は肌合わせたオンナには優しいから…」


「高校生ふぜいがエラそうに…」


「オレをいじったんだからな!胸くらいは触るぞ…」


「こんなので良かったどうぞお好きに…」


痛いほどに強く、新から手を握られながらも

くちびると胸を同時に触れられて


私は狂った。



--------------------------------------------------------------------


※“新” 視点です。



どんな奴でもかがりんを救ってくれる人。 そう思って、歯を食いしばって今日も聞く。


「トランクスかボクサーか?」


「もちろんボクサー」


強がってはいるがヤツは足に来ているようだ。少しよろめいた。


手を貸してやろうとしたら拒否られて

「ショウゴインのloverに手は出せねえ」と出て行った。


何なんだアイツ!


クソっ!!


かがりんのこと、揉みくちゃにするし…


そのかがりんが、胃と口を押さえたので私は急いで小さな試験管を取り、付き添う。


かがりんは今日も、古めかしい白いホーローの洗面器に赤黒い物を吐瀉する。

私はかがりんの背中をさすりながら、その吐瀉物を試験管に掬い上げ、栓をする。


用の済んだ洗面器を洗い、かがりんの元に戻って、カノジョの口を拭い、その頬を両手で覆う。


髪や衣服に()()が手を這わせた痕跡が残っていて、それが付けられた時のカノジョの喘ぎが私の脳裏にリフレインし、否応もなく私を八つ裂きにする。


だから必死に歯を食いしばる。


「あらた…」と潤む目でかがりんは私を見る。


「かがりん ごめん 私 今、おかしくなってる…」

両手をカノジョの手に置いたまま

私は泣き震える


そんな私の手の上に…その手を重ね合わせたかがりんは

私のくちびるに血の味を伝えてくれた。


「ベッド…行こ そして私を新だけでいっぱいにして…」



私は泣きながら

かがりんを

ベッドに押し倒した。



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※“珠子センセイ”視点です。



「はい、()()()の女性の血液も今日の分の吐瀉物サンプルと一緒に送ります。ええ、問題はありせん」


電話を切って、私は保健室に戻る。

ベッドには

哀れな2体のモルモットが信じられないほど可愛く、抱き合って寝入っている。


私の手は指は、何をもどかしく掴もうと、うごめくのか


試しにタバコを握らせても、

すぐに折って灰皿へ投げてしまう。


分かっているんだ。

とうに枯れてしまって流せない涙の代わりになる物の事だろう


保健室にはたくさんあるさ…



私は白衣をハンガーに掛け

デニムのジッパーを下してショーツをずり下げる。


もう誰に見せる事も無い

醜い下腹部


私は目の前に放り出されたメスを握り

その下腹部にまた一つ軌跡を描く。


バカみたいに鮮やかな赤が

その色を確かめさせるようにショーツを染め上げる。


カノジョが吐き戻した…試験管の中の赤黒い吐瀉物が目に留まる。


どうしてそんなに赤黒いのだろう…?


色々な言葉や記号や数式が頭を駆け巡ったけど

何の意味があるのか…


しばらくはこのままで居よう。


カノジョたちが目を覚ます頃には

血も止まっているさ。


。。。。。。。。。。


イラストはあらたの4案です。


少しだけ大人っぽくしたつもりなのですが…



挿絵(By みてみん)



書いても書いても袋小路に追い込まれてしまって…

どうもスミマセン<m(__)m>


こんな風になるのだったら黒楓名義にした方が良かったかなあ…(/_;)

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― 新着の感想 ―
[良い点] >「“小さい胸を気にしてる”風な子の方が可愛い…」 あっ!? どこかで聞いたようなセリフだ!(^o^) 珠子先生が自分の下腹部を切った意味は……? 色々と興味をそそられます。
[良い点] こんな恋してみたい [一言] 何作も連載している中、レベルが下がらないのはすごいです 頑張ってください
2022/02/01 18:48 退会済み
管理
[一言] きゃ~っ♪
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