とある令嬢の誕生日 5
ブクマ・評価ありがとうございます
久しぶりの更新です
ちょっと毎日更新が難しくなってきました
曜日を決めて更新に変更したいと考えています
煙のように消え去ったレイ・ベスティアの影を探すように暗闇にアウローラが視線を向けていると背後から数人の足音が聞こえてきた。
振り返れば、会場で争っていた3人組。
「アウラ!」
「今の男は?」
「わかりません。父の知り合いのようですからお伺いすれば教えてくださるとは思いますが」
でも、ねぇ。まともに教えてくださるとは思えないんですよね。
基本的には私に甘々なお父さまだけど、何か企んでる時には絶対に口を割らない所がある。
それでもって今回は何か企んでいる気配がするんだけれど。
「取り敢えず会場に戻りませんか? 王子や一応、主役の私が席を外していては不味いと思いますので」
そう言って、アウローラが声を掛ければ王子はスッと手を差し出すと、「エスコートする」と言ってアウローラの手を引いて歩き出した。
ヒイロとレオルの両名はアウローラの背後に並んで付いてくる。
これどう見ても犯罪者の強制連行なんですが、私の勘違いでしょうか?
まだまだ賑やかな会場内に視線を巡らせアウローラは父親を探す。
色とりどりの人の波の中、父親であるクラウスの髪色は人の目を惹く。
父親の小型版と言われるシリウスとアウローラにもそれは言えるわけで。
いや、その話は今はまだ関係ない。
それよりも今は父を探さなくては。
・・・・・・と、見つけた!
クラウスは同じ歳くらいの商人風の男性と話していた。
王家主催のパーティーに貴族以外の人間がいるのは珍しい。
私が怪訝に思っていると傍にいた王子が説明してくれた。
「あれは最近、城に出入りしている男だな。確か子爵家と縁続きになっていたハズだ」
「じゃあ、アレが噂のやり手商人貴族か」
「・・・・・・商人貴族」
アウローラがぽつりと呟けば、ヒイロが怪訝そうな顔で覗き込んできた。
「何か気になることでもあるのか?」
「いえ、大したことではないので」
アウローラは言葉を濁し、じっと見つめる。
やがて息をひとつ吐くと覚悟を決めてクラウスの元へと足を向けた。
商人貴族、怪しくていい響きです




