第十ニ話
今日のティータイムは、ミルクティーにハムとキュウリのサンドイッチです。
三人で会話を楽しみながら過ごします。
食べ終えたら鑑定屋さんの準備に取りかかります。
門番さん達への手土産も忘れずに手押し車に乗せます。
「母さま、いってきます」
「トキン、気をつけて行ってらっしゃい」
母さまがニコニコで送り出してくれます。
ジーヤと一緒に出かけます。
今日は寄り道をします。
すぐ近くの武器屋『幻の左ストレート』さんです。
さっそくかっこいい看板が見えてきます。
「こんにちは、トキンです」
「お邪魔しますぞぃ」
店内に入ると今日は、大柄な奥さんがカウンターに立っています。
「あら、いらっしゃい。今日も可愛らしいね」
僕はにっこりしながら用件を伝えます。
「買い取り希望はこの四つだね。一つが鑑定書付きと。任せときな、旦那よりアタイの方が目利きだからね。このスコーンを食べて待ってておくれ」
ジーヤと一緒にスコーンを食べて待ちます。
お菓子をくれる約束を忘れない奥さんへの好感度が上がります。
すぐに見積りが出たようです。
「鑑定書付きだと楽でいいね。食べながら聞いとくれ。鉄のロングソードは5,000。鉄の斧も5,000。銅の杖は2,500。でこの【サラディンの曲剣】が44,500。合計57,000 ゴルドだね」
「はい、それでお願いします」
僕はにっこり答えます。
「まいどあり〜、はい57,000ゴルド確認しとくれ。ついでにコイツを観とくれないかい。武器と一緒に引き取ったけど、小物の査定は苦手でね。ガハハ」
奥さんはカウンターの上にアイテムを一つ置きます。
僕はすぐさま虫眼鏡を取り出して鑑定します。
鑑定結果
「羽根ペン」
不良品(折れ)
【青鷲の羽根ペン】
幸運+0 (0/1)
1,000ゴルド
(銅貨一枚)
「ふむぅ〜ん。この羽根ペンは【古代の逸品】で間違いありません。本来なら幸運+1の効果が付きます。残念なことにペン先が折れて無くなり、その効果を失っています。でもとても綺麗な羽根なので、よければ売ってもらえませんか」
「不良品を売る訳にはいかないよ。ほしいならタダで持っていって構わないさ。代わりにまた武器を売りに来ておくれよ。品物が入れ替わらないと、客足が遠のくからね」
タダでいいと言われて少し戸惑いましたが、ジーヤをみるとニコニコ頷いてくれました。
「ありがとうございます。必ずまた武器を持ってきます。スコーン美味しかったです。ご馳走様でした」
にっこりお礼して店を出ます。
昨日の仕入れから40,000ゴルド以上の利益が出ました。
さらに幸運コレクションも増えてにっこりしてしまいます。
西門に着き、まずはジーヤと開店準備です。
もう慣れたものです。
そして門番詰所に挨拶です。
手土産を渡すのも忘れません。
バーン門番長さんと他の門番さんもにっこりです。
ジーヤと別れてイスに腰掛けます。
あとは冒険者さん達を待つだけです。
今日はどんな冒険者さんとアイテムに会えるか楽しみです。
トキンのメモ
鑑定 ランク2 (16/200)




