金の王子と銀の姫 2
何とか短いながらも毎日更新
三日坊主なんて言わせないぜ!そんな気持ちでいっぱいです(*`・ω・)ゞ
ブクマありがとうございますヽ(´∀`≡´∀`)ノ
「アルフォンス・・・・・・王子を傷物にした責任を取って王太子妃になってね?アウラちゃん」
王妃さまの美しい笑みと有無を言わせぬ声音に冷や汗がだらだらと流れる。
「いや、でもあれは男の子・・・・・・アルフォンス?さま?が足を滑らせて・・・・・・」
しどろもどろになりながら答える私の肩をがっしりと握り、
「とおっても見事な顎への掌底と回し蹴りだったわね。素手での勝負でもしアウラちゃんと一対一で戦うことになったら近衛兵でも苦戦するかもね」
「いえ、そんな・・・・・・ことは」
5才時に苦戦する近衛兵を雇用するこの国の国防は大丈夫なのかと思いながらも段々と尻すぼみになる私の声とは裏腹に王妃さまの笑みはますます深くなっていく。
「で、私からのお願いなんだけど受けてくれるわよね?王太子妃アウローラ・ミッドフォード」
王妃さまそれお願いじゃない、脅迫や。
この人怖い。
思わず心の中で関西弁になりつつも、美しい薔薇には棘があると知った瞬間だった。
アルフォンス王子も意識を失ってしまっていて本人の意思確認も出来ないままでは、とその場での返答を避け何とか今は自宅へ帰宅途中の馬車の中である。
「アウラ」
「はい、お父さま」
「今日は大変な目にあったね」
「はい」
「アウラはアルフォンス王子との婚約は嫌かな」
美しい顔を曇らせた父を見て申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになる。
「嫌、というか強いて申し上げるなら屋内でボール遊びをするような頭の弱い方と同じ空気を傍で吸いたくないと言いますか、存在すら許せないと言いますか・・・・・・」
「それは死ぬほど嫌だということだよね、アウラ」
「いえ、私はあの方のために死ぬつもりはありませんし存在を消すならあの方の方だと言いますか・・・・・・」
「分かる!分かるよ!!アウラ」
やや食いぎみにそう言って父は私の手をぎゅっと握る。
興奮のあまり頬が紅く染まり何とも艶かしい。
流石、父。
脇役ながら制作者側に愛されまくった男。
ちょっと誰かスクショ撮って!!と言えないのが辛い。
心の中でゴロンゴロンと見悶えつつ、父の手を握り返す。
役得!娘ならではの役得!!ありがとうございます。とっても美味しいです!
・・・・・・でもちょっと待って、父よ。
先程の発言からするともしかしてアルフォンス王子に対して腹に一物あるということでしょうか!?
そっと目で問いかけると、軽く視線を逸らしながら父は言った。
「あそこまで突き抜ける程のバカだと殺意沸くよね」
おい、バカ王子。私の可愛い可愛い可愛い可愛い父に何してくださりやがりましたか!?
ちょっと詳しく説明しやがれ下さいと心の中のバカ王子にコークスクリューパンチを決めた私と死んだ魚の目をした父を乗せた馬車はガタガタと車輪を鳴らしながら家路へと向かったのだった。