金の王子と銀の姫 1
※お断り
【金の王子と銀の姫】という章タイトルが既存の本のパクリではないかとご指摘がありました
作者はそのようなタイトルの本があることを知らず、またサブタイトルに関しては作中に関するキーワード的な意味合いでつけているため今現在、章タイトルを変えることは登場人物の設定及び話自体を大幅に変えることになります
そのため、現状では変更点することが出来ないことをご了承下さい
※章タイトルのパクリではないかと指摘のあった件ですが、
自分でも調べてみた結果、タイトルに関しては著作権は発生しないそうです(タイトル自体が商標登録されている場合はまた別)
実際に指摘されるまでそのタイトルの本があることを知らなかったので本当に偶然としか・・・・・・
もし、章タイトルが同じで不快と感じられた方がいらっしゃいましたら申し訳ありません
ちなみにパクリだと指摘された方からは、指摘された直後に謝罪文が入っておりました(・・・・・・え、なにそれ)
か弱い私の一撃・・・・・・いや、二撃で完全に伸びてしまった金髪の少年。
慌てて周りを見回せば呆然自失状態の大人達。
えぇ、これってもしかしてかなり不味い状況?
何とか打開策を打ち立てるべく必死に頭を巡らせる。
この男の子が勝手に足を滑らせたことにする?いや、ダメだ。私の記憶が確かなら顎に平手の殴打を一撃、続いて横から胴体目掛けて回し蹴りをした気がするもの。
あれは自分で言うのもなんだけどとっても良い一撃だった。改心の一撃ってああいうのを言うのよね!
あの状態で足を滑らせたなんて無理がありすぎる。
こうなったら最後の手段。意味もなく私も目眩を起こしたことにして倒れてしまえ。
そう思いふらりと自然な感じで倒れようと体勢を崩そうとした刹那・・・・・・
「あら意識不明で倒れたと聞いていたけれど元気そうで安心したわ、アウローラ」
鈴を転がすような美しい声に振り向けば、白い肌に碧玉の瞳、豪奢な巻き毛をくゆらせた金髪の美女。深紅のドレスも眩い宝石さえもその人の前には霞んでしまうまるで女神かと思わせるような美しさに思わず手を合わせそうになる。いや、拝んだわ、ありがたや、ありがたや。良いものを見せて頂きました。目の保養になります。
「アウラ」
そんな感じで無我の境地で私が拝んでいると、それを遮り私の愛称を呼ぶ声かけに慌てて答える。
「うぇぇぇ、ははははははははい」
不味い、淑女にあるまじき変な声出た。
美女の対角線上にいる父に向けてギギギギと音のしそうなほどぎこちない動きで顔を向け「この人誰?」と問いかければ、口パクで「王妃さま」という返事。
「聞きたくなかったそのひと言」と、こちらも口パクで答えれば「仕方ない」と無言のジェスチャーで答えが返って来た。
・・・・・・無駄に器用ですね、お父さま。
「えと、王妃さま?どうしてこちらに?」
恐る恐る上目遣いで問いかければ、王妃さまはニコリと艶やかに微笑む。
「だって息子の不始末で未来の王太子妃が倒れたら様子を見に来るでしょう?」
王太子妃って何?
私が目を白黒させている私にそっと近づき手を握る。
「アウラちゃん何を驚いているの?貴女のことよ」
「!?」
「いやあのこんやくとかコンニャクとかおしゃってたのは聞いてましたが王太子妃っていうのは・・・・・・」
「あら、きちんと聞いていたじゃない婚約って」
妃さまはうふふと笑いながら私の鼻先をちょんとつつく。
こんやく・・・・・・コンニャクではなく婚約。
落ち着いて考えてみればわざわざ王城まで来てコンニャクとか食べ物の話をするわけがなかった。
だがしかし、私はOKの返事をしていない。
よくよく考えてみれば美味しくないからと入りませんとかお断りしますとか返事をしたはず。
その証拠にお父さまが絶句していた。
「そうね。でも嫁入り前の女の子を傷物にしたて放置したままでは王家の名折れだわ」
ね、陛下。と小首を傾げ今の今まで置物と化していた王様に微笑む。
「ん。あ、あぁ。そうだな」
これはもしや、もしかしなくても王様ってば王妃さまに尻に敷かれてる?
そんな意味合いを込めて視線を送ればそっと目を逸らされた。
ヤバい、不味い。このままでは状況をきちんと落ち着いて把握しないまま婚約させられる。
それだけは絶対に嫌だ。
私はハッと気づく。王妃さまは何と言った?
確か息子の不始末、倒れた未来の王太子妃。
そして今私は倒れていない。倒れているのは金髪の男の子。
・・・・・・つまり。
「傷物になって倒れているのは私ではありません!責任を取ると言うのであればぜひこの男の子に!!」
ビシリと男の子を指差し、王妃さまを見返す。
王妃さまはそれに満面の笑みを浮かべ美しい唇を開いた。
「そうね。ではそこに倒れているのは私の息子のアルフォンスなのだけれど、傷物にした責任を取ってもらいましょう。ね、アウラ」
美しい女神の微笑みを向けられた私に理解出来たのはただひとつ。
・・・・・・5才にして私の人生が終わった、ということだけだった。
頑張って毎日更新してみたい(希望)
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