風景41
朝起きる。年の瀬になり、すっかり寒くなって来たが、この時間やはりまだ近所は眠っている。まさおは比較的静寂が保たれたこの朝の時間が好きだった。
今日もカッコつけてコーヒーでも煎れようかと思い、一階の台所に降りる。お湯を沸かして、キリマンジャロと、あと、やはり何かよく判らんが大層なお豆をしこたまブレンドしてる粉末を用意する。毎度のことながらBGMがダバダーと鳴り響き、煎れたてをすする。至福の時間である。
「開けて、開けてよ。まさおー。」
表のシャッターを、今度は流石に服は着てるが、それでもやはりボロボロの身なりで叩く男が一人。
悲しいかな。またしてもモーニングダバダは破られた。
「で、今度は何したの?」
「わかんねえ。何でだろね?」
「知らねえよ。どうせ、また何か悪いことやらかそうとしたんだろ?」
「そんなことねえよ。単純にお年よりと仲良くなろうと思っただけだよ。そのためにお年よりに電話して公園に行ったのね。で、ちょっと話したらお小遣いくれるってんだから、有り難く頂いて帰ろうとしたら。」
「それ、オレオレ詐欺じゃね?」
「まあそう言う人もいる。つうか、問題はその後よ。急に後ろから小学生位の女の子がすっごい速さでタックルしてくんの。でその後、何発か本気で殴ってくるの。」
「!?」
「で、とどめに俺の首のところにスタンガンかましてきやがったのよ!」
「!!」
「マジで怖かったわ。気づいたら警察署の前に放置されててさ、危うく警備の人間に見つかるとこだったわ~。・・・ん?どした?まさお?」
「まさかな・・・。」
「いやもう、親は一体どんな教育してんだっていうね・・・!」
既に、まさおはブッチョの話を聞いていなかった。頭の中で色々な事がグルグル回って、ようやく一言呟く。
「まったく・・・魔法みてぇな話だな。」
ご覧頂き誠に有難うございます。
以上をもちまして、今作については完結とさせて頂きます。
今に至って、安易に裸に頼るのは、良くないと反省する次第です。以後気を付けます。
それでは、また機会がありましたら。
2017年12月
トミー・ゲレロのアット ザ サークルスエッジを聞きながら
和泉書房




