金の王子と銀の姫 8
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本日夕食はホタテのパテ、冷製ポタージュ、白身魚のムニエル、檸檬とミントのシャーベット、赤ワイン仕立てのソースと鴨肉のフィレ。ふわふわのパン。色鮮やかな紅が目を惹く桃を使ったアイスクリーム。
うむ、美味しい。
目にも楽しく、味も良いなんてうちの料理長は本当に素晴らしい。
以前、
「いつも美味しい食事をありがとう。貴方は我が家の自慢だわ」
と、感謝の意を伝えたら涙を流しながら逆にお礼を言われた。
それ以来、日々の食事はバラエティーに富み、豪華になった。
シェフもいきいきと新規メニュー開発をしているようなのでまぁ、良しとしよう。
でも、ひとつ要望を言っていいならば、
お米食べたい。
シンプルに塩にぎりも良いし、さらっとお茶漬けも捨てがたい。
そしてなりよりB級グルメの王道その名も【丼】!
良いなぁ、食べたいなぁ。
お父さまにお願いしてお米探してもらおうかなぁ、そうしたら色々と料理長にお願いして作って貰えるし。
そんな感じてニマニマと妄想、もとい空想に浸りながら美味しいご飯に舌鼓を打っているところに邪魔が入った。
「ねぇ、アウラ~、俺が前に座ってるのがそんなに嬉しい?」
「・・・・・・どういう意味でしょう?レオル」
「さっきから気持ち悪いくらいニヤニヤしてたから」
気持ち悪いだとぉ?
ムッとしたものの淑女足るものいつでも冷静に上品にとお母さまに躾られた私はそんなことはしない。
正直にいうとお説教四時間コースの仲間入りなんかしたくないからだ。
私に対して極甘のお父さまもレオルの暴言に対して無言を貫いている。
・・・・・・良く見れば手にしたフォークはぷるぷると震えてはいたが。
「まぁ。それは失礼致しました。お食事のあまりの美味しさに頬が緩んでしまったようです」
にこりと笑ってそつなく受け流す。
我慢できなかったのは私の兄弟二人。
レオルを挟んで両隣に座っていたためまるでステレオ状態でレオルに、文句を言っている。
レオルが食堂に来た時点で「私、お父さまとお母さまの隣でご飯が食べたいです」と、あざといほどに可愛い子ぶって言った甲斐があったというものだ。
・・・・・・物凄く恥ずかしかったけども。
でもそのお陰でゆっくりと食事はできた。
お母さまは対面でワチャワチャと騒いでいる3人組に一瞥をくべると、私に視線を戻し口を開いた。
「アルフォンス王子との対面はどうでしたか?」
「対面と言われても私も気絶していましたしアルフォンスさまもお倒れになってしまったので・・・・・・」
この話題はマズイ、と思いつつも話をすり替えるわけにもいかず、渋々と口を開く。
「実は謁見の間にて陛下にお会いしたあとアルフォンスさまをお待ちしていたのですが、その際アルフォンスさまが遊んでいたらしいボールが頭に当たってしまい私は気絶してしまったんです。幸い特に私は怪我もしなかったのですが」
母は「謁見室でボール・・・・・・?」と視線を険しくしながら呟き、
母の機嫌をを伺いつつ私は先を進めた。
「それでその、目を覚ました時につい、うっかりアルフォンスさまに教育的指導をしてしまいましたっっっ!!一応、痕が残らないよう手加減したんですが・・・・・・!」
言うが早いが私は「ごめんなさいっ!」と、がばりと頭を下げる。
お母さまの許しが出るまで頭は上げない、これは鉄則。
だが母は私が王子に手を上げてしまったことより別のことが引っ掛かったらしい、むしろ逆に【教育的指導】の件は「良くやりました」とお褒めの言葉を頂いた。
私の方が母に報告したことでとんでもないことをしたと理解し戦戦恐恐としていたら、
「明日、今日の件については私が一緒に行って陛下・・・・・・弟にに直接申し上げますから、アウラは心配しないでよろしい」
と言って頂いたのでひと安心。
ついでに王妃さまとの一件も報告しておく。
「わかりました。婚約の件は落ち着いて明日もう一度話し合えば良いでしょう。・・・・・・ところで、どういうことでしょうか、旦那さま?それだけの事があったのに私には何のご報告も頂いておりませんが」
ちろり、とお母さまはお父様を睨む。
お父様に対して怒っているお母さま可愛い。
お母さまに怒られてしょんぼりしているお父さまも可愛い。
合わせるとなお美味しい、神さまありがとうございます。
問い詰められしどろもどろなお父様はおずおずと話だした。
「いや、あのね。別にわざと報告しなかった訳じゃなくてね?レオル君が来て少しどたばたして忘れてしまったというか、ごめん!」
素直にぺこりと頭を下げて謝る父に毒気を抜かれ、母は大きくため息をついた。
「もういいです。旦那さまは後でもう一度詳しい話をお聞かせください。二人で明日の対応について話し合いましょう。アウラは食事が終わったのなら部屋に戻りなさい」
「それと・・・・・・」
母はこちらを一向に気にせずとワチャワチャとしている3人組の後ろに静かに回り込み、
「何時まで騒いでいるのですか貴方たちは!」
手にした扇子で3人に見事な【教育的指導】をきめていた。
そして私はそれを確認したあとそっと部屋へと戻ったのだった。




