金の王子と銀の姫 11
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「【きんのおうじ と ぎんのひめ】ですか?童話でしょうか、ですが聞いたことのない題名ですね」
「城の図書館から出してはいけない本だからな。王族以外は知らないんだろう」
ここで王子どや顔。
なんかちょっとイラッとするわー。
・・・・・・我慢、我慢。私は大人、5才児だけども。
門外不出の本でも、童話なら、ある程度なら口伝で話が伝わっていそうなんだけど、王族である母からも聞いたことがない。
・・・・・・ただ何かが記憶の片隅に引っ掛かる。
ところで今更ながら思うんだけど横一列で手を繋ぐ必要ってある!?
右から王子、私、セバスチャンの順。
つまり私は両手を塞がれている。
歩きづらいわっっ!!
手を離すよう頼めば「ダメ」の一点張り。
周囲の好奇の視線にさらされながら私たちは図書館に向かっている。
建物の高さは3階建てくらい、白い壁と色とりどりの硝子を嵌め込んだステンドグラス。見事な細工の扉と壁を這う蔦は歴史を感じさせる。
「素晴らしい建物ですね」
思わずそう呟けば、セバスチャンも同意する。
「ええ、本当に。神秘的なまでの美しさです。歴史を感じさせる風格のある佇まいなのに少しも損なわれていない」
「古代の魔法でも掛かっているのかしら」
「良くはわからないが魔法が掛かっていてもおかしくないだろうな。王族は魔力が強い。特に初代さまは人智を越える能力を有していたという話だからな」
「成る程」
「興味深いですね」
隠し部屋とか隠し通路とかもありそう、凄いワクワクする。
「こういう所って外部との隠し通路とかありそうですよね」
セバスチャンもそう思ったらしく、顎に手を当てながら壁をコンコンと軽く叩いている。
おお、左手がようやく空いた。
私は建物周囲を調べているセバスチャンに声をかける。
「セバスチャンも思った?ちょっとワクワク・・・・・・」
「城に侵入する際に把握しておくと便利ですよね」
何するつもりだコイツ、という視線で見ていたら
「お嬢さまのためにならないことは致しませんよ」
と、微笑まれた。
不意に、ぐいと引っ張られ横を見れば王子様。
「お前の婚約者は僕なんだからな」
拗ねた口調で言う様は可愛いんですが、でも母に叱られた時の父の方がもの凄い可愛い。
しょんぼりして良い年した大人が膝抱えて座り込むんだ。
うっかり近寄ると捕獲され抱き込まれ、背中に頭をぐりぐり擦り付けられる。
以前、あんまり落ち込んでいるから頭をなでなでしてあげたら小一時間程、抱き枕状態にされたのだ。
可愛くないですか!? うちの父! でもあげませんけどね!!
そんなわけで、
「7点」
「何の点数だ?」
「それは何点満点中なんですかね? それと加点と減点方式どちらなんでしょう?そして私の点数は?」
まったくわかっていない状態の王子と、把握しているセバスチャンは奇遇にも同じように微妙な顔をしている。
質問多いわ、二人とも!
ここは笑って誤魔化せ! 頑張れ私の表情筋!!
私は王妃さまを出来る限り真似て笑うと然り気無く話を逸らすことにした。
「王子さま、私そんなことより早く王子さまお気に入りのご本がみたいです」
胸の辺りで王子の手を両手できゅっと握った。
真っ赤なトマトと化した王子は私の手を振り払い、
(・・・・・・何故だ)
図書館の扉に手を掛け思い切り押し開いた。
図書館の中に一歩足を踏み入れ周りを見渡せば、古今東西ありとあらゆる本が所狭しと棚に納められている。
正に圧巻だ。
本好きの私としては実に堪らない光景だった。
「・・・・・・凄い」
「そうだろう! だけど僕のお気に入りの本はここにはない。こっちだ」
王子に促され、私とセバスチャンは王子の後について図書館の奥へと入っていく。
辿り着いた先にあったのは一際異彩を放つ重厚な一対の扉だった。
重々しい雰囲気の扉だが私はそれだけではない何かを感じ、まさかとは思ったが思わずそれを言葉にした。
「これって禁書の部屋なんじゃ」
本来なら禁書という言葉と意味を知っている5才児はそういない。
私が何故、禁書という言葉を知っているかというと父母に教えられたからである。
強力な魔力を持つ両親は子供たちにも遺伝することを考え、魔力を持っている故に起こりうる事象を早い内から教えていた。
その一つが禁書である。
禁書とは二つの意味合いがあり、
ひとつに、歴史、政治、宗教など現在、正当とされているものを覆し、世情を混乱させるであろう事柄を記載されたもの。
ふたつ目に魔力を持ったものが触れると本に書かれた事象が現実に起こってしまうなど、魔力に関する危険性の高いものを指し示す。
両親はふたつ目を危惧し、私に禁書のことを教えた。
そして嫌な予感というものは往々にして当たるというのがお約束というものだ。
「そのようですね、扉に魔法が掛かっています」
うわぁ、やっぱり!
否定して欲しいときほど肯定の言葉が返ってくることにうんざりしつつセバスチャンに確認をとる。
セバスチャン曰く、
この扉に掛かっている魔法はかなり強力なもので王族、しかも一定以上の魔力を持ったものしか開けらない上に、
ほとんど封印と言っても差し支えのないものにになっているとのことだった。
つまり、それが何を意味するかというと
王子お気に入りとやらの本は、
かなり危険な代物という事実である。
・・・・・・マジか。




