緋(あか)の貴公子 蒼(あお)の騎士 12
閲覧ありがとうございます
ブクマもどんどん増えてるみたいで嬉しい限りです!
ブクマしてくだっさった皆さまありがとうございます
ブクマ100健を目標にしていたので達成してしまうと燃え尽き症候群になりそうなので、次はブクマ1000件目指して頑張ります q(^-^q)
※加筆修正しました 20180807
ヒイロに半ば引きずられる様にやって来た少年は間違いないなく幼馴染みのレオルに見えた。
・・・・・・蒼く染まった髪以外は。
「おい、放せよ! ヒイロ・フレイムド‼️」
「いいから大人しく付いて来て下さいよ。レオル先輩」
「い・や・だ。俺は男に腕組まれても嬉しくなんかないからな!」
「ハイハイ。奇遇ですね、俺もですよ。でも貴方に会いたいって人がいるから嫌々、仕方なく不承不承腕引っ掴んでるいるのでその辺の事はお間違いなく」
「女、女か? あの、女嫌いだと噂されていたヒイロ・フレイムドが女! そう言えば年下の女連れてきてるって女子たちが騒いでたな」
ギャーギャー騒ぎながら此方にやって来ているので酷く人目を引く。
「何だ、その彼女が俺に会いたいって言ったのか? でも色々と残念だな。お前もその彼女も、振られることになるなんて。俺は貞節な男だからなアウラ以外には靡かないぞ」
「あー、もう! うるさいですよ‼️」
私たちの前まで来ると我慢も限界に達したのかヒイロは乱雑にレオル? の腕を振りほどいた。
「アウラ? アウラって言ったのか、お前。何でお前が俺のアウラを知ってるんだよ! 答えろ、ヒイロ‼️」
ヒイロに掴み掛かるレオル。
完璧に外見、行動パターンどっからどう見てもレオルだわー。
・・・・・・何度も言うけど髪の毛以外。
「髪、蒼い! 不良? 不良になったの!? レオル!」
「え、アウラ!?」
「そうよ、アウラ。で、暫く見ない内にそんな髪になっちゃって何の不満があっての事なの?」
詰るように問い詰めると、レオルは焦って言い返してきた。
「違う違うぞ、アウラ」
「何が違うの? それともやっぱりレオルの偽物?」
鼻先まで顔を近づけ、じっと目を見る。
「アウラ近い‼️」
もはや悲鳴のようなそれに私が驚いていると、
みるみる内に首から朱に染まったレオルは私の肩を掴み引き離した。
ガクン、と後ろに向かう力が急に勢い付いたので振り返ってみれば、いつの間にか私の背後に回っていたらしいヒイロに肩を引かれていた。
「確かにレオル先輩の言う通りアウラはちょっと近づきすぎ」
何やらヒイロとレオルの間で火花が散っている気がするの気のせいかな。
シリウスとユリウスはメイド長に首根っこを掴まれたまま、「良いぞ、ヒイロもっと言ってやれ」とか、「お前も近づきすぎだ」とかヤジを飛ばしている。
・・・・・・通常運転なようで何よりです。
「あーもう、うるさい外野!」
叫ぶ、レオルの声に同調するかのように周囲に青い光の珠が、出現する。
その青い球体は母が感情を暴走させた時に見えるそれと良く似ていた。
そして、それは兄たちの真上に移動するとパチリと弾けた。
瞬間、どしゃ降りの雨に降られたかのように水浸しになるお兄さまとユリウス。
私はただそれを呆然と見つめているだけだった。
「ーーお前っ、いきなり魔法を発動させるなんて卑怯だぞ!」
兄の声に意識を引き戻され、私が良く見ていた光の球が魔法を発動するときに発生するものだと確信した。
「外野がうるさいからだろ? 大体その程度の魔法を防げなくてどうすんだ!」
レオルは吠えるようにお兄さまに叫ぶと私に話しかける。
「アウラ、久しぶり。間違いなく俺がレオルだよ。ちょっと親父との修行で髪の色変わっちゃったけど」
「しばらく学院にも修行で居なくて、アウラに近づく邪魔物もいなくて僕はせいせいしたけどね」
「ホントにうるさいぞ、シリウス」
べーっ、と小さな子供のように舌をだす兄。
「大体、修行から戻ってからも学業に支障が出て遊びにも行けなかったんだよ」
兄からレオルの事情は聞いていたらしいユリウスも私に報告するかのように言ってきた。
うん、でもね。お姉ちゃんちょっと思ったんだけどユリウスってばもしかしてレオルに遊んで貰えなくて寂しかったんじゃない?
もちろん、お兄さまも。
言葉の端々にひねくれた愛情表現が見受けられるんだけども。・・・・・・気のせいかしら?
でも指摘するのはここでは止めておこう。
知りたいことをまだ聞いてないからね。
「そうなの? 大変だったのね。・・・・・・でも、修行で髪の色って変わるものなの?」
普通修行で髪の色は変わらないだろう。
せいぜい筋肉が付いたりする程度だろう。
どんな修行をすれば髪の色が変わると言うのだ。
世間一般、修行するものが皆、髪の色が変わると言うなら私が知らないことはないだろう。
「正確には俺の髪の色が変わったのは、家に伝わる魔法の継承のせいだよ」
私の表情から考えを読み取ったのだろう、レオルはそう言って話はじめた。
長い間出てこなかったレオルくんは修行に出ていました
決して存在を忘れていたわけではないですよ?




