ひとりの執事が生まれた日 2
ブクマありがとうございます
時間がなかなか取れなくて更新がこんな時間になってしまいました
申し訳なく
「これ飼っても良い?」
一人の少年を引き摺りながら問う少女に、
カーラはどう返答すれば正しいのかわからなかった。
少女・・・・・・アウローラの両親からは、娘には拾い癖があるので何か拾ってきたらその対応はカーラに一任すると言われていた。
今まで犬、猫を拾って来たことはあったがその際は情操教育にいいだろうと許可していた。
その際も特に主人である公爵夫妻からは特に叱責を受けることもなく、「あら、可愛い仔犬」などむしろ喜ばれていた気がする。
だがしかし、これはメイドである自分の手に余る。
犬、猫ではなく人間。
今までお嬢さまには【自分で拾ってきた生き物は最期まで面倒みるように】と教えてきていた。
なので今回ばかりは、
「元いたところに置いてきなさい」とも言えず、
また怪我をした人間をそのままにしておくことも情に欠けると思い困って公爵夫妻に相談することにした。
面倒事を上にぶん投げたとも言う。
ともあれ、怪我人なので手当てをしてからだろう、カーラは救急箱を取りに行くことにした。
お嬢さまと不審者を二人きりにするのは危険かとも思ったがあのお嬢さま相手にどうこう出来るとも思えず、また出来ることならとっくにやっているだろう。
救急箱を携え戻ってきてみれば少年は横に転がされ、ではなく寝かされてお嬢さまに「いいこ、いいこ」と頭を撫でられていた。
幸い意識はあるようで、カーラーが寄るとびくりとからだを震わせ体を起こそうとする素振りを見せた。
けれど痛みが強いためか、何処か骨折しているのかはわからないが、ほんの少しカーラから身体を遠ざけるのみにとどまった。
近付いてよく顔を見てみれば中々に綺麗な顔をしている。
けれどあと一歩近付こうとすると歯を剥き出し警戒に満ちた目で此方を睨み付ける。
カーラはため息をつくと、救急箱と共に持ってきていたお湯の入ったタオルを床に置きアウローラに指示を出す。
使用人の分際で主人に指示するなんて、と憤る者はこの家にはいない。
【必要なことを必要な時にもっとも適切な者に任せる】というのはこの家の主人から使用人に至るまで徹底されている家訓だ。
「お嬢さま、このタオルで彼の身体を拭いてあげて下さい。ナイトと同じようにですよ、出来ますね?」
「わかった」
アウローラはカーラから絞ったタオルを受け取り少年の顔からそっと拭き始めた。
少年は一瞬、身を固まらせたがカーラに対するような警戒心はないようで大人しくアウローラのされるがままになっている。
何度か手桶の湯を替えに行く頃にはすかっり身綺麗になった少年は多少の怪我は目立つものの平民というよりは貴族の子弟と言われた方が納得するほどの風貌をしていた。
カーラはお嬢さまに傷薬を渡し、
「これでポンポンと消毒してあげて下さい。けしてバシャっと掛けてはダメです」
と言い聞かせたのだが、そこはフラグ外さないお嬢さまは瓶を持ったまま派手にすっ転び、盛大な悲鳴を少年に上げさせる事となった。
傷の治りは早いが物凄く染みる傷薬を頭から被った少年はあまりの痛みに顔をしかめている。
それを見たお嬢さまは自分も転んで膝を擦りむいて痛いだろうにすぐに立ち上がると、
「ごめんね。アウローラが痛くなくなるおまじないしてあげる」
そう言って少年の両頬を小さな手でそっと包み
【おまじない】をはじめた。
「痛いのいたいのとんでけー」
カーラがあっ、と 思ったときにはもう遅かった。
ちゅっ、と小さなリップ音とともに少年の傷はみるみる内に治っていく。
カーラはそういえばお嬢さまの【おまじない】が効果は抜群だったなぁと思い出す。
それと同時にとある弊害があることも。
少年を見れば予想通り、自分の怪我が治った事にも気付かず、顔を真っ赤に染め上げていた。
そして口元を抑えながら小さな声で言った。
「・・・・・・奪われちゃった」
それを聞いたお嬢さまは無邪気な天使の笑顔で言った。
「奪っちゃった?」
少年は更に顔を赤くする。
カーラは思った。
お前、幼女趣味か! と。
頑張って書き進めていきたいと思いますので何卒お付き合いくださいませ
※章タイトルが既存の小説のパクリだと指摘のあった件ですが、実は当日というか指摘の直後に指摘された方から謝罪? メッセージが入っていたのですが、なんだかまた【パクリだ】という方が出てきそうなので【金の王子と銀の姫】のところにはお断りメッセージを付けたままにしてます
でも、あらすじのところはイメージ悪いので消しました




