第二十五話
僕は今、レオナルドさまに、ヴェネート公爵家の宝物庫を案内してもらっています。
母さまとジーヤは、ヴェネート家の執事さんやメイドさん達とお話がしたいと別行動です。
初めて見る宝物庫に、わくわくします。
国王さまから賜った豪華な全身鎧、公爵家に代々伝わる大剣や、歴史ある豪華な宝石など、レオナルドさまが説明してくれます。
鑑定してみたいアイテムばかりです。
でも今は我慢します。
一通り見せて貰い、にっこりでお礼して尋ねます。
「レオナルドさま、ここに飾られていない修復待ちの物や、壊れて保管している物はありませんか」
レオナルドさまはニコリの笑顔で答えます。
「トキン、もちろん案内させてもらうよ」
僕とレオナルドさまは、大きなお屋敷を出て、敷地内にある離れの巨大な物置に向かいます。
中には誰もいませんが、棚に並べられた壊れた魔道具、ガラスケースに入れられた宝飾類、領兵が使ったと思われる沢山の革鎧など、様々な物が整然と置かれています。
「レオナルドさま、この中で特に直したい物はどれですか。僕、まだ三回くらいしかスキルを使えないので」
「ありがとう、トキン。ヴェネート家の為に、力を使ってくれるのだね」
僕はこの後、三つの修復をします。
でも何かは誰にも言わない約束です。
四人でティータイムです。
四人しか居ないのに、凄く豪華で長いテーブルです。天井の高い、長い部屋です。
メイドさんが給仕してくれます。
ミルクティー、パンナコッタ、ツナのサンドイッチと、色あいが綺麗なサラダが並びます。
「サーラが作るパンナコッタは、本当に美味しいのよね」
「アニーの好物だったからね。昨日のうちにオーダーしておいたよ」
レオナルドさまも、母さまも嬉しそうで、僕もにっこりしてしまいます。
今夜は公爵邸に泊り、明日シェーナの街に帰ることになります。
トキンのメモ
鑑定 ランク2 (73/200)
リペア ランク2 (246/1000)




