オアシス。

作者： caem

　軽く握り締めたハンドル　踏み込んで

　一気に加速してゆく

　変わらぬ景色と　吹き付けてくる風

　火照った額を覚ますように　全開にした車窓

　おんぼろ車のラジオから　GoGoGoと焚き付けてくる

　まだ見えない最果てに　飽くなき旅のprelude

　足りなくなって　見つけた看板　錆びれたMOTEL

　焦げた風合いの　ダビットソンの駐車場

　宿泊するほど余裕はないけれど　つい足を止めて

　なけなしの無駄遣い　コインを弾く　

　グラスを傾けて――

　ギシギシ軋む　床と椅子　

　舐めただけで脳ミソを揺るがせる　強烈な刺激

　夕映えにバルコニー

　この先に点す　明日への希望と　――steakの匂い

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