竹馬の友と灰色歴史その二
腐向けな表現があるので苦手な方はブラウザバックをお願いします。
最近、高等部の一学年を取り巻く噂で盛り上がっている。
曰く、柏木の姫君を巡って相楽家の令息と左藤家の令息が競っているらしい。
曰く、相楽家の令息に新藤家の令息が秘めたる想いを寄せているらしい。
曰く、左藤家の令息が一部の界隈に一定の理解があるらしい。と
「はい?」
「私も聞いた時は唖然としましたわ。恐らく睦月様辺りは把握なされてるかと。」
真空管アンプを通してまろみと艶のある音色が流れる喫茶店で僕と柏木嬢は密談を重ねている。
「凌平ちゃんの耳に入った時が怖いね。逆に沈黙を保っている睦月君が不気味だよ」
「あら、否定しないの?」
じっとアーモンドのような形の良い瞳に見つめられ
僕の耳たぶが熱くなる。ごまかすように紅茶で喉を潤し、ぽそりと告げる
「僕の(異性での)初恋だもの」
「そういうところ、ですわよ」
疑問符を飛ばしている僕にほんのり朱に染まった気恥ずかしさを添えた笑みが向けられる。そんな甘酸っぱい雰囲気のまま無言で飲み終わり、お互いの警護の者に声をかけ 帰宅する。
居間で寛ぎ談笑する姉様達と烏の濡れ羽色のような漆黒の髪に優しげな瞳と色香を纏う 新藤睦月を無言で引き離し自室へ連行する。
オフホワイトのVネックからちらりと覗く鎖骨と優雅に組まれた脚がカウチソファに映え、無駄に退廃的な雰囲気と色気を醸し出す。少しは自重しろ!この歩く18禁め!!
「ゆづき、私は菫族に宗旨替えしたつもり一切ないのですがね。今も昔も愛でるのも女性のみ」
「黙れ、エロ魔神!!むっつり睦月!!」
溜め息をこぼし
「情緒のない秘め事など…ゆづきには刺激が強すぎましたね」
両刀扱いの意趣返しとばかりに両手を押さえ、耳元で閨の睦言を囁くような声音の睦月へ鳥肌を立て、涙目でごめんなさいと繰り返すゆづきだった。
ここまでお付き合いくださってありがとうございます、前回ブックマーク並びにポイント評価ありがとうございました。睦月様=ラスボス》越えられない壁》凌平ちゃん、ゆづきという力関係ですかね。凌平ちゃんとゆづきはある意味どんぐりの背比べかと。睦月様、書いていてこんな高等部生徒いないだろーと思いながらノリノリでした。柏木嬢とゆづきの少し離れた場所で警護の方達も喫茶店で甘酸っぱい空気に包まれていたという(苦笑い) 少しでも楽しんで頂けたら幸いです。