決めごとのプロローグ
このお話はもちろんフィクションです。
なので楓の好きに設定できるので、一応、スマホとかがある時代なのですが、基本SNSとかようつべとかは彼女たち使いません。 もっとレトロに物事考えます(^_-)-☆
まだ小さかった頃、ママリンに聞いたことがある
「どうやってこどもはできるの?」って
ママリンは幼い私の頭を撫でながら
「キスすればできるんだよ」
って教えてくれた。
それからずーっと経って
女子だけが詰め込まれた教室で
私はそれが優しい嘘だど知った…
けれども…
高校生第1日目の昨日の夜
私に限っては、“それ”が本当なのだいう厳しい現実を知った。
それがいつもの冗談ではない事が分かったのは、おばあちゃまやママリンやパパリンの涙と、どこにしまっていたのか銀の装飾が施されたピストルをママリンから手渡されたからだ。
「これで、私を撃ち殺しても構わない」と
家族皆んなが、“マリア病”というこの不幸な伝染病の事を私にギリギリまで黙っていてくれたのは、優しさからなのだろう…
ありがとう
私、笙悟陰 香狩は
おかげで今まで幸せな少女時代を過ごせました。
こうやって強がっては居るけれど… 私… 一晩中いっぱい泣いた。
この身はもう、尼寺へ行くこともかなわぬ。拒否し続ければいつかは不慮の事故で殺処分…
そうまでして“社会”は何を守りたいのか?
私はマリア法という“男社会のエゴ”の歪の中に落とし込まれた。
何かの記事で読んだ“世界に残る反人倫的行為”は確実に身近にも存在していた。
朝の陽ざしを写し込む鏡の中の私
この、泣き腫らした目の、鳶色の瞳も
忌まわしきマリア病のせいらしい…
だけど泣くのはここまで!
斉藤さんが様子を見に来てくれたから
この得体の知れないイキモノたる私を…私は精一杯コメディにしようと思う。
だから斉藤さん、そんな、今にも泣きそうな顔しないで…
私は鏡に写る斉藤さんに話しかける
「ねえ、斉藤さん… 殿方をお誘いするにはどうすればよいかしら…」
「そうですねえ」と斉藤さんはドレッサーに置かれていた櫛で私の髪を梳いてくれながら考えている。
マリア病のせいで私のママリンとパパリンは32歳。
おばあちゃまだって“アラフィフ”だ。
そんなわけで、おばあちゃまの頃からのお手伝いさんである斉藤さんは、私にとってお母さま的な立ち位置なのだ。
「取りあえず、スカート丈は短めで迫ってみようかと思うのだけど…寒そうで…」
「お嬢様、乙女の制服の下は伏魔殿なのです。ほっかほっかカイロで固めてしまえば良いのです」
「なるほど…ラブコメだね、トーストでも咥えてみようかしら?」
斉藤さんはため息をついた。
「残念ながらお嬢様はラブコメには不向きです」
「そんな! どうして?」
「それは…お嬢様がラブコメをやるには美し過ぎるからです」
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「ねえ、母ちゃん」
と咥えている左手の親指から口を離し、しどけない姿勢を捻じ曲げて声を掛ける。
「ちょっと!今、動かないで アナタの実像に感性のぬいぐるみを着せてるところだから」
「時間ヤバいんだよ、入学早々の遅刻はマズいだろ?!」
母ちゃんはため息をついてスケッチブックから顔をあげた。
それでようやく私は解放され、カツラ、ネグリジェを脱ぎ捨て、付け胸を外した。
「あなたがもっと色っぽかったら仕事もはかどるのにねぇ~」
エロ漫画家の母ちゃんは年頃の娘をこんな目で見る。
「まな板、ハーパン履きの色気ゼロの娘で悪うござんすね~」と付け胸を頭に被って見せると母ちゃんは爆笑した。
「エロウサギが出た!」
「母ちゃんの妄想に付き合ってる間、もう無い! マジ時間ヤバっ!」
大急ぎでJKに変身していると、母ちゃんはラップ巻きされたおにぎりを2個放って寄越した。
「アンタ、今は走れないんだから、コレかじりながら行きな!どこかのラブコメみたいに」
私は左手、右手とおにぎりをキャッチしてお手玉をして見せた。
ラブコメにはなり得ない私に母ちゃんの教育的指導が入る
「食べ物で遊ばない!」
「あいよ~」
正直なところ、私はマンガで萌えたことがない。サッカーとか格闘系のマンガで昔、燃えたことはあったけど…
だから今もカバンを肩に、おにぎりをムシャムシャ食らいながら長い坂道を昇っている。
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「ママリンこれは??」
「パパリンのを見てるから分かるでしょ? パンツ!」
「あの、なぜそれが袋一杯に??」
「女子用もあるよ、形はジャストウエスト、ビキニ、ローライズなど色々、色はベージュか白だけど緊急用という事で理解してもらって。…あとサニタリーにユニセックスも用意してある、これにはタグ付けて置いたからね」
「あの…ママリン?」
「あ、それからね、こっちのバッグはバスタオル5枚に持ち帰り用のエチケット袋を入れて置いた。これ全部学校へもって行きなさい」
さすがに私は目がまん丸だ。
「これ、私が、持って行くの?」
それには答えずにママリンはこんなオーダーをして来る。
「香狩ン、基礎体温表出して」
私はざわざわしながら去年から毎朝付けている基礎体温表を出した。
ママリンは基礎体温表をチェックして私に向き直った。
「この荷物、今日にでも必要になるかも…」
「必要って?」
「起これば分かるわ。 今日はパパリンにはハイヤーで会社に行ってもらうから、西田さんに学校へ送ってもらいなさい。」
「それはダメ! これから皆様にお願い事をする身ですもの 自分の足で歩かなくては!」
「でも、そんな荷物で電車に乗ったら、あなた、マリア法の網に引っかかるわよ… まあ、それもこれも経験しないと分からないものね… 好きにしなさい」
で、私は行商のお姉さんのような大荷物で駅へ向かう坂道を上がることとなった。
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最初、やけに綺麗な髪の行商のオバサンだなあって思った。
でも坂の途中で追いついてみると、私と同じ学校の制服のコだ。
だけど何? この荷物!
さすがに気の毒に思えて声を掛けてみる。
「あなた、西高だよね、私もホラっ! 同じ制服で、リボンも緑だから…同じ1年生だよね」
その子は、大きな不思議な色の目を見開いてコクリと頷いた。
「だから、荷物持つの、手伝うよ。私、かんだちあらたって言うの、字は後で説明するから、あらたって呼んで」
「あの、しょうごいんかがりと言います。かがりんと呼んでいただければ…私も字は後で説明します」
荷物を受け取って見ると…中身は男の子のパンツでパッツンパッツンじゃん!(あ、私の所属していたサッカークラブって中坊までは男女混合だから、見なくていいものも見たりするんだよね) さすがに驚いて聞いてみる。
だってこんなお姫様みたいな子にはあまりにも似つかわしくない荷物だから…
「かがりん、この荷物、どうするの?」
「それが私にも分からないのです。 ウチの母に『起これば分かる』と言われただけなんです」
「『起これば分かる』って何かの謎かけ??」
そんな会話をしていると駅のラッシュの人波にぶち当たって、かがりんは「アレッ~!!」と持って行かれてしまう。
と、いきなりブザーだの笛の音だのが、けたたましく鳴ってドドドドドドドドドとやって来た警官や駅員が私たちを引き剝がし、1両丸々空にされた電車に荷物ごと放り込まれた。
『長らくお待たせして申し訳ございません。ただ今から出発いたします』とのアナウンスとともに動き出した空の車両…両脇の車両には人がぎゅうぎゅうに詰まっているのがガラス越しに見える。
私たちは呆然としていた。
「いったい何なんだぁ」
揺れる床にペタン座りのかがりんは申し訳なさそうに私を見上げた。
「たぶん…マリア法です…」
「マリア法??」
「わたしも昨日、その存在を知ったばかりなのですが…。皆様には後でご説明いたします」
果たしてその機会は来た。
私の「かんだちあらた、雷に電池 新旧の新しいと書きます。趣味はサッカー、今はケガで休んでます。あと格闘技、観ると燃えます」との自己紹介が興味なくスルーされてからずっと後、一番最後に教壇に立ったかがりんは皆の注目を一身に集めていた。
このネ申的美少女の自己紹介とは??
かがりんはチョークを手に取り、まず
『笙悟陰 香狩』と板書した。
それから『virgin』と
意味を解した人からざわざわとし始める。
向こうの男などはペットボトルのお茶をグビリと口に含んだ。
かがりんはそのスペルにアンダーラインを引いて話を続ける。
「私の現在の状況はこうですが…あと1年以内に子供を身ごもらなければいけないのです。しかも特殊な方法で…」
ブーっ!とさっきの男が噴き出したお茶が前のコの頭に掛かって、鬼の形相で振り返られる。
それを皮切りに教室中、大騒ぎとなった。
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イラストはかがりん(案)です。
鳶色が分かるように瞳だけ色塗りしました。
2024.7.18
かがりんのイラストを更新しました(#^.^#)
呼び込みで~す!(^O^)/
はい、まだプロローグなので…わけわかんないと思いますが、私、出演中の
雷電池 新で~す! で、こちらは“ネ申的美少女”の笙悟陰 香狩ちゃん! パチパチパチ
しっかしあれですね。あなた何者って感じですよね。うん、分かりますよ、それは次のお話なんでしょ? でもね、かがりん! このふざけたタイトルをご覧いただいて、さらにこちらにお越しいただいたお客様に、何とか次回もお越しいただけるよう、呼び込みしなきゃ!!
えっ?! とっておきの呼び込みをする?
ヒント出すの?
目をつぶって…?
♡♡( *´艸`)
…かがりんが今、キス顔をしました!!
こら楓!!
どうせ画像上げるのならこっちにしろ!!
ちなみに私とかがりんの名前に因んで
かの昭和のヒット曲「君のひとみは10000ボルト」!!
聴いてみて下さい!♡