第四話
ジーヤと一緒に、街の中心部へ向かいます。
目指すは僕たちの小さなお家から一番近いお店です。つないだ手をブンブン振ってたらすぐ着きます。
看板がかっこいいお店です。
立ち上がった熊の上半身が描かれていて、右前足をグッとたたんで、左前足は風を切るようにバッと前方に伸びています。
看板の右下に小さく、
武器屋『幻の左ストレート』
と書かれています。間違いありません目的のお店です。かっこいい看板に、しばらく目が離せなくなります。
ジーヤは僕の気がすむまで待っててくれます。そんなジーヤににっこりを送ってから入店します。
「こんにちはー」
「少し見させて頂けますかのぅ」
僕が元気よく挨拶して、ジーヤが用件を伝えます。
カウンターで、一生懸命に盾を磨くおじさんがいます。小柄で痩せてます。幻の左ストレートは、放てそうにないです。
「いらっしゃい。俺とかみさんしかいない時間だ。ゆっくり見てってくれ」
小柄で痩せたおじさんは店長さんみたいです。にっこり笑った口元には前歯が二本なかったです。
「いらっしゃい。こりゃまた随分可愛いお客さんだね」
店の奥から大柄な、おばさんが顔を出して、にっこりしています。
僕もにっこりをかえしながら、看板の意味を悟ったのです。
ジーヤと手を繋ぎながら商品を見ていきます。剣、槍、オノ、ハンマーとじっくり見まわします。
付与効果のありそうな武器はなかなか見つかりません。そんな時です。
「いや〜素晴らしい品揃えですな。ご主人、この黒光りするオノは、やはり特別な効果が付いてたりするのですかのぅ」
さすがジーヤです。店長さんに対し、素晴らしい質問を放ちます。
「いや〜、そのオノは渋い色艶を放ちゃいるが特別な効果はねぇ。効果付きの武器は、こっちのショーケースに入った分だけだ。遠慮せず見てくれ」
店長さんも最高の回答をくれます。僕とジーヤはすぐさまショーケース前に陣取ります。
無詠唱で鑑定していきます。
鑑定結果
「鉄のレイピア」
良品
【連突の細剣】
素早さ+7
力+3
鑑定結果
「鉄の大剣」
良品
【オークキングの大剣】
力+6
麻痺3%
鑑定結果
「鋼の大斧」
良品
【ミノタウロスの悪友】
力+8
体力+5
他にも八つ。合計十一の武器を鑑定したところで、体にだるさ感じてしまいます。察してくれたジーヤが、感謝の言葉を伝え、僕を外に連れ出してくれます。
「坊や、また顔見せにおいで。今度はお菓子でも用意しとくから」
再来店が決定します。にっこりとお辞儀で最大級の謝意を伝えます。
帰りはジーヤにおんぶです。五歳になっても、おんぶはうれしいです。
小さなお家では、母さまがお茶の準備を済ませ待っててくれます。
レモンティーと梨のタルトを食べながら、母さまに報告します。
母さまはニコニコしながら聞いてくれます。
僕はティータイムで少し元気になったので、自身に鑑定スキルを使って経験値を確認します。
『鑑定』R1 (46/100)
予想値は+33位で(40/100)あたりかなと思っていましたが、十一回のレア鑑定で+39も経験値を獲得です。びっくりです。
強烈な左ストレートをもらった気分です。
トキンのメモ
鑑定 ランク1 (46/100)