本当にそれでいいの?
ゆるふわ設定のなんちゃって乙女ゲームの皮を被った物語です、あわない方は速やかにブラウザバックよろしくお願いいたします。
放課後の教室で僕は彼と彼の背に庇われた編入生と対峙している、数人の生徒と睦月くんは少し離れた場所で傍観中だ。
「凌平ちゃん、凌平!ねえ、目を覚ましてよ。
何でその人なのさ、気付いてよ」
「はっ、男の嫉妬ほど見苦しいものはないぞ。いくらお前が彼女に相手にされないからといって詰るとはお門違いもいいところだ」
いやいや、詰ってるの相楽の令息の方だし、
彼女以外に相手にされなくなりつつある裸の王子様だし。睦月様の提案で密かにボイスレコーダーや高性能小型カメラで各々録音と録画をしている。うわ、あの女相楽の令息の陰でほくそ笑んでやがる、やべぇ睦月様のお顔が!ゆづき様、がんばって!!
「…それ、本気で言っているの?あの子傷付けてまでその人を選ぶの?」
「ゆづき、何度も言わせるな。俺が守りたい者、
愛しい者は 姫沙羅だ。こいつを傷付けるつもりならばお前だとて容赦はしない!」
僕を見つめるその瞳には確かに色があったけれど、それはもう僕の竹馬の友の眼差しではなくて。。。僕は溜め息を一つこぼして瞳を閉じ 再び開ける
「そっか、睦月もういいや。皆も付き合ってくれてありがとうね」
そんな、とかゆづき様、とか周囲がざわつく中僕は背後を振り返り彼らに声をかけ立ち去った。だから僕は知らない、彼の瞳に一瞬見捨てられた痛みが浮かんだなんて。そして晴れやかな寒々しい笑顔を浮かべた睦月と 下僕達を。。。
『とある下僕の証言』
美形が怒る表情というか、睦月様の傾国もかくやという笑みを浮かべた圧に相楽の令息がひきつるのに対し、あの女は頬を染めている。あんた状況見えてる?ほんと脳内恋愛畑だな。確実に室内温度下がってるっていうのに。
ああ、睦月様の美しくも鋭い声音が相楽の令息をえぐっていく。ようやくあの女も状況が判って泣き落としにかかっているが見苦しいったらありゃしないな。
あ、睦月様の最後通告に崩れ落ちやがりました。
我らが麗しの睦月様の恩情に感謝するがいい。
待っていてくださった方々ありがとうございます、ほぼ一月ぶりの更新すみません。テンプレート通りのざまあのはずが語彙力の不足と共にキャラ達を動かせず時間ばかりが過ぎてしまいました。そして睦月様の台詞無し。。。脳内で補完してくださると有難いです。そして下僕(苦笑い) 次回あたりラストに持っていけたらいいな、と思っています。ここまでお付き合い下さってありがとうございます。春先とはいえ、まだまだ肌寒いので温かくしてお過ごしくださいね。