第三話
「トキン、おはよう。朝ごはんできたわよ。起きて顔洗ってらっしゃい」
「母さま、おはよう。ごめんなさい、寝坊しちゃった。すぐいきます」
五歳になった僕は、日課から解放されたのと、スキルの獲得が嬉しくて、昨日すこし浮かれてしまいました。それで寝坊してしまう体たらくです。
急いで着替え、洗面を済ませて、僕の席に着ます。
「ジーヤ、おはよう」
「おはようトキン。昨日は無理させてすまんかったのぅ」
「そんなことないよ。僕も楽しかったし、まだまだジーヤに聞きたいこともあるから」
ジーヤは今日もニコニコしています。
「さあ、食べましょう」
今日の朝食は、くるみパン、ベーコンエッグにオニオンスープです。
「いただきます。僕、母さまの作るベーコンエッグ大好きなんだ」
「ふふふ、オリーブ油をひいて火をとおすだけなのに、トキンにそう言ってもらえるとうれしいわ」
食べ終わった食器を洗い場に片付けて、僕の今日の予定を相談します。
与えられた日課は昨日で終わりです。今日からは僕が考えた予定を説明して、自発的なスケジュールを組みます。
「今日の予定なんだけど、午前中はスキルについて、色々教えてもらいたいと思ってて。ジーヤと母さまの予定はどうかな」
二人とも僕の予定に賛成してくれて、スキルについて色々教えてもらいます。
特に大事な情報はメモします。
鑑定スキルの経験値は、付与効果のあるレアアイテムでも+3の固定ではなくバラつきがあること。
鑑定スキルのランクが上がると、鑑定情報が増えること。
おそらくランク2で増える情報は、「価値」であること。
物の価値がわかって初めて鑑定スキルが生きること。
スキルの発動は魔力を消費すること。
特にリペアのスキルは消費が多いと思われるので、しばらく封印すること。
以上のことから、やみくもに鑑定しない。付与効果のありそうなアイテムに絞ってスキルを使用すること。
色々、教えてもらいます。
午後の予定はジーヤと一緒に、武器屋さん見学に決定です。
スキルランクアップを目指して修行です。
トキンのメモ
鑑定 ランク1 (7/100)
2021.7.27追記
誤字報告頂きました。
訂正します。
得に→特に(33行目)
ありがとうございます。