第四十五話
「僕も戦うよ。僕のやり方で」
立ち止まり、そう言った僕を母さまとジーヤが見つめます。
「さっき通ったロック親方の荷車に、あの盾も乗ってるのを見たんだ。僕なら直せる。今なら直せる気がするんだ。ここで行かなかったら駄目な気がするんだ」
誰からも返事はないです。
沈黙が続きます。
母さまがしゃがんで僕をみます。
「私とジーヤはお家で待つことにするわ。危なくなったら地下食糧庫に隠れるから心配しないで」
そう言って僕を抱きしめます。
「エリザ、アンナ。トキン様を頼むぞ」
「「御意」」
母さまとジーヤに別れを告げて西門へ引き返します。
エリザが先を歩き、アンナに抱っこされた僕が続きます。
「さっき通ったロック親方の所へ行ってほしい」
アンナが頷きます。
避難する人々の流れに逆行して進みます。
西門が見えます。
西門前には陣幕が張られています。
正面でトツカーナ伯爵が指揮をとっています。
陣幕の後ろ北側に次々と怪我人が運び込まれています。
南側は武器、防具の交換場所になってます。そのさらに後ろでロック親方達は金槌を振るってます。
親方に近づきお願いします。
「ロック親方、トキンです。邪魔をしないと約束します。荷台の荷物を見せて下さい。僕も力になれます。一緒に戦わせて下さい。お願いします」
ロック親方は目を細め、僕を睨みつけます。
「好きにしろ」
「ありがとうございます」
僕はお礼をいい荷車に向かいます。
あの盾だけが荷台に残っています。
やはり損傷が酷すぎて誰も手にしないようです。
鳴り止まない鐘の音に加え、時々魔法の着弾音も聞こえてきます。
戦闘場所が街に近づいています。
僕はエリザとアンナに事情を話します。
二人は頷き、僕が死角になる位置に立ちます。
荷台の陰に座り込みます。
手にはあの盾が有ります。
ここからが僕の戦いです。




