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記憶の龍機人  作者: もりなか りょう
1/1

始まり

古の時代、人と龍の戦争があった。20年以上続いた戦争は1匹の龍の裏切りにより戦況が大きく傾いた。其の龍の裏切りにより龍達の統率は乱れ、其の龍は人に様々な龍の力を与えた。人は力を加工し武器を創る。其の武器によって人は龍から勝利を収め、其の者は勇者と称えられた。敗北を認めた龍は姿を変え、ある者は牛となり、ある者は木々となり、ある者は山となり、反抗の意志を持ったものは力を弱め魔物となった。其の武器は後の時代で龍機と呼ばれ時代を動かす...


俺、ニルは記憶喪失だ。


王都近くの森で目を覚ました俺は記憶がないことに気がつく。


周辺から感じる野生動物のものであろう殺気を感じ慌てて、王都に戻ると自分の顔を頼りに王都を初め様々な街や村の宿の主や市場の店主に聞いて周り、たまたま知り合ったおばちゃんが生まれはインティ村だと俺が教えてくれたと言っていた。


王都からインティ村までは馬車で5日から10日ほどの距離なのだが、かなり遠回りで2年もの時が掛かってしまった。

「ここがインティ村か...ここなら無くした記憶のヒントが...」


今までの旅の中で故郷の知り合いがいなかったため薄々察してはいたがとても小さな村で面積の半分以上が田畑だ―――



村に近づいていくと槍を持った自警団のような男が何かを気づいたようにこちらを睨む。男はハッとして言う。

「お前、()()()()じゃねえか!久々だなぁ、リノちゃん置いてどこ行ってたんだよ!」


あぁそうか、俺の本来の名前はペラグスというのか...

「今の俺はニルという、記憶を失っているんだ。ペラグスの名は名乗れない」


男はギョッとする。

「そ、そんなことあるんか...とりあえずリノちゃんには会いにいけ、お前の帰りを待ってる」


明らかに困惑した男にリノの家を教えられ、男と別れ―――



家に着くと同年代くらいの少女が鼻歌を歌いながら洗濯物の干していた。俺は彼女に近づく。

「そこの人、リノという人の家はここで合ってる?」


こちらを向いた少女は俺の顔を見ると数秒固まった後に膝を地につけ泣き崩れる。

「ペラグスだぁ...ペラグスが生き返ってきたぁ...」


彼女がリノだと知った俺は一通り状況を伝えると彼女が再び涙目に。

「ごめんね、情緒不安定で...」

「いや、別に大丈夫。記憶を失う前...ペラグスとあんたはどういう関係だったんだ?」


彼女は少し考えた後に明らかに作ったような笑顔で言う。

「幼馴染!昔から仲良しで一緒に遊んでたんだ!」



リノはペラグスとの思い出話をする。

一緒に遊んだ話、友達と喧嘩した時に一緒に謝ってくれた話、15歳のリノの誕生日にダガーをプレゼントして怒った話、自分の強さを求め村から俺が出てった話...


俺は何も言えずに下を向く。俺の様子にリノが気づく。

「あ、別に責めてるわけじゃないの!ただ、思い出して欲しいなって...」


そう言うと突然、思い出したかのように続ける。

「そうだ!強くなりたいって村を出てったけど魔力量は増えた?記憶失ってもそこは強くなってるんじゃない?」

「魔力?なんだそれは?」


彼女は少し考え。

「私にはちょっと説明が難しいなぁ、魔力測定器あるし説明も受けれるだろうからムーンさんのとこ行こ!!」

そうして、俺は彼女と魔力とやらを測りにムーンさんとやらの所に向かう。



歩いていくと『月の占い舘』と書かれた看板があり、めっちゃ分かりやすい。

リノは店の扉を勢いよく開ける。

「頼もぉ〜!ムーンさぁん!」


彼女の声に反応し、奥からムーンと呼ばれた色気のあるお姉さんが出てくる。

「あら、リノとペラグスじゃない、久しぶりだけど、ペラグスのその顔...記憶ないわね?」

当たり前のように淡々と言う。


俺もリノも驚く。

「なんで分かったんですか!?占いですか!?」

そんな感じよ、とリノに返事をすると全てをわかっているかのように奥から水晶玉を持ってくる。


「魔力測定でしょ?わかっているわ、ペラグスこれに手を乗せなさい」

ニルと呼んでくれと言いながら手を置いた。

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