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とある令嬢の誕生日 4

ブクマ・評価ありがとうございます


明日、更新出来る余裕があるかわからないので本日更新


予約更新すればいいんですが何となく

 歩く猥褻物(わいせつぶつ)に手を取られ、リズムに合わせながらステップを踏む。

 

「どうしたんです? 美しい顔が台無しだ」


 そう囁く男の声は美しいテノールで思わず腰が砕けそうになる。

 だが、それよりも何よりもアウローラはこの男に問い質したい。


 何故、いちいち耳元で囁くのかと!

 はっきり言ってくすぐったいのだ。それにアウローラはまだご老体でないので耳元で話さなければ聞き取れないほど耳は遠くない。


「貴方・・・・・・」


 アウローラが男に抗議しようとした途端、フロアに流れる曲調ががらりと変わった。

 それまでの軽快な音楽から一転、艶やかな音楽になった。

 同時にアウローラの腰に当てられた手に力が入り、

より一層、男と体が密着する。


 アウローラは体を離そうとするが、抵抗すればするほど男の拘束は強くなっていく。


 アウローラは優雅に見えるようステップを踏みつつ、男をキッと見据えた。


「お父さまは貴方の事をご存知のようですが、私は貴方の事を全く知りません。なのにこんな風にダンスに誘うなんて乱暴な方ですね」


 アウローラがそう言えば、男は面白そうにクツクツと笑った。


「貴女は思っていたより随分と気の強い姫君なんですね。先ほどまで争う男たちを前に途方に暮れていた方と同一人物とは思えない」

「それは、親しい友人が訳もわからず争っていればどうしたら良いかわからず途方に暮れます」


 アウローラがそう言えば男は益々、笑みを深めていく。


「彼らが争っている理由がわからない? 本当に?」

「わかりません。貴方はご存知なんですか?」

「わかりますよ、私も彼らと同じだから」


 意味深な笑みを浮かべる男に対し、アウローラは困惑するばかり。


 いつの間にか音楽は終わり、奏者たちは次の曲を演奏するための準備をはじめている。


 男はアウローラの手を引き、中庭へと誘う。

アウローラは咄嗟に会場内にいるセバスチャンの姿を探すが見つける事は出来なかった。


 アウローラの抵抗も空しく、どんどんと男は中庭の奥へ奥へとアウローラを連れて行く。


 そして、中庭の奥まった所に辿り着くと男はアウローラを抱き締めた。


「私は貴女のもの。貴女は私の全て。だから誰にも渡したくはない」

「何を言って・・・・・・」


 アウローラが男の体を押しやろうと抵抗を見せた瞬間、ふわりと柔らかいものがアウローラの首筋に触れた。

 同時にチクリとした痛みが首筋に走る。


「何をっ!?」


「徴を付けただけです。貴方が私のものだと言う証をね」


 アウローラが振り上げた手をかわすと男はついでのように口を開いた。


「私の名前は【レイ・ベスティア】。また会いましょう、禁忌の姫君」


 そう言って男はするりとアウローラの頬を撫でた。


 男の最後の言葉を聞いた瞬間、アウローラの頭に血が上った。


「貴方、何を知って!!」


 アウローラがそう叫んだ時には既に男の、【レイ・ベスティア】の姿はなく、アウローラはただただ男の去っていったであろう暗闇を見つめるのみだった。


 アウローラの脳内に【禁忌の姫君】という言葉が木霊する。


「レイ・ベスティア。あの男は何処まで知っているの?」


 アウローラのその呟きに答えられるものはこの場にはいない。






歩く猥褻物の名前辞書で適当に決めました

適当とはいってもきちんと意味を調べてから名付けてます

意味合い大事




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