何でもない普通の日
番外編的なお話です
ブクマ・評価ありがとうございます
じわじわ頑張ります
ダンスパーティーでの騒ぎも過去の話となり私もデビュタントを数ヶ月後に控えることとなった。
それと同時にエリシオン学院の入学も決まっていた。
エリシオン学院。
歴代の学院長には王族も就任していたこともあったという格式と歴史のある学院だ。
入学の条件はその年に15才を迎えること。
魔法の素養のある者、特異な才能を持つ者。
王公貴族・平民・性別問わず上記の条件を満たすものを集めている。
学院は表向き、身分に関わらず生活することを掲げているがそう上手くはいかない。
現状、身分による格差はあるとは先に入学していた兄の談だ。
で、魔法の素養が見られないと思っていた私でしたが、発現しました!
どっちかというと魔法というより精霊使い? みたいなもののようです。
小さな子供の頃から見えていた色の付いた光の珠、あれが実は精霊だった。
光の珠だったモノが私が長ずるにつけ、段々と生き物の形に見えてきたのだ。
そうなった切っ掛けはダンスパーティーの後、再びレオルが我が家に顔を出すようになった頃。
ある時レオルが「俺の家に伝わる究極魔法を見せてやる」と言って魔法を発動させた時の事。
踊るように舞う水の蛇の蛇が出現したのだけれど、レオルと私以外の人にはうねうね動くただの水にしか見えないらしく、「蛇? なにそれ、頭大丈夫? 」的な顔をされたので一人一撃ずつ受けて頂きました。
何を? ってそんな、乙女の口からはとても。
・・・・・・察して頂けますか? ふふふ。
足の間がヒュッとする? あらそんな下品ですよ。
「お嬢さま、それ何書いてるんですか」
「日記」
セバスチャンの質問に机の上のノートにペンを走らせつつ答える。
セバスチャンの行きを呑む気配を感じ、振り返れば何とも言えない微妙な表情をしていた。
「・・・・・・それ、事案になりますよ」
「何で?」
「何でって、この間【淑女としての意識を常に保つように】って、淑女教育のロイド夫人に出された日記帳と言う名の課題ですよね。
・・・・・・不味くないですか?」
苦虫を噛み潰した様子でセバスチャンに言われるも、何処がおかしいのかわからない。
あぁ、でも言われてみれば気になってはいたのだ。
「じゃあ、【備忘録】、でなければ【没日録】にしよう」
「そうじゃなく! ダメなのはタイトルじゃないんですよ!? 何で肝心なときにボンクラなんですか貴女は‼️」
「他に書くことあるでしょう? 刺繍をしたとか、ダンスのレッスンをしたとか」
「自分が書いてて楽しくないものを書く気はしないのよね」
「楽しい楽しくないではなく内面を磨く為に日記を書きなさいって意味でロイド夫人は言ったんですよ‼️」
わたしはただ只、無言でセバスチャンの顔を見つめる。
「何ですか? 私は謝りませんよ!」
私は言葉を発することもなく、セバスチャンの背後を指差した。
「何ですか・・・・・・後ろ? ヒッ!?」
メイド長は一瞬でセバスチャンを頸を締め落とすと、私に向かって一礼した。
「申し訳ありません。これには使用人としての礼儀をもう一度叩き込んできます」
そう言うとメイド長は一礼し、セバスチャンを担いで部屋を退出しようとした。
・・・・・・のだが、戸口で立ち止まると振り返り、
「私も【それ】に関しては書き直すことを推奨します。タイトルではなく内容を」
・・・・・・念を押された。
そして再び一礼すると、今度は振り返ることなく部屋を退出した。
私は【日記帳(仮)】を見返す、
「何処が駄目なのかなぁ?」
私は固まった体を伸ばすように伸びをすると、テラスに向かう。
メイド長に言われたわけではないが【日記帳(仮)】は書き直すことにしよう。
空は晴天。
室内で書き物をするには勿体ないほどの天気だ。
「何か淑女らしくて楽しいこと起きないかしら」
新章にいこうかと思ったのですがもう少し話を考えたく、番外編になりました
もうしばらくお待ち下さいませ




