金の王子と銀の姫 6
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×今上陛下の妹
○今上陛下の姉
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兄弟達の怒濤の襲撃から十数分。
二人のの巻き付き攻撃からはセバスチャンの夕食を告げる一言によって窮地を逃れたものの、今度は食堂に行く際も兄と弟はどちらが私をエスコートするかで揉めていた。
そのエスコートが抱っこという選択肢しかなかったのは謎だ。
兄はともかく私より小柄な体型の弟に抱っこなんてされようものなら確実に弟がに潰れる。
出なければ荷物よろしく引きづられるだけだろう。
パーティーではなく自宅で夕食を食べるだけなので必要ないと丁重にお断りをした。
だが、それでもなかなか引き下がらない兄弟達にセバスチャンの雷が落ちた。
「抱っこなどと淑女に対しておいそれとするものではありません!それにそんなことをしていてはお嬢さまのためになりませんよ」
「お兄さま、ユリウス。セバスチャンの言う通りよ。セバスチャンも私のために言ってくれてありがとう」
叱られた仔犬のように項垂れる兄弟達に言い添え、セバスチャンに向けて笑顔で礼を言う。
「・・・・・・でもセバスチャンだって、アウラが帰ってきた時抱っこしてたじゃないか」
不服そうな兄の声。
「そうだよ、ズルい」
完全に拗ねてしまった弟の呟き。
そういえばそうだったなぁ、と思い出しつつもその場には居なかった兄弟達は居なかったハズだ。
「お兄さま、ユリウスはあの時居なかったのですがどこでご覧になっていたのですか?」
「玄関脇の小部屋の所だよ」
「帝王学の授業の時間を脱け出してきたから、家庭教師に見つかったら不味いと思って外に出て来れなかったんだ」
「・・・・・・結局、見付かっちゃって少し前までお説教されてたんだけど」
「色々と足止めするために蛙とか罠とか仕掛けてたんだけどね」
蛙とか罠って何?悪戯っ子ですか、貴方達。
そして何故そんなに得意気なんですか。
「・・・・・・授業を抜け出した上に蛙に罠ね。メイドをはじめとする使用人達の悲鳴の原因はそれですか」
セバスチャンの冷え冷えとした声に背筋が凍る。
「シリウスさま、ユリウスさまお二人とも後ほどこの件は奥さまにご報告させて頂きます。・・・お覚悟のほどを」
「それと、私がお嬢さまを抱き抱えていたのはお嬢さまが体調を崩されていたからです。決して貴方さま方のように甘やかしや自分の欲望を満たすだけではありませんので悪しからず」
・・・・・・む、何だか今のセバスチャンの発言に違和感があったような。
「どうしましたか?さあ、行きましょう。お嬢ちゃんさま」
そう言ってセバスチャンはクルリと踵を返すとスタスタと歩き出す。
そう、きっと気のせい。私は気を取り直し慌ててセバスチャンの後を追う。
少し思い直してちらと後ろを振り返れば、
そこには顔面蒼白になった二人の姿があった。
「お兄さま達は放っておいて良いのかしら?」
「構わないでしょう。お声掛けはしましたし、もしお夕食を食べ損ねたとしてもお勉強をサボった罰ということで」
そう言ってセバスチャンは微笑みながら私に向かって手を差しのべる。
「お嬢さま、お手を。エスコートさせて頂きます」
「普段の食事にエスコートは必要なかったのではないの?」
「えぇ、ですが練習ということで」
「そう?」
腑に落ちないながらも差し出された手のひらに手を載せれば軽くきゅっと握られる。
どこか機嫌良さげなセバスチャンに手を引かれ私は食堂へと向かったのだった。
食堂に入ればそこにはすでに父が居て横にはちょこんと母が座っていた。
母は今上陛下の姉ということで王家の金髪碧眼という外見的特徴を濃く受け継いでいる。
そういう点では弟のユリウスも王家の特徴を継いでいる。
・・・・・・が、何より母を言い表すのに最もふさわしい言葉がある。
【巨乳幼女】もしくは【合法ロリ】
なんかもうこの2つの言葉は母のために作られたんじゃないかと思うほど見事に母の外見的特徴を言い表している。
外見年齢13才、実年齢は怖くて聞けない。
大きな瞳にさくらんぼ色の小さな唇。ふくふくとした頬、そして二つの小玉スイカもかくやというお胸を持った母はさぞやその筋の方達から見たら垂涎ものだろう。
だが、可愛らしい外見に騙されてはいけないという事実を私は知っている。
母は厳しい、特に礼儀作法に関しては強烈なほどに厳しい。
私はすかさずドレスの裾を持ち上げ略式の礼をする。
「遅くなりまして申し訳ありません。お父さま、お母さま」
「構わないわ。シリウスとユリウスは一緒ではなかったの?」
ほわりとした笑みを浮かべ、母はそう尋ねる。それに答えたのはセバスチャン。
「はい、お声掛けをしたのですがその際にお勉強の時間に抜け出した挙げ句、悪巫山戯をされたとのことでご注意を申し上げたのですが」
「叱られて反省しているというわけではないようね。セバスチャンの意気に負けて茫然自失といったところかしら。」
「わかりました。二人には私から後でよくよく言って聞かせます」
うふふ、と可愛らしく顔では笑っているもののその気配は完全に笑っていない。
「・・・・・・お説教一時間コースかしら」
「三時間コースだと思われます。お二人の悪戯のせいで奥さまお気に入りの花瓶が割れたよううですから」
「そう」
引かれたイスに腰掛けながらセバスチャンとこそこそと話し合う。
「お説教三時間コースなら夕食後はゆっくり出来そうね」
「後ほどお茶をお持ちします」
「ありがとう」
直後、競うようにバタバタと食堂へと入ってきた兄たちに母の眦が吊り上がったのを見て私はお母さまのお説教四時間コースになったのを確信したのだった。




